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採用ではターゲットだけでなく、マーケットも見よう (たとえば高専卒採用の場合)


一昔前だったら「ロボコン」のイメージが強かった高専。しかし最近では「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2021」(高専DCON)なるものが開催され、AI関連領域でも存在感を発揮しています。↓この様子は僕もNHKで観ていました。


また、徳島県に新たにできる次世代高専「神山まるごと高専」は先日クラウドファウンディング上で大きな話題となり、昔から熱い存在であったが高専は今も変わらず熱いと感じます。


こうなってくると「高専いいじゃん、うちも大卒採用で苦戦してるから高専生も採用しようよ!」と無邪気に人事部長や役員さんに言われる新卒採用担当者もいることでしょう。

そこで新卒採用担当者がとるべき行動は何か。まずは高専生マーケットを確認することです。これを怠って1年後に「すみません、やってみたけど採れませんでした。求人票に「高専OK」と書いたのに応募ゼロ件でした。難しいですね・・・」と言わないために、数字で把握できることはとっとと把握しましょう。


ちなみに高専卒採用マーケットは1枚で説明するとこうなります。

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特徴1
高専生は人数が少ないです。在籍数は全国で6万人です。これが多いか少ないかで言うと、大学生262万に対して1/50ほどです。ムチャクチャ少ないです。しかも全員が就職活動をするわけでなく、たとえば大学の工学部への3年次編入などもあります。なので、大卒採用が難しいと言っている会社が採れるかというと、大卒をちゃんと採用することを考えるほうがヘルシーです。

特徴2
高専生の求人倍率は極めて高いです。専攻による差はあるものの、10倍となるもおかしくない世界です。ちなみに大卒の求人倍率は近年だと1.5倍ほど。ケタが違います。あまり高専のことを知らない人は「高専は大学よりも学歴が低いのでは→就職に困っているんじゃないか→採るのが簡単かも」となりがちですが、そもそも高専の多くは入試の偏差値だと60を超えることが多く、専攻によっては偏差値69という高専もあります。


特徴3
高専卒採用は効率が悪いです。大学と比べると所在地の分布に大きな特徴があります。大学生は一都三県の大学にざっくり40%が在籍しています。そのため首都圏での説明会や採用イベントである程度まではリーチできますが、高専は全国57校が各都道府県に点在しています。うち国立高専が51校です。そのため、オンラインでの採用活動であればこの点はいくらか緩和されるかもしれませんがface to faceで活動する場合は活動効率は相当悪い(もしくはリーチできる学校が相当限られる)ことが予想されます。


ということで、大切なのは「採れない理由を挙げるのではなく、じゃあどう採るか」なわけですが、その前にまずはマーケットを理解した上で、現実的に勝てる方法を考えましょう!時間と金を無駄にする前に、これくらい1時間も調べれば分かることだから怠けないでやったほうが良いでしょう!というお話でした。

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