先発投手の指数。勝ち運?プロ野球史で最も勝ちに恵まれなかったのは横浜の・・・
先発投手を評価するときには勝利数で語られる事が非常に多いと思います。しかし、この頃は勝利数という指標はチームの強さや運の良い・悪いで影響を受けやすく、投手自身の能力を示すものではないという考えも、少しづつですが浸透してきています。
では、先発投手の適切な妥当な勝利数を計算する事は出来ないだろうかと言う事を考えてみました。まずコチラからご覧ください。
これは、計算上のNPB平均先発投手勝利確率表です。各年度ごとに何回何失点だと、どのくらいの割合で勝利投手になるかを示しています。計算方法はざっくりと、回数ごとに失点よりも多く点数が入っていた確率に、その回以降1度も同点にされる事なく勝利した確率を掛け算しています。
年によって多少のバラつきはありますが、9回無失点なら90%以上、7回2失点なら45%前後で勝利投手になる計算になりました。
今回は、1960年以降にプロデビューをした投手を対象にしているのですが失点の数字が調査できず、全投手自責点をベースにして上記の数字をポイントとして加算しています。
失点と自責点では話が変わってくるんじゃないかとか、チームの守備力によって取られる点数に違いが出るじゃないかとか、突っ込みどころはまだまだ複数あるのは作成者本人も存じていますが、そういう計算したらこうなった程度の事なのでご容赦下さい。なお期間内の先発投手勝利数の合計は34486、計算上のポイント合計は33039.89と5%程度の違いがありました。
1960年以降デビュー投手の勝利P
勝利P1位は 254.79P とぶっちぎりで鈴木啓示。期間内の先発登板数も先発勝利数も群を抜いて高い数値ですので納得のいく結果でしょうか。2位以下に、東尾修・山田久志・工藤公康・山本昌広などの名球会入りをした名投手が並びます。
現役投手では石川雅規の 143.11P で18位に。他にも、杉内俊哉・涌井秀章・内海哲也・前田健太・金子千尋・和田毅・岸孝之が50位内にランクイン。
個人的に面白いなと思ったことは1990年代に巨人の3本柱として活躍した、桑田真澄(11位 156.55P )・槙原寛己(16位 144.16P )・斎藤雅樹(17位 143.12P ) の順番。世間一般の評価では斎藤雅樹を最上位とする事が多いと思うので少し意外な数字でしょうか。この指標上で、数値がマイナスされる事が無いので先発登板回数が多い方が有利になるからではあるのですが。
平均P(勝利P100以上)
勝利P / 先発 で計算している平均P(勝利P100以上)では、斎藤雅樹は2位。安定感が抜群であった事の証明でしょうかね。1位は前田健太で 0.49P。毎年7回2失点が 0.45P 前後なので、アベレージでこの数値を残せるのは凄いです。
単一年度での勝利P
1年間の勝利Pを見ると1位は1961年権藤博で 24.69P 権藤、権藤、雨、権藤ですね。比較的近年に近い中では、斎藤雅樹の1989年も高数値。
現役では2011年ダルビッシュ有・2013年金子千尋・2011、2013年田中将大が50位以内に。エースとしての投球は記憶に新しい所。
続けて、先発での勝利数から勝利Pを引いた数字で勝ち運が有ったのか、無かったのかを見てみましょう。注意点として勝利PはNPB平均での計算をしていますので、強いチームに所属しているとプラスが大きく出やすく、弱ければマイナスになりやすいかと。まずは単一年度から。
先発勝利 - 勝利P (プラス順)
一番プラスの大きかったのは1970年成田文男で 9.85P 計算上とはいえ10勝も多く稼いでいた事になりますね。現役としては2013年田中将大、24連勝は奇跡的な数字。2016年野村祐輔の名前も。
先発勝利 - 勝利P (マイナス順)
1969年外木場義郎 -6.33P 。防御率2.69で11勝20敗のシーズンですか。2016年菅野智之も上位に。1998年エーカーは勝利P 5.26 ありながら実際には0勝、ついてない。2010年加賀繁・2009年陳偉殷・2013年澤村拓一も中々勝てませんでした。
先発勝利 - 勝利P (通算プラス順)
この計算上で一番勝利に恵まれていたのは西口文也で 39.72P 。単年の計算でマイナスを記録したのは3年のみ、最小は2013年の -0.53P と勝つ投手でした。上位には200勝以上の投手が多いですね。
先発勝利 - 勝利P (通算マイナス順)
ツキの無かった投手と言うの表現が当てはまるかは分かりませんが、三浦大輔 -17.25P 。先発登板をした24年の中でポイントがマイナスを記録したのが2006年-4.76Pを筆頭に16年。プラスが一番大きかった年でも1997年 2.33P とあまり幸運を感じさせるシーズンは無かったようです。前田健太も勝ち運と言うものがあまり無いタイプでしたね。
いかがでしたでしょうか?投手の勝利数に拘ってもしょうがないかなと思う事ありますが、どれだけ勝利に近づく投球だったかは評価してあげたいですよね!最後までご覧いただきありがとございました。
ツイッター(@aozora__nico2)でも野球データまとめて遊んでます。Sportsnavi・日刊スポーツ・NPB公式を中心に集計させて頂いています。
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