他大学の大学院を受験した話(金沢大 電情→電気通信大 情報理工)

はじめに

こんにちは。現在金沢大学で電情B4のsskです。
もう12月になり結構ほとぼりも冷めてしまいましたが、金沢大学から電気通信大学を受験した話を書こうと思います。9月の時点でほとんど書き終えていたものの、ばたばたしており最終的なチェックができず、波に乗り遅れてしまった模様……
何人かの後輩から院試のことを聞かれていますが、対面で会ったときに全部話し切れる自信がないので、noteに残しておきます。
(これでもわからないことあれば、遠慮なく個人的に聞いてください)。

ちなみにこの記事ですが、
・他大学の大学院を受験したいB3以下
・役に立たせる気はないが、なんとなく気になるというB4以上
いずれの方にも読んでいただけるように書いたつもりです。極力話はかみ砕きつつ、試験対策の細かいところにも多少踏み込んで広い学年層の方に共感していただけるように頑張りました。

結果

とりあえず、受験結果だけ先に書いておきます。
電気通信大学大学院 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 〇(合格) → 進学
金沢大学大学院 自然科学研究科 電子情報通信学専攻 〇(合格) → 辞退

今回、院試までにしたことを、試験勉強と勉強以外のこと(アポ取りや研究室の選び方など)に分けて書きます。
ひとまず、目次をご覧ください。


受験までの段取り(勉強以外)

ざっくりですが、時系列ではこんな感じです。

3月 阪大の大学院説明会に参加
4月 受験校を絞り込み
    電通大の研究室にアポを取り、訪問
6月 電通大の同じ研究室を訪問(2回目)
    本格的に過去問演習開始
8月 電通大院試(8/17,18), 金大院試(8/22,23)
9月 合格発表(金大 9/1, 電通大 9/8)

これに加えて、TOEICも4月から6月まで毎月受けていましたが、詳細は後述します。

僕がちゃんと他大学受験に向けて動き始めたのは、B4に上がってからでした。
ただ勉強そのものについては、B2, B3の頃から、大学で仲良くしてもらっている先輩の自主ゼミに混ぜてもらって、線形代数や統計などは元々少しだけ勉強はしていました。それ以上のことは6月までしていませんでしたが、、(これも後述します)

阪大の大学院説明会(B3 3月)


B3の3月に、阪大工学部が外部生向けの大学院説明会を実施しています。まずはこれに参加しました。
(日程の都合で仕方なくサークルの旅行と抱き合わせたため、後輩を巻き込みました。ごめんね)

おそらく阪大がどこの大学よりも、実施時期が早いです。なので工学部系で他大学の大学院を考えている人は、とりあえずこれに行っておくと良いと思います(阪大を検討しているか否かにかかわらず)。
前半に一方的に説明を受けて、後半は気になる研究室に顔を出して質疑の時間が設けられている、というものでした。
前半は、ただ説明を聞くだけです。熱心に聞いている学生もいれば、今にも寝そうな人もいました。まぁみんな遠くから来ているのでしょうからね……
後半は、気になる研究室を配られた資料の中からその場で選んで突撃しました。出てきたのは若い男性で、院生かDrの学生が手伝いに駆り出されているのかと思いましたが、学年を聞くとまさかの助教で僕の顔が真っ赤になりましたね。若くして助教になられて、相当優秀な方なのだと思います。皆さんも気をつけましょう……
自分が興味を持った研究室には、他大から阪大院を考えているB3が他に5人くらいいましたが、みんな話を聞くだけであまり質問をする気がない様子でした。そのため僕が一人だけ研究やら就職、大学院生活の話などを好き放題に質問していました(うるさくしてすみません……)。

聞いたことには大体何でも答えてもらえました。言えないことは言えないと言われますので、基本的に聞いてみる分には何を聞いても問題ありません
(ただし礼儀はわきまえましょう)。
とても良い研究室で、受験してここで研究したいと思いました。
しかし自分がもともと所属している金沢大学の院試と日程が被っていたことと、大阪よりも東京に行きたかったこと、阪大の大学受験での偏差値から落ちるのが怖かったため、受験はしないことにしました。

受験校の絞り込み(B4 4月)

そして4月に入り、いよいよ受験する大学院を決めないといけないと焦り始めます。
僕が大学院を選ぶ際の基準は、次のようなものでした。
1.キャンパスが首都圏にある
2.国公立である
3.研究室の雰囲気が良い

