『今日もレストランの灯りに』読み始め

朝の光の中で読み始めた岩永直子さんの『今日もレストランの灯りに』(イースト・プレス)。

彼女のnoteでも読んでたけど、書籍になると、不思議と感触が違う。

もちろん加筆されたり、触っている部分も多いのだろうけれど、文字がおさまっている紙の質感や、デザイン、フォントなんかが、やわらかで素敵ないい感じにはまっていて、noteとはまた異なる空気感。

わたしはWeb記事を読むのも好きで、紙至上主義ではないのだが、『今日もレストランの灯りに』は書籍として、内容(文章)とブックデザインがぴたっとはまる作品になっていて、表紙のオカヤイズミさんの絵を眺めながら嬉しい気持ちになっている。
(オカヤイズミさんは『白木蓮はきれいに散らない』が好きな一冊の漫画家さんです)

こんなふうに「やっぱり本で読むのもいいなあ」と思えることが、嬉しくなる。


さておき、まだ序盤。
なんだけど、いきなり面白いっす。

えええ!?と驚いたり、ぶははっと思わず笑ってしまうエピソードが随所にちりばめられていて、岩永さんならではのユーモア感覚があふれている。

と同時に、長い記者経験から培われたものなのか、小さなことにもすっと目がいく鋭い眼差しが混ざり合う。

結構シリアスなドキュメンタリー作品でもあるけどなぜか笑っちゃう、みたいな不思議な面白さなんだなあ。

ねとつきのないシャープでクリアな文体も印象的です。
(ノンフィクション好きなので、軽妙なタッチのなかでも、腹の奥あたりが時折ずきっと疼いて反応しています)

岩永さんがいろんな人や状況を目にして、「ほうほう」と呟きながら、時折目をキラッとさせたり、考え込んだりしている姿も目に浮かんだり。

いろんな問題が山積みっぽくて、読むのが楽しみだわ(こう書くとひどい言い方だけど、めちゃ面白そうってことです!)。

小さなレストランから、想像していた以上に、たったいまのリアルな社会がぐいぐい見えてくる。
(まだ序盤だけど。すでに見えてくるのがすごいなあ)

熟練記者の巻き込まれ観察記録みたいな。
続きを読むのが楽しみです。