身体の快と脳の快。かいかい

大きな声で言っていないのだが、最近、ときどきお酒を飲んでいる。

缶チューハイ1本とかだけど。

まとまった仕事が終わった日の夜なんかに、ぷしゅっとあけて、グラスに注いで、炭酸水で割って薄くして飲んでいる。

ストロング缶を何本も投入しなければ飲んだ気がしなかった過去のわたしが「嘘やろ?」と驚くほど、5%缶でも十分にアルコールが全身にまわるので、缶が半分ほどあく頃には「ああ、なんかふわふわしてきたな」となり、グラスの中身をただの炭酸水に切り替えて、缶の残りはもうなんだか十分な気がして捨てちゃったりしている。

アルコールが回る瞬間は、なんともいいがたい、気持ちがいいような気分になるのだけれど、同時に頭がふわふわして胸のあたりも軽くもたもたするような、体感の気持ちの悪さもある。

脳は気持ちいいけど、身体は気持ち悪い、みたいな感じ。

昨日は、黒霧島の1合カップ酒を4分の3ほど飲んだ。
映画1本見ながらなので2時間ほどかけて飲んで、それからお風呂に入って、お水もたくさん飲んだ。
布団に入る時にはもう酔いが覚めていはずだ。
なのに朝起きると身体が重たくて、限りなく軽い二日酔いみたいな感触があった。

そんなの、全盛期の頃のわたしなら、絶対に気づかないような感触だよ。

いまのわたしの身体はお酒が抜けきっているので、めちゃくちゃ繊細に反応して、その感触を身体が細かくキャッチする。

お酒ってほんとに身体に悪いんだな。
少量でもぷち毒みたいな感じなんだと、身体は言っている。

身体に悪いとわかっていても、飲みたい気分になったときは飲むつもりだ。
ごく少量しかもう飲めないとわかっているからかもしれない。

脳と身体には感覚の時差がある。

それぞれに気持ちの良さ、悪さのポイントがあり、微妙にずれる。
アルコールはそれがすごくわかりやすく、脳が先に反応するので、思わず手を出してしまうんじゃないかなあ。

さて、わたしはもうすっかりお酒飲んでないで迎える朝がデフォルトになっていて、それはやっぱり身体が軽くて爽快なんです。
寝て起きて、朝だ〜。よし!
みたいな実に清々しい気持ちになる。

その快の感覚は、いまのわたしには、お酒を飲むときよりもっと気持ち良いのです。

気持ちいいほうを優先したいという欲望がわたしを動かしている。

飲まないことで得る身体的な快感が、わたしに自然と飲む選択を選ばせない。

飲んだらダメなので飲まない、では頭が納得できない。
身体が気持ちがいいから、頭も納得して飲まない。

身体の快は、脳の快を上回るのかな。

そういえばキックボクシングも、つまりは快感が強いから続いている気がしている。汗をかいて、頭も真っ白になって。

それは脳の快なのかな。身体の快なのかな。