1に関しては、東京近辺に出たかったからです。
金沢はとても良い場所でした。気の合う友人たちと出会えて、良い人間関係に恵まれました。
しかし、電車で生活が完結しないこと、最低賃金が低いこと(その割に物価は高い)、地方特有の閉鎖的な雰囲気が自分にとっては苦痛でした。正直一刻も早く地方から都会に逃げたかったです。
さらに自分はいわゆる工学部の情報工学科なので、メインの就職先が東京に偏っています。となれば、インターンや就活の度に東京に出なくてはならず(一部オンラインのものもあるとは思いますが)、移動の手間があまりに多いため、東京に住んだほうが後々のためにも良いと判断しました。社会人になる前に東京での生活を体験しておきたかったので、その点でも東京を目指しておきたかったです。

長々と書いてしまいましたが、要は関東に行きたかったのです。
この時点で、受験する大学院は
東大、東工大、千葉大、筑波大、横国、横浜市立、電通大、農工大、都立大、(総研大)、、、
くらいに絞られるわけです。そこで千葉、横国、筑波、電通大の研究室について調べ始め、行き着いたのが電通大だったというわけです。

2に関しては、学費の問題です。
一説によると、例えば慶應大学は私立でも学費がかなり安いそうですが、色々と考えるのが面倒だったので候補から外してしまいました。実は調べれば穴場だったのかもしれません。
興味のある方は調べてみてください。

3は、実際に行って確認するしかないです。できれば複数回行きましょう。
何度も行くことで、研究室の方にも覚えてもらえますし、本気度が伝わります。自分にとってもモチベーションの確保につながりますし、旅行もかねて2,3回は行っておきましょう。

電通大の研究室にアポをとり、訪問(B4 4月(1回目), 6月(2回目))

前述したように、まずは電通大を選びました。
これで行ってみて、しっくりこなかったら筑波とか都立大の研究室で調べ直せば良いのです。
ややこしいことを考えず、まずは行動に移そうと、とりあえず行ってみました。

電通大の研究室は、まぁ研究室がバレるので詳しくは書きませんが、とても良い雰囲気でした。先生との相性もよく、スタッフの方や他の学生も親切な方ばかりで、この人たちと研究したいと感じました。
僕は一度ここだと直感したら、ほかの選択肢は見ずにそのまま突き進むタイプです。なので、ここを目標にして頑張ることにしました。
1度目の訪問は、雰囲気をつかんで、研究室のB4の方とラインを交換して終わりでした。

2度目に訪問した際は、先生に受験する意志を固めている旨をお伝えし、B4の方とは院試の過去問について細かい話(こういう傾向があるよね、等)に突っ込んだりしました。
その後、B4の方とはお互いに過去問を解いて、答え合わせをすることになりました。

電通大院試(B4 8月)

院試くらいお金出して新幹線で行けば良いのに、普段通りのコンディションで臨みたかったので金沢から車で行きました。荷物いっぱい載せれて気楽でした。普段自宅で使っているトリートメントやシェーバーも持っていきました笑
2度の研究室訪問はいずれも往復下道(要は一般道)でしたが、今回は院試なので流石に往復で高速を使いました(福光⇔飛騨清見と岡谷経由で松本⇔八王子)

院試前日、ホテルで勉強していると偏頭痛を発症し、終わったかと思いました。ロキソニンを魔剤で飲み込み強引に鎮痛。。(最悪です)
空腹で仕方なかったので最後の晩餐はサイゼリヤにしました。食べ過ぎてすぐに眠くなってしまった。みなさんも前日の夜ご飯はほどほどにしておきましょう。。

そして当日、電車で会場へ。頭痛がおさまっており一安心でした。
試験1日目は筆記試験。前半は9時30分から1時間半で数学(線形代数と微分積分)を解き、15分の休憩(厳密には答案回収の時間であり、休憩ではない)をはさんで専門科目3つを2時間で解答します。
専門科目は8科目の中から3つ選びますが、自分が選択したのは電気回路、確率統計、信号処理でした。

