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活版印刷三日月堂 星をつなぐ線の開館年の天文案内

 ほしおさなえさんの活版印刷三日月堂にはプラネタリウムと活版の星座早見盤のお話がでてきます。星座絵が凹になっていて不思議な見え味です。ご本の中で星空館が開館したのが1971年。この年どんなことがあったでしょうか。

 前年のアポロ13号の失敗から立て直し、2月に14号、7月に15号と月の観測を成功させています。
 3月5日昼間の8時58分に、中部・関東地方で大火球が出現しました。-10等以上だったという記載もみられます。
 9月28日には、日本の初めての科学衛星「しんせい」が、鹿児島県内之浦観測所からM-4Sロケット3号機により打ち上げられました。(1970年に初めての人工衛星「おおすみ」を打ち上げています。)

1971年8月12日22時00分 東京の星空

 この年の一番の天文現象はおそらく火星大接近だと思います。8月12日には-2.8等という明るさになっています。地球と火星の公転周期が異なるので、地球と火星の距離は常に変わっていきますが、約2年2月ごとに、近づき大きく明るく見えるのです。さらに火星の軌道は楕円形をしているため、2年2月の接近の中でも、15年~17年ごとに大接近が起こるのです。
 最近では2018年7月31日に大接近が起きました。この次は2035年9月11日だそうです。
 またマリナー9号がこの年(1971年)11月に火星周回軌道に乗り、初の火星の人工衛星となっています。火星表面の写真撮影などを行ったそうです。今度は今の火星探査を取り上げたいですね。
(参照:日本天文学会 天文月報 1971年5月号6月号)

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