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神田松鯉「講談で菊池寛を語る」

落語・浪曲と並ぶ、日本三大話芸「講談」。わたくし、落語を聴き始めたのは2019年からという新参者ですが、ゆっくりと寄席や落語会に参加しております。そして浪曲は繁昌亭の昼席で春野恵子さんの口演を聴きましたし、月亭方正さんの落語会のゲストで間寛平さんが「歌謡浪曲」を披露されてるのを聴いたこともあります。僅かですが体験があるのです。

しかし、講談は完全な未体験。そんな私に巡ってきた絶好の機会。

人間国宝・神田松鯉先生、香川に来たる。

しかも、無料!人間国宝が、無料!

さらに地元の文豪・菊池寛先生の作品を講談化!

この太っ腹な企画は、菊池寛記念館が主催する文化事業として行われるようです。演目は「恩讐の彼方に」。菊池寛先生のお孫さんの菊池夏樹氏との対談など、盛りだくさんというか贅沢というか、本当に無料でいいのかという企画です。ただし、先着300名限定。

知った瞬間にWEBで申し込んだのですが、2日後くらいには全て埋まってしまいました…そりゃそうですよね。で、当日。まずは昼食。


会場のサンポート高松で一番大好きな店、陳建一さんの麻婆豆腐店で腹ごしらえした後…(汁なし担々麺とハーフ麻婆豆腐のセットがお勧めです)。

シンボルタワー6F・国際会議場に向かいます。この会場も初体験。ホールとか劇場ではなく、大きな会議室なのですね。この空間を無料で体験できるのもありがたいです。

で、講談初体験はどうだったかというと…。なんというか、ね…。

神田松鯉先生、かわいい。

失礼ながら、81歳の人間国宝、めっちゃかわいい。いや、私ね、講談の人ってもっと「こわい」と思ってたんですよ。だいたいこう、ターン!と豪快に言い立てるイメージじゃないですか。お弟子さんの六代目神田伯山さんも、なんかこう、眼力がすごい感じの写真多いじゃないですか。

イメージとのギャップが凄かった。松鯉先生は、かわいい。

もちろん今回は小説の講談化ですし、ライトな感じだったのでしょうけど、その情感たっぷりの名調子、解説や対談で垣間見えるお人柄、全てとても親しみやすく楽しいひとときを過ごせました。

演芸そのものに出会って日の浅い私などが言うのはおこがましいのですが、話芸の根底は皆同じなのではないか、「聴かせる」技術というものはその方向性に関わらず「とっつきやすく」磨き抜かれているものではないだろうか。そう思わせてくれる素敵な企画でございました。

講談、(次は無料無料とセコいこと言わず)また行きます!