詳細な勉強内容は後述しますが、数学の試験対策は万全のはずでした。しかし、問題を勢いよく開くと、線形代数は4×4の正方行列の固有値と固有ベクトルを求める問題が、微分積分の最後の小問には過去問から傾向のずれた区分求積法に関する問題が載っており、最初の30秒くらいで早くも絶望。重積分の計算問題から大急ぎで解答し、線形代数で4×4正方行列の固有値を計算していたものの、計算が合わず、10分くらいロスをしてしまいました。
(線形代数をある程度勉強した方ならお分かりいただけると思うのですが、4次元以上の行列式は余因子展開して求めるしかなく、手計算するのは大変です)

さらに、数学試験開始後に気付いてしまったのです。なんと時計を忘れた!!!!
電通大の院試は制限時間にあまり余裕がなく、自分はマイペースに解いてしまうタイプだったので正直大焦り。過去イチに汚い字で解答したと思います。試験官が近くを通るたびに小声で残り時間を尋ねていました。常に焦りで手汗が止まらずクルトガはびちょびちょ。結局、固有値はなんとか求められたものの、固有ベクトルの計算途中にゲームオーバー。あと2分あれば解けたはずの問題でした。この時の表情はおそらく死んでいましたね。
しかも、問題を解いている最中に頭が真っ白になり、adoさんの"アタシは問題作"が脳内再生され始めてしまいました。はっきり言って興奮状態だったので、"固有値の計算しんどすぎね??""そうでもないよぉ""計算合わん、固有ベクトルが一次従属なわけない""アンタはどうだい"、という感じでした。集中力が完全に削がれていました笑。今でこそ笑い話ですが、当事者としては最悪です。

このまま後半の専門科目に引きずってしまってはいけないと思い、大してトイレに行きたくはなかったですが、15分の答案回収時間を利用して気分転換にお手洗いへ。顔を洗って無理やりリセットしました。
そして後半戦。問題をひととおり眺め、まずは問題の優先順位を決めます。
パッと見たところ、確率統計が取っ掛かりやすく、次に信号処理が解けそうで、電気回路は全く解ける自信がありません。
そのため統計を途中まで解き、信号処理の解ける問題も解き、電気回路をヤケクソで埋めてから統計と信号処理の飛ばした問題を解答します。
この頃には脳内からadoさんの音楽が消えていました。とにかく必死です。
ちなみに統計もあと2分あれば解けた問題が一問あります。ただしこちらは計算が終わらなかっただけで解法は丁寧に書いていたため、部分点の見込みは十分あるでしょう。

1日目が終了してからの感触は、5分5分でした。手ごたえは全然なく、特に電気回路はボロボロでしたが、試験終了後にみんなが発狂していたので、おそらく自分だけじゃなくてみんな爆死しているだろうという認識は持っていました。これは割と本質を突いていて、自分が解けない問題はどうせみんな解けないんですよ(そう思っておいたほうが精神衛生上も良い)。実際、自分は解けたけど内部生は解けなかったと言っていた積分の問題もありました。
とは言っても自分がちゃんと解けなかったことに違いはないので、生きた心地はしませんでしたね。ずっと、落ちていた場合のことを考えていました。TOEICを受けておこうとか、院浪するならどこで過ごそうとか、考えるだけで胃が痛くなりますね。。

切り替えて2日目の面接。自分は集合時刻が14時45分だったため、朝はチェックアウト時刻ギリギリまでホテルでゆっくり。車に計3泊分の荷物を積み込み、電通大付近の特Pで予約した駐車場へ車で移動。知らない土地とはいえ、慣れているマイカーでの移動は落ち着くものです。
電通大の院試は100点分(/600点)の面接点があります。金大は配点がないので対策する意味があまりないですが(休んだら落ちるらしい)、配点がある以上は対策をしたいものです。
自分は、有難いことに志望する研究室の先生に添削していただけました。研究内容について相談しつつ、こういう風に答えるつもりだが、問題ないだろうかとオンラインでやり取りをしてありました。
当日周りを見ると、特に内部生は話すことを既にゼミなどで原稿に用意してあり、暗唱している様子でした。おそらく面接準備もそれなりにしているのでしょう。そういう人は想定外の質問が飛んできた場合、どうするのだろうか、、
詳細については、面接対策の大見出しで後述します。
実際のところ、面接で合否がひっくり返ることはほぼないといわれています。そのため、気にしすぎなくて良いでしょう。

