見出し画像

源氏物語の星空

 先日角田光代さんのトークショーを視聴させていただき、紹介されていたので読んでみようと角田光代さん訳の源氏物語を手を出しております。その中の「薄雲」の章で

天空にも、いつもとは異なる月、日、星の光が見え、不思議な雲が浮かび

池澤夏樹個人編集 日本文学全集 4巻 角田光代訳 源氏物語 上 p561

と書かれているのがとても気になりました。上巻の最後の藤原克己先生の「解題」によると、紫式部は、だいたい西暦970年代に生まれ、1001年以降に源氏物語を書き始めたと書かれています。
 このころのいつもの異なる天文現象は何があるのでしょうか。まったく外しているかもしれないけれど、ハレー彗星ではないだろうかと推測を立ててみました。

 ハレー彗星は、約75年周期で地球に接近する短周期水星です。紀元前240年に中国で記録が残っているという古くからしられている彗星です。直近での接近は1986年でしたが、調べてみますと、989年に接近しており、日本でもその記録が残っているそうです。

989年9月5日19時45分 京都の西の空

 8月の中旬以降、日の出前の東の空に見られるようになり、その後日の入り後の西の空に見えるようになったそうです。日の出前は金星と、日の入り後は火星や土星などの惑う星が見られます。書き始めたとされる時期と、10年以上開きがありますので、まったく異なっているかもしれません。また何か調べられたら修正します。

 このハレー彗星、次回地球に接近するのは2061年7月末とのことです。太陽の反対側にあった1986年とは異なり、観測しやすくなるだろうと推測されています。生きて観測できるか楽しみです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?