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時計の針が止まる時 episode2

アルバカーキー空港で

2014年11月11日
アメリカン航空
アルバカーキー(ニューメキシコ)12時25分発
フェニックス(アリゾナ)13時45分着
この飛行機に乗って、セドナへ行く。

はずだった。

14時過ぎにはフェニックスに着いて15時すぎにはセドナの迎えくる赤い岩山に車中から大興奮している!

はずだった。

アルバカーキー空港の搭乗ゲートに着いた時には、もうゲートが閉められ乗ることができなかった。

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セドナへの旅にワクワクしながらアルバカーキー空港に着いた。時間を確認すると、腕時計が11時すぎで止まっていた。
急いで時間を合わせる。動いた。故障や電池切れではなさそうだ。

時は12時少し前。

そして、私はこの時なぜかこう思う。
「焦った~良かった~、まだ離陸まで1時間半位余裕があるからお茶しよ~」と。

朝ホテルを出た時はちゃんと解っていた。英語がカタコトの私。個人旅行だから余裕を持って11時半前には搭乗ゲートに行こうと思っていた。

なぜなんだ?

どうなるんだ?今日中に行けるのか?行けなかったらどこに泊まる?フェニックス空港に予約してあるレンタカー屋さんとセドナの宿泊先に連絡しなくては。


横では男が怒った金魚みたいに口をパクパクさせてなんか言っている。が焦っていて耳に入らない。
男とは夫。そう、新婚旅行の話である。


彼は運転担当。
私はスケージュール管理とカタコト英会話担当。

ようやく自分を取り戻しカタコトで確認する。
係「15時半の便にスタンバイしてください」
私「えっ、それって確実に乗れるんですか、乗れない場合は?」
係「□$£▶%@₨₣▧▶₣▽◉₢¢₧$」

何を言っているか、わからん。。。

しまいに係のおじさんは若干のイライラと共に

スタンバイ!!スタンバイ!!

を連呼した。




15時にと言われたので搭乗口でスタンバイ。もともとの乗客が続々乗り込んで行く。
残り5名になった。あ〜この人達もスタンバイか。そのうち、1人、また1人と呼ばれて行く。残すは私達2人。
ジージージージーと搭乗者名簿を印刷する音が。
ん、ん⁈急いで聞くと「この便のスタンバイは終わりです。次の18時半の最終便にスタンバイしてくださいっ!」と。

オーマイゴー×100

乗れるか乗れないかわからないまま、スタンバイ6時間in アルバカーキー空港

結果、私達はなんとか最終便のスタンバイに成功し20時半頃すっかり暗くなったフェニックス空港に到着したのだった。

セドナの宿泊先である日本人オーナーへ搭乗前に連絡し、遅れるお詫びとフェニックス空港のレンタカー屋に状況説明をしてもらうよう依頼した。

フェニックスからセドナに車で向かう。
途中からは明かりもなく真っ暗で景色が全くわからない。夕飯を食べられそうなお店もない。

深夜ようやくたどり着いたホテルの部屋。
何かあった時のために持っていた

で、日本の高度なレトルト技術を噛み締める。体にしみた。今日中にセドナにこれて万々歳や!

もし、時計が止まっていなかったら乗れたのだろうか。時計を直した時からおかしな感覚におちいった気もする。

否、私のおっちょこちょいが原因である。
と反省しつつも

もしかしたら、早く到着したら車で事故っていたのかも知れない、誰かが何かから守ってくれたのかも知れない。

これは神様の時間調整だとありがたく思うようにする。

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朝起きてホテルの窓から見えた別世界の景色にたまげた。昼間に到着していたら、目が覚めたらおとぎ話の中にいるようなこの感動は味わえない。

6時間のスタンバイは、この感動の為にあったのだああああ(*゚∀゚人゚∀゚*)♪というのもまた良い良い。