面接終了後、志望する研究室の打ち上げにお誘いいただき、先生から有難いお話(ガチ)を聞いて解散、アルコールを抜いてから運転して帰りました。
金大の院試に向けて切り替えつつ、趣味の運転で疲れを癒しつつ金沢へ帰ります。
(諏訪湖インターから白山イオンまで、休憩なしで360km走破したのはここだけの話)

金大院試(B4 8月)

そもそも、金大院試は全くやる気がありませんでした。
というのも、試験勉強をするなかで二大学分の勉強には手が回らないことを悟ってしまい、金大には落ちる覚悟で電通大の試験科目しか勉強をしていませんでした。
電通大の院試は8/17,18で金大院試が8/22,23です。そのため、間の休みは19,20,21の3日間だけです。8/19は休んで、8/20,21の2日間で詰め込むというのが当初の予定でした。そして、予定通り8/20から勉強を始めました。

金大の院試は、前半に数学(微分方程式、ベクトル解析、複素解析、フーリエラプラスから2科目選択)、後半に専門科目(6科目から3つ選択、自分が選んだのは電気回路、論理回路、情報理論)というお品書きです。金大の院試は配点が専門に偏っているので、数学はほとんど勉強せず専門に力を入れる作戦で臨みました。電気回路は唯一電通大の院試でも勉強していたため何も勉強せず特攻。2日前(8/20)に1日で論理回路、1日前(8/21)に1日で情報理論を、いずれも過去問ベースで教科書を参照しながら仕上げました。

金大は正直消化試合のつもりで、受かると思っていませんでした。受験料を払ってしまったから仕方なく、あと電通大院に落ちていてもニートを回避するために受けるという感じでした。
(金大に残った場合志望していた研究室はそれなりに行きたかったですが、もう地方での暮らしに耐えられなくなっていました)

一応受験料も払ってしまっていることですし、受けるだけ受けようと、やさぐれているなりに、頑張ってやる気を出して挑みます。

さて、当日朝に数学の過去問を眺めていると、微分方程式に知らない解法の問題が出題されていることに気付いてしまいます。布団の中で慌ててヨビノリを開き、15分くらいでインプットしました。
そしてファミマで朝食を買って、食べながらのんびり大学へ。結局遅刻しました。試験監督がアドバイス教員で気まずかった……(なら遅刻するなよ、、)
まぁそんなことを気にしても仕方がないので、試験を受けるため筆記用具を出して、問題と解答用紙を受け取るまで待機。ある意味リラックスして受験できました。

前半の数学の試験が開始すると、ん?なんだこれはと思いました。そう、めっちゃ簡単だったのです。全部解けそうです。
ひとまず微分方程式に着手します。小問が4つあり、3つは解き切ることができました。ちなみに当日朝にヨビノリで覚えた解法のものも出題されており、無事に解けました。残り1つは、積分因子を見つけるものでしたが、見つからなかったため時間を浪費すると判断し、一旦切り上げてフーリエラプラスの大問へ。フーリエラプラスは完答しました。残りの時間は解けなかった積分因子を見つけるために使い、結局見つからずに時間切れになりました。
この時点で体感9割くらい。正直、受かったと思いました。ただし午後には専門科目が控えているので、教科書を見たり友人と話しながら最終確認。

そして専門科目。問題を見渡し、難易度が低い順に、
情報理論→論理回路→電気回路
の順で解くことを決定。
一旦情報理論を解けるところまで解いて、次に論理回路、そしていったん電気回路を解いてから情報理論と論理回路の最後の問題を解答。
結局、情報理論は完答、論理回路は最後の小問が煩雑だったため捨て、電気回路だけボロボロ(3割くらい?)。
これで体感は最低7割。合格は確信していました。ひとまず来年のニートは回避できていそうなので、安心してしばらく休んで遊べることになりました。
一応翌日に面接が控えていましたが、金大は出席さえすればよく、配点がないため、何も用意せずに臨みました。
(面接官が現在の指導教員だったので全く緊張せず。これで良いのか……)

これにて、いったん院試は終了し、院試に伴って休んでいたバイトの代理シフトを大量にこなし、多少友人と遊んだりして合格発表を迎えました。

合格発表(金大 9/1, 電通大 9/8)

まず、9/1に金大の合格発表がありました。
金大は予想通り受かっていました。予想通りとはいえ、合格するのは嬉しいものです。

2日の勉強で合格した理由を考察するとすれば、おそらく次です。
・B2のときにちゃんと授業内で勉強していて、それが記憶としてある程度残っていた
・問題の当たりがよかった
・倍率が低かった

