ラップが好きな詩書きのエッセイ

私は中学生の頃に日本語ラップと出会ってから、
めちゃくちゃラップが好きになった。

最初はKICK THE CAN CREWや、
RIP SLYMEから入ったけども、
その後に、さんピンCAMPとかも聞き漁った。

その中でも特にネットラップにハマった。
ニコラップ以前の、アングラシアターに投稿されたラップが主だ。
火星やアルカロイドもあったけども、まあ一番はアングラシアターだろう。

と言いつつも、誰が書いたリリックかは覚えていないけども、
『アルカ代表 というにはまだまだある課題表』
という子音踏みのラップは何かずっと覚えている。
未熟塾のマイクリレーだったでしょうか。

子音踏みとは同じ語で踏む押韻のことで、
まあネットラップ界隈でしか使っていない言葉でしたよね。

当時の私は聴く専門で、毎日アップロードされる熱い曲に集めて、
CDに焼いて、楽しく過ごしていました。
当時の私……と言っても、
今も聴く専門で、ちょっと詩を書くくらいですが。

ちなみに私はココア共和国という詩誌に参加させて頂いております。
書店やアマゾンでも購入可能な詩誌です。
伊藤テルという名義で載せて頂いておりますので、
よろしければ検索してみてください。

さて、ラップの話に戻りますが、
私はラップがすごく好きでしたが、
実はラッパーが好きじゃありませんでした。
ラッパーの生き様というか言動がすごく苦手で、めちゃくちゃ嫌でした。

今は声優のラッププロジェクトみたいなものもありますが、
当時はラッパー以外がラップをするなという風潮でした。
というかそういうことを一番言っていた勢が今、めちゃくちゃ
ヒプノシスマイクに曲書いてるのってどういうことなんですか?

私は常々ラッパーにはこう言ってほしいと思っていました。

「誰がラップをしてもいいけども、一番巧いのは俺だぜ」

と。
でも現実は「ラッパー以外がラップすんな」と言って。
だから私は趣味で曲作って録音するだけで、
ネット上にアップロードしたことはありませんでした。
ラッパーじゃないんで。
ラッパーは嫌なんで。

『ラップは好きだけども、ラッパーが苦手』と思っていた私ですが、
いつしかラッパーが「ラップすんな」と言わなくなり、
その感情も薄まってきました。

そこで起きたのが、私、匿名詩人に批評される、です。

唐突な話で申し訳無いのですが、
私は匿名詩人から「貴方の詩は詩じゃない」と言われたことがあります。

その呟きにはたくさんの詩人からの『いいね』が付いて、
私はもう
「わぁぁぁあああああああああああああああああ!」
となってしまい、
その結果思ったのが、

『詩は好きだけども、詩人は苦手』です。

私が10代の時に思っていた言葉が、
30代でぶり返したのです。

主語が大きいので、ちょっと限定すると、
とりあえず今相互の方々は大丈夫です。
時折こちらに「いいね」して頂ける方々にも苦手なかたはいません。

でもやっぱり何か、なんというか、
詩人の世界には馴染めないなと私は思いました。
ツイッターの自己紹介欄に書いていた
『詩人』という文字もその時に消しました。
DMも相互の人しか送信できないようにしました。

あと私と相互だった詩人の中に、
ブロ解せずに自分のフォローだけ外した方々がいましたが、
そういう時はちゃんとブロ解してください。

というわけで、ラップが好きな詩書きのラップエッセイでした……って、
詩が載っていないのに、詩書きと書くのもおかしいので、
二本、詩を掲載します。

一つ目は全押韻かつ子音踏みの詩です。
短いですが、どうぞ。

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「創作って、恫喝」
「そうさ、喰ってどう勝つ?」
獰猛仕上げる、どう申し上げる?
下手(したて)から下位叩きした手から買い叩き。
殿上に唾さ、添乗に翼。
勝手やる・飛ぶ、君に無い用。
「勝ってやる」と不気味にな、異様。
つまり異形がいい。
つまり偉業がいい。
■■■

私はこの全押韻というスタイルが好きで、よくやります。
多分レトリックなんだろうとは思いますが、
私しかやっていないので、非公認のレトリックですね。

ラッパーが全押韻をすると、ラップが基本なので、
『い』も『ー』も『っ』も『ん』も同じ音になるので、
こういう完全押韻にはならないんですよね。

私は詩が基本なので、発音しないので、
こういう完全押韻にこだわっています。

さて、もう一本が長尺の全押韻です。
今まで何本か書いているんですが、まあまあ長いです。
長すぎて、ちゃんと押韻できているか不安です。
見直しはしていません。
それでは、どうぞ。

■■■
夢増え。つれづれ。
柔らかい? まだ硬い?
意味が無いとは、言い難い夜(よ)だ。
空想の音し、降るトウモロコシ。
ポップになりたいな。トップに会いたいな。
誰かが待ってる。羽根が語ってる。
天使だ。権威だ。
「こんにちは」「恩に着な」
「誰の?」「彼の」
「いや誰」「居合せ」
「まあいいや」「まあいいか」
「天使さんは楽しい?」「元気なんだ、あと良い」
「良いって、どうかい?」「仕切って爽快」
「偉いんだ」「目が進化」
「何が見えるの?」「愛が見えるよ」
「僕はどうなっている?」「奥がもう舞っている」
「心が躍ってる?」「心が躍ってる」
「ワクワクするわけだ」「ますます降る種だ」
「えっ?」。えっ。
天から種。変な与え。
芽が出て花咲く。出会えて高鳴る。
綺麗な花だ。姿勢が宝。
ピンと立ってる。芯も張ってる。
見習いたい。従いたい。
僕も頑張ろう。徳の案出そう。
いいことして徳を貯めよう。意味を解いて速度上げよう。
判断早く人助け開始。だんだん明るいを足す、世界に。
そうしたら天使になれるかな。そう今、可憐に鍛えるから。
愛が見たい。開花したい。
相対無い。毎回舞い。
ずっと踊りたい。ずっと届きたい。
手を1、2、伸ばす。メロディーに染まる。
弾む音符。握手ソング。
繋がる。詩(うた)鳴る。
花も歌い出す。ただ境界無く。
みんな笑って。韻が語って。
因果が立って。進化が勝って。
平和な世界。成果は出会い。
この場所は夢? 言葉を集め。
「覚めたら終わり?」「変えたら永遠(とわ)に」
「何を変えればいいの?」「愛を足せればいいよ」
「どうすればいい?」「もう増えた意味」
「どういうことかい? 分かりづらい」「相当言葉、頂き・掴み」
「言葉が良いの?」「言葉がいいよ」
「言葉は何を意味するの?」「言葉は愛を生きる嘘」
「嘘なの!」「嘘だよ」
「本当?」「本当」
「いやどっち!」「今、こっち」
「分からない!」「まだ浅い」
「待って、行かないで」。去って、言わない手?
即止めた天使去る。僕の目が点になる。
言葉が出ない。ここから出たい。
そう思ったらベッドの上。そう思ったらベッドの上。
何だかどんどん忘れてく。何だかどんどん忘れてく。
残ったのは言葉という言葉。残ったのは言葉という言葉。
言葉を積み重ねるしかない。言葉を積み重ねるしかない。
言葉を。この青。
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