練習スペース22 IAIGIRI

IAIGIRI「回転寿司」

出場コメント
「何度もリメイク作品出して申し訳ございません。
 正真正銘、新作です。
 後ドリンクバーは、かっぱ寿司にはあると聞きました。
 お言葉に甘えさせていただきました。度々すいません。
 何度見直しても、ミスを見つけてしまいますね……。
 後、回転寿司にドリンクバーは、ある店と無い店があるみたいですね。」

B:生きてるとたまに、急に無性に特定の物が食べたくなる衝動に駆られる事ってありますよね。

A:まあ、ありますね。

B:この前私、タコのお寿司がどうしても食べたくなりまして、回転寿司に行ったんですよ。

A:……タコのお寿司ですか。これは微妙なチョイスですね。

B:で、カウンター席に座ってタコのお寿司を来るのを待ってたんですよ。
  そしたら、トロ、エビ、玉子、イカ、サーモン、アナゴ、ヒラメ……。
  そんな調子で、全然タコのお寿司が流れて来ないんですよ。

A:それなら、タッチパネルで注文すればいいだけの話じゃないですか。

B:いやそれだと、自分がパネルの操作によって出てきた、煩悩まみれの人工物になってしまうじゃないですか。
  誰の思考にも一切染まっていない、自然にレーンの上へと現れてきた天然物のタコのお寿司が食べたいんですよ。

A:よく意味がわからないんですが、つまり寿司の出方に拘ってるって感じですかね?
  タコのお寿司が食べた過ぎて、ちょっと変な方向に思考が偏っている感じがしますね。

B:で、それで暫く待ってみたんですよ。ところが全然出ない上に、先に軍艦巻きが出てきてしまい、挙句の果てには先にプリンが出てきたんですよ。

A:なんかプリンを邪険にする様な言い方ですね。

B:ここで思い出したんですけど、プリンに醤油を足したらタコの味になるって聞いたのを思い出して、実践してみたんですよ。

A:ウニだよ!食感も味もタコとは程遠いと思うよ!

B:案の定、タコの味とは程遠かったですね。

A:最初からわかってたならやるなよ。

B:で、タコのお寿司がなかなか来なくて、長丁場になりそうだったから先に腹ごしらえのお茶漬けの準備をしたんですよ。

A:腹ごしらえって大抵の場合、運動する前とかだけど、何かを食べる前に行う人始めて見たわ。

B:まずレーンからかっぱ巻きをレーンから取って、次にタッチパネルからドリンクバーを注文し烏龍茶を取りに行きます。

A:いや、ドリンクバーに関しては普通にタッチパネル使うのかよ!

B:ドリンクバーに行くと言う事は席を離れる事になるので、その間にタコのお寿司が流れてないかチェックする為、カメラがレーンに映るように設置し、
  私が席を外した瞬間にタコのお寿司が流れていない事をこの目で確認する事が出来て、安心する事ができます。

A:そんな心配なら変な小細工なんかしないで、手元にある黒いボタン押してお湯を入れて、お茶っ葉でも入れときなさいよ。

B:席に戻りタコのお寿司が流れていない事を確認し、安心して手作りのお茶漬けを食べたんだけど、
  烏龍茶の苦みと、酢飯の甘酸っぱさがミスマッチでこれは失敗だったなと思いました。

A:一連の動作が無駄となりましたね。

B:これでここにタコがあれば、中和して美味しくなると思ったのでそこに関しては反省ですね。

A:さらに食感も極まって、口中が地獄になるだけだと思うけどなぁ。

B:で、腹ごしらえも済んであれから時間経ったんですけど、未だに来ないんですよ。
  暇だなあと思ってコップを見てみたら、魚編の漢字がズラッと書いてあったんですよ。

A:まあ、寿司屋のコップにそういうのありますよね。

B:その独特の柄につい惹かれてしまって、暇つぶしにとタコの漢字を探す事に夢中になってたんですよ。
  そしたらその間にタコの寿司が流れていたらしく、私が気づいた時は、遥か、遠く、彼方へ旅立って行ってしまいました……。

A:カメラまでセッティングしてガチガチにガード固めてたのに、なんでこういう時に目を離してるの!

B:その光景を見てた小さな子供がこっちを向いて可哀想な目で見てたのが、今でも走馬灯のように思い出しますね。

A:いやいや!どんだけショック受けてるんだよ!子供は別に貴方の事興味無いから、そこまで思ってませんよ!