そして、1週間後に電通大の合格発表。
起きたら結果が出ている状態にしたくて、前日は苦手な夜更かしをしていました。にもかかわらず翌日は早朝に目が覚めてしまい、頑張って二度寝を繰り返しました。起きたら結果がでているようにしたかった理由は、発表前のドキドキ感が苦手だからです。

時間を過ぎてスマホを開くと、なんと自分の受験番号がありました。
少しの間ポカンとしていましたが、指導教員や受験した研究室の先生に報告をしているうちに、合格した実感がわいてきたといった感じです。

合格できた大きな理由には、研究室の理解があったことだと思っています。
もちろん僕もそれなりに勉強をしたつもりではありましたが、院試が終わるまでは院試勉強を優先させてくれたことが非常に大きな理由としてあったと思っています。

受験勉強(詳細)

教科書ベースで全部勉強するのは非効率

たとえば電通大の確率統計では推定・検定が全く出ません。最初に積率母関数を求めてから、微分して期待値と2乗の期待値、分散を求めるという流れです。あとは最尤推定量の計算ですね。
院試の勉強という意味では、過去問を見て出ている範囲を把握して、その分野だけ教科書ベースで勉強してから過去問に戻ってくるのが良いです。全部教科書で勉強してから過去問演習するのが理想ではありますが、短期間で院試に必要な実力をつけるという意味ではあまり得策ではありません。
(少なくとも電通大に関しては)
要は、過去問を極めようということです。

TOEICにこだわりすぎない

たまに勘違いしている人がいますが、TOEICよりも専門科目の方がよほど重要です。
たとえば金大では、TOEICの点数に対して専門科目の配点は5倍くらいあります。具体的な点数は忘れましたが、、
そして電通大では全体で500点のうち100点、要は2割。しかも730点取れば満点扱いで、585点だった僕でも換算75点でした。よほど悲惨でない限り差がつきません。
とどのつまり、時間をかけすぎて専門科目の勉強が疎かになるようなことは、あってはなりません。

とはいえ、TOEICの点数は唯一、受験前に確実に抑えられる点数です。なので、高得点を取る自信がある方や、筆記試験でコケても死なないように予め点数を確保しておきたい人にとってはTOEICの勉強も力を入れる価値があります。TOEICはスコアの有効期限が2年あるので、B3のうちに高得点を取れる人は取っておきましょう。

B2やB3の内から、ちゃんと勉強しておきましょう

こんなことを言ってしまうと元も子もないのですが、早くから勉強しておきましょう。それに越したことはありません。
B4になってから新しく知識を得て、院試までに完璧に仕上げるのは現実的ではないです。
周りの状況を見る限りの体感ですが、院試に落ちる理由は、能力が足りない場合よりも勉強時間が足りていなかった場合のほうが多い印象です。
ちなみに、線形代数と統計は先輩の自主ゼミに混ぜてもらってB2,3である程度勉強してありました。この貯金は間違いなく生きていました。本当にありがとうございます。

一度勉強したことを復習しながら思い出すのであれば、まだ間に合う見込みがあります。というか大体の人は過去問を手に入れるのがB4に上がってからだと思うので、大学ごとの傾向を分析して勉強するのはB4まで出来ない人が大半かと思います。B4で過去問演習を始める頃にはある程度の基礎ができているようにできればとても良いです。

面接対策

電通大の面接で聞かれたことは以下でした
・なぜ電通大のこの研究室を志望するのか。
→研究内容に興味があり、今のテーマとは違うことをしたい、今の研究室が今年でなくなる等を話す
・卒業研究でしていることは何か
→ざっくり話したが、勉強中なので正直よくわかってないという趣旨のことをオブラートに包んで回答
・電通大の大学院に進学して、その後はどうしたいか(D進 or 就職)
→基本的に就職のつもり

ぶっちゃけ研究そっちのけで院試勉強していたので、今の研究について突っ込まれたのに少し動揺していました。あぁ余計なことをしゃべったと。
準備としては、大学院でしたい研究の概要を1,2分程度で話せれば良いです。
電通大の希望研究室の先生に、このようなことを話そうと思うんですけど、研究内容とか大体こんなんで理解が間違ってないですか?とあらかじめ相談してありました。用意していること以上は話すべきじゃないですね。

