ピンネタ:ASMRを初めて聴いた人

えっ? ASMR、知らないですけども……。
聞くとリラックスできる音声みたいなこと?
いやぁ、知らないですねぇ、子役のオナラみたいなことですか?
元気な子役の元気なオナラってことですか?
違うのか……じゃあもう全く想像つかないですね、えっ?
何! 何! 何!
耳穴に!
詰める!
イヤホンっ? 知らないですねぇ!
こんな、耳穴に詰めるって、拷問とかじゃないですよねっ?
急に鼓膜へ向かって針とか伸びてきませんよねっ?
うわぁ! めっちゃ怖い! イヤホンって何っ? マジで!
これを、耳穴に……ケツ穴じゃなくて?
いや分かるんですよ!
ケツ穴に棒が伸びてくるなら分かるんですよ!
でも耳穴に、このサイズだと伸縮する針じゃないですか……いや!
ケツ穴に棒が伸びてくるならまだ分かるんです!
そういう友人もいました! でも耳穴に! 耳穴にっ?
イヤホンっ? そんなものがあるんですかっ?
ちょっと、これ、信じていいヤツですか?
あの? これ信じていいヤツですか? カメラマンさん!
笑ってないで! 笑ってないで答えてください!
いや「ASMRの初体験を撮るだけですから」って、
このイヤホンというものがまず初めてで……えっ、
街を見る? 窓から? はい、窓の外には人が歩いていますね。
……たまに耳にこれに似たヤツ付けてる人がいるぅ! 本当だ!
それがイヤホン! 知らなかったぁ!
じゃあ、あの人たちは歩き拷問されているわけじゃないんですね!
外に音が漏れないための装置ですね、えっ? でもそれって、
みんなエッチな映画聴いているんですか?
そういうことではない? 周りがうるさくないために?
そういう配慮……知らないですねぇ……僕はずっと生音でしたね、
外でアニソン聴く時はもう大音量で聴いていましたね、
なんせ車の音がうるさいんですよ、配慮、配慮ねぇ、
いやぁ、知らないですねぇ、そういう配慮が必要だなんて全然。
まあでも分かりました、そういう配慮があることも知りましたし、
いやぁ、36歳になってもまだまだいろんなことが知れるんですね。
有難うございます……えっ? 何でカメラマンは知っていたって、
ちょっとぉ、バカにしないでくださいよ、そこまでじゃないですから、
エッチな映画見てますからカメラマンがいることくらい知ってますよ、
じゃあASMRというモノを聴いてみましょうか……うわぁ、
知識では分かったけどもイヤホン怖ぁい!
やっぱりイヤホン怖ぁい! これ……無理かもしれませんね……。
あのほら、どうしても食べられない食べ物とか、
そういうことですよ、トマトのぬるぬる部分が食べられないというか、
トマトってローションみたいな部分あるじゃないですか、
いやどんどん遠ざかっているって何ですか、真っ直(まっちょく)ですよ。
まあいいや、とにかくそういうことなんですよ。
……耳かきはダメだけども、咀嚼音ならイヤホン無しでもいけるか、
って何ですか、監督さんと助監督さん!
こそこそ話は聞こえないようにしてください! 気になります!
あぁ、ディレクターさんとADさんと言うんですか、はい、まあ、
知らないですけども、えっ?
「エッチな映画の知識で置き換えて言わないでください」って、
そんな、そんな、ちょっと、
僕がエッチな映画好き過ぎるみたいに言わないでくださいよ、
エッチな映画だけで構成された
細胞体みたいに言わないでくださいよ、
細胞から悦んでるみたいに言わないでくださいよ、
えっ? 表現がエッチな映画過ぎる?
それはそっちの判断じゃないですか、何なんですか、全く。
でも今耳かきって言いましたよね、
僕、女性から耳かきされるの夢なんですよ、
耳かきの映像があるならそれにしてください、
咀嚼音ってちょっと意味が分からないですね、知らないですね、
えっ? それは知らなくても変とかじゃないんですね!
むしろ咀嚼音は知らなくても良い知識って!
ちょっと! エッチな映画の監督数え歌みたいに言われても!
……はいはい、耳かきはイヤホンしないとダメなんですか、
じゃあもうしますよ! 僕! イヤホンしますよ!
うわぁ、いけるかな、いけるかな……おっ、何か、
いざしてみると、フィット感いいですね、
穴が悦んでいますね、耳穴がですよぉっ?
じゃあその、ASMRってヤツを聴かせてください、
映像付き? 映像もあるんですか……えぇっ!
耳しかないのっぺらぼうが映った! 何これ!
知らない知らない! えっ? これはそういう録音機材?
そうなんだ、この耳しかないのっぺらぼうに
耳かきを入れて音を録音するんだ。
ちゃんと後ろに女性がいる、しかも美人だ、すごいぞ、すごいぞ、
これ、僕の夢じゃないですか、あっ、はい、
耳かきをこれからしていくんですね、分かりました……!
何これ! 本当に耳かきされているみたいな!
音! 流れる! すごい! すごい! えぇぇぇええええ!
エッチな映画越えちゃってるじゃん! こんなん知らなかったよぉ!
知らない快感を教えてあげるわね、じゃん! これぇ!
本当の初体験を教えてあげるわね、じゃん! これぇ!
一緒に快楽の扉を開きましょうね、じゃん! これぇ!
しゅ、しゅご過ぎる……。



ディレクター
「ダメだ、語彙がエッチな映画過ぎてこの人は使えないわ」