半笑いのに教えられたこと
僕が住んでいる山には、半笑いで畑を荒らす猪、通称“半笑いの”がいる。
畑を荒らすだけでも腹が立つのに、半笑いなので、腹の中がお湯のようにグツグツ煮えたぎる。
だから煮えたぎった腹の中のお湯を半笑いのが近付いてきた時に掛けてやった。
すると、半笑いのは半笑いのまま、命を引き取ったので、僕は腹の中に半笑いのを入れて、腹の中で牡丹鍋にした。
ゆっくり消化しながら、半笑いのとの思い出に浸る。
最初に畑を荒らされたのは、僕のキャベツ畑だったな。
「せへへへ」
と笑う、半笑いのを追いかけ回しているところを村一番の意地悪ばあさんに見られて、笑われたなぁ。
半笑いのとの思い出は浸りきれないので、半笑いのの残りカスは脳内にある思い出風呂に浸すことにした。
すると脳内の思い出風呂から教訓の湯気がモクモクと上がってきた。
『猪は捌こう』
教えられちゃったな、と思ったけども今更とも思ったので、屁をこいて寝た。
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