電通大の面接では、多少突っ込まれました。ただ、圧迫面接とかでは全くなく、むしろアットホームなやり取りで、卒研発表や学会発表のように深堀されるというよりは雑談感覚で話したことへの質問がくる程度でした
(今やってる研究のそれって、どういうツールを使ってやってるの?等)。
これと、合否にはかかわらないものの定員調整の参考にするため、外部大学院の受験状況をアンケートとして聞かれました。

ちなみにですが、金大の面接は、本人確認と受験状況のアンケートののち、第一志望の研究室に対する志望動機を3分以内で話すように求められ、ツッコミも特になく終わってしまいました。まぁ金大は面接の配点ないですからね……
しかも面接官に指導教員がおり、本当にリラックスしておしゃべりしたら終わりでした笑(本当にこれで良かったのか……?)

振り返り

やってよかったこと

まず、希望の研究室に複数回顔を出したことです。
これは単純接触効果なのですが、何度も顔を出すことで、自分のことを研究室の人に覚えてもらえます。この人はちゃんとウチの研究室に興味をもって真剣に考えてくれているという印象を与えられます。
そうすることで、研究室の学生と過去問を共有したり、解答が用意されていない場合は一緒に解答を作って見せ合ったりと、一緒に勉強できる可能性が上がりますし、先生にも進学後のことや研究のことなど、初対面の場合よりも相談しやすくなります。

次に、これはあくまで結果論ですが、金大院試の勉強を放棄したことです。
本格的に院試勉強を開始したのはB4の4月~5月頃だったため、正直時間がありませんでした。しかも電通大と金大では院試に使用できる科目がかなり異なっており、併願するには勉強効率がかなり悪かったです。一応、試験科目は以下に書いておきますが、、
(金大:微分方程式、ベクトル解析、フーリエ、複素解析から2科目
+電気回路、電子回路、電磁気、情報理論、アルゴリズム、論理回路から3科目
電通大:線形代数、微分積分
+電気回路、電磁気、信号処理、確率統計、アルゴリズム、計算機アーキテクチャ、数値シミュレーション、離散数学から3科目)

そこで、電通大にどのくらい行きたいかを自問自答しました。その結果、全落ちした場合は来年ニートというリスクを背負ってまで、電通大の院試勉強に集中することにしました。どうしても金沢を脱出して東京に行きたかったのです。覚悟を決めました。
結果としては第一志望に合格できたのでよかったですが、受かる見込みや自信がないなら、この方法はやめておいたほうが良いです。
僕が言いたかったのは、ある程度見込みがあるのであれば、無理に全科目の勉強を仕上げずに、本当に点を取りたいところに振り切ってしまうこともできるということです。

よくなかったこと

最も大きな反省点は、二大学しか受けなかったことです。
同じような受験科目の大学をもう一つ受けておくべきでした。僕の場合だと、両方に落ちたら本当に後がなかったためです。出題傾向が近いところを受けれられば良いですが、無理でもなんとか科目がかぶってるところを受けるべきです。そうすれば片方の大学でコケてももう片方で挽回できる可能性があります。
少なくとも金大と電通大は相性が悪かったです。電気回路くらいしか同じ科目がなかったので、、
(アルゴリズム論も一応重複していたが、出題傾向が異なるのと、難しい分野なので賢い選択とはいえない。電磁気は苦手だったので割愛)

最後に

おそらく大学院試験は、自分にとって人生で最後の筆記試験だったと思います。自分は中学受験で第一志望の学校に落ちて別の中学に後期入学し、大学受験でも第一志望の大学に落ちて金沢大学に後期入学しています。なので、今後の人生でもきっと第一志望に受かることは出来ないんだ……と正直拗らせてしまっていました。
実際、電通大の院試が終わった時も、自分は今後の人生で重要な試合には負け続けるんだろうな、、と絶望してしまっていました。本気で落ちたと思っていたからです。
蓋を開けてみれば合格でした。これまでずっと心の中で引き摺っていたものを一つ、振り切れたように感じます。ちゃんと結果が付いてくることの幸せを、初めて身に染みて感じました。

自己満足的な日記のような記事ではありますが、もし外部院を受験したいけど何をすれば良いかわからないとか、そんな方に少しでも役立っていれば嬉しいです。

頑張れ未来の後輩!!

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