B:まあそんな出来事もありましたが、気を取り直しまして次に軍艦3貫盛りを取ったんですよ。

A:ついにタコに執着するのをやめて、普通に食べる事に専念しましたか。

B:いや、海苔で巻かれたご飯の上に具材が敷き詰められてるじゃないですか。その具材を捲ったら、タコが現れるんじゃないかと。

A:寿司にそんなギミック無いよ!

B:奇妙にも軍艦巻きの中にタコが入っておらず、半ば心が折れかかってたその時、
  なんと!タコのお寿司がようやくレーン上に現れたんですよ。

A:全然不思議じゃないから!でも、ようやく目的の物が食べられて良かったですね。

B:その皿を取ろうとした瞬間、私の隣の席に座ってる人がまるでカルタ取りの名人のように、
  「パシーッ」とその皿を掴んで取っていったんですよ。

A:いやいや、皿の形態上そのように掴むの無理ですから。

B:隣の人にタコのお寿司を取られしょぼくれてた時、またタコのお寿司が流れてきたんですよ。
  これを「流れに乗る」って言うんですよね。

A:意味が違う!けどまあ、またチャンスが出来て良かったじゃないですか。

B:だけど、そのタコのお寿司は透明の容器に蓋をされてて、「8番」って書かれてたんですよね。

A:それ注文してる物だから!食べたら駄目な奴ですよ!

B:でも私は、さっきからずっと待っていたのに、運悪く食べられていなかったのでもうそろそろいいかなと思い手を伸ばした途端、
  さっき私を見つめていた子供が「お兄さん、それ他の人のだから食べちゃ駄目だよ。」って注意してきたんですよ。

A:あの、いい歳した大人が子供に注意されてたら駄目じゃないですか。

B:そしたら私は、大人の対応をして「用も無いのに、あんまり店内をウロチョロしたらいけないよ。」と注意したんですよ。

A:いやいや!子供の注意に、悔し紛れに言い返した感が強いよ!それ!

B:そんな困難もありまして、やっと、ついに、そして、私の手元にタコのお寿司が届いた訳なんですよ。

A:なんか溜めて言っていますが、素直に注文すれば既に食べれていたはずなんですけどね。
  けどこれで決着がつきましたか。さっきからタコの単語ばっかり聞いて、耳にタコが出来そうでしたよ。

B:そしたら、店の不手際なのかシャリがパサパサだったんですよ。

A:……えーこれ永遠と食べれないパターンなんじゃないの?なら、もう一回ちゃんとしたタコのお寿司が来るまで、待ち続けてたんですか?

B:何を言ってるんですか。普通に店員さんに頼んで、お寿司を交換してもらいましたよ。

A:いやだって、貴方さっき「誰の思考にも一切染まっていない、自然にレーンの上へと現れてきた~」と、言ってましたよね?
  店員さんに直接頼むって事は、思考に染まってないとでも言うんですか?

B:一度ノルマを達成したので、後はもう自分の自由でいいんですよ。

A:いやゲーム感覚でやってたのかよ!えっ、私はずっと貴方の独自ルールに巻き込まれていた事になるの!?

B:そうなりますね。ご迷惑をかけました。

A:かけ過ぎだよ!何最初の強い執着心から、一気にルールが緩くなった感じは!?無駄に疲れたよ!

B:私もタコのお寿司が食べられるまで長時間待ったし、色々面倒な事があって疲れたのは事実ですから、
  次シャリ付きのタコを食べたくなったら、海鮮丼を頼もうと思います。

A:はなからそうして!もういいよ!


・【点数と感想】

14点

一番面白【自分がパネルの操作によって出てきた、煩悩まみれの人工物】

読みやすく、全体的に面白かったです。
前に出てきた子供に注意されるところは上手い面白いでした。

カメラの部分、なんとなくは分かるのですが、
バシっと正確に把握できたわけではないです。
僕の読解力の無さのせいかもしれませんが、
もうちょっと分かりやすく説明して頂けると有難いです。

完全な個人の感性の話なのですが、
もっと大笑いしたかったです。
行動のリアリティはすごく良いと思うのですが、
空想の、思考の部分は、
もっとぶっ飛んでいても世界観は崩れないかなと思いました。
ただ、ここはあくまで超個人的な部分なので、
このままでも、
他のネット長文企画で高得点が出てもおかしくないと思います。


・【お便りのコーナー】

この14点は百人漫才の14点より、上の14点です。14.5点です。
僕の中では14.5点として記録しています。
パーソナルな20点で採点すると前に申し上げたことがあるのですが、
その時に端数は言わないようにしようと思っていたのですが、
もう端数も全然出します。よろしくお願いします。



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