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とりあえず学校に電話

学校に電話しなければなりません。
うーん、熱があるわけでもない、
怪我したわけでもない。
何て言おうか…。

「ちょっと昨夜から体調が悪くって
今日はお休みします。」

その前に明日は行くのだろうか。
見えない不安が私の中で大きくふくらみます。

それからは一週間に一度か二度の登校が
続きました。

やはり夫の機嫌が悪くなってきました。

「今日も休んだんか!!お父さんはしんどくても
頑張って仕事してる!子供は学校に行くのが仕事!
嫌でも頑張って行け!!」

…最悪でした。泣き叫ぶ娘。おびえる息子。

もう私もどうすればいいのかが分かりません。
とりあえず次の日に夫に話しました。

「もし自分がどうしても会社が嫌になって長く休んだら
すぐに普通の顔して行ける?」

「行ける!!」

ああ、もうこの人に今は何を言っても無駄だ…。
そう悟りました。

のらりくらりと過ごしている間に夏休みが
やってきました。
しばらく学校のことを考えなくっていいんや!
私も娘ものびのびしていました。

ところが夏休み最後の日。
ちょっと心配だったので私も一緒に寝ようと思って
同じ布団に入り、様子を見ていました。

「明日から学校が始まる…」
布団の中でガタガタ震えているのです。

「学校のこと、考えなくっていいよ。」

当時のことを娘は覚えていないということでした。
人間って辛すぎる記憶がなくなるというのは
本当のようです。

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