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【ZENKAIRACING】2台の「ZR-SX400」を乗り比べてみた。

どうも、岡田です。

さて、今回は東京・墨田区にあるシムのメッカ?「スミガレ」に設置されている、2台の「ZR-SX400」筐体乗り比べレポートです。

筐体の名前こそ同じですが、何もかもが違いました😅

■2台の「ZR-SX400」

僕の家のシム筐体もご提供いただいている「ZENKAIRACING(ゼンカイレーシング)」では、ECサイトでシム用のデバイスやパーツを個別に買うことができますが、1つのパッケージとしてシム筐体を購入することもできます。

いくつか仕様により種類がありますが、4.1軸のモーション機構を備えたZENKAIRACINGのフラグシップ製品と言えるものが「ZR-SX400」と呼ばれるモデルです。

現在、ZENKAIRACINGのファクトリー兼開発拠点となっている東京・墨田区の「スミガレ」では、2台の「ZR-SX400」が稼働中です。

見るからに見た目が違いますが、実はどちらも「ZR-SX400」なのです。

仕様を見てみましょう。

■ZR-SX400-GT Ver.1.0

モーター:SIMUCUBE2 Sport
ステアリング:GTX
ペダル:Heusinkveld SimPedalSprint
モニター:LG 34WP65C (34inch)
モニター湾曲率:1800R
リフレッシュレート:160Hz
ダンパーホイールベース:1350mm
シート:BRIDE MAXISⅢ

右側の筐体がこちら。
ZENKAIRACINGで初期に製作した「ZR-SX400」とのことで、GTマシンを想定したポジションで設定されています。
(以下GT仕様と呼びます)

もうあまり珍しく感じなくなってきた3画面筐体ですが、この筐体ではさらに横幅なウルトラワイドモニターで3画面としているため、真横を向いてもディスプレイに囲まれ、より深い没入感の獲得を狙っているとのこと。

■ZR-SX400-Formula Ver.2.0


モーター:SIMUCUBE2 Ultimate
ステアリング:F-PRO
ペダル:ASETEK Invicta
モニター:SAMSUNG G9 (49inch)
モニター湾曲率:1000R
リフレッシュレート:240Hz
ダンパーホイールベース:1200mm
シート:RCC Formula MK8-2S

左側は先日完成した、今現在ZENKAIRACINGが持っている技術やノウハウを駆使し、デバイスも最新かつ最高の物を使用して完成させた、フォーミュラーカー想定のZR-SX400。
(以下フォーミュラー仕様)

新しく取り扱いを開始した「ASETEK」の油圧式ペダルや、特殊な形状のシートなど、GT仕様以上に「ヤバそう」な佇まい…。
「Ver.2.0」はダンパーのアクチェーターが新しくなり、よりキメ細かい制御が可能になったそうです。

モニターは49インチの「スーパーウルトラワイドモニター」1枚仕様。
こちらもモニター湾曲率がキツく、視野角と没入感を意識し、リフレッシュレートも高いものを選択。

GT仕様と比較すると、モーションダンパーのホイールベースに違いがあり、それもまた影響の違いを見てほしいとのことで、早速この2台を乗り比べてみます。

■「思いっきり攻めれる」GT仕様

まずはGT仕様の「ZR-SX400」から試乗。
ソフトは「iRacing」で、鈴鹿サーキットにF4マシン相当のiR-04&BMW M4 GT3という車両という組み合わせで体験しました。

まずモーションダンパーの動きですが、パッと聞いて想像しがちな加減速のGを過剰再現して、ブレーキングするたびに思いっきり前傾するような動きはほとんどしません。

どちらかと言えば横Gの再現と、タイヤが路面を捕えてるか否かがお尻・腰を通じて伝わることを重点に置いた動きに感じられます。

ちなみに「4.1軸モーション」の0.1軸は何?というと、筐体の真ん中辺りに中心軸を司るパーツがあるらしく、それを前後に動かしてFRとMRの動きの違いを出しているんだそうです。

この筐体は多分・・・前軸寄りのFR設定かな?(間違ってたらすみません)

話が前後してしまいますが、実はこちらの筐体の方が「フォーミュラー仕様」より速く走れました。
iR-04、そして後にBMW M4 GT3でも走りましたが、どちらも鈴鹿でコンマ3~4秒程タイムが良かったです。
※参考タイム:iR-04…2:03.232 M4GT3…1:59.189

個人的にHeusinkveldのペダル、とくにアクセルペダルの反発性?がすごくやり易く、常に車が安定していて思いっきり攻められる印象がありました。

あと、さほどiR-04(フォーミュラー)・M4GT3(GTカー)でどちらも大きな違和感なく、eスポーツ競技にもこのモーションシムで出れそうな手応えがありましたね。

■パッキパキに「硬さ」を感じるフォーミュラー仕様

続いてフォーミュラー仕様の「ZR-SX400」へ。
まずドライビングポジションが凄い。
ほぼV字姿勢です(笑)

フォーミュラー仕様とされているだけあって、ペダル位置がかなり上に設置されてますし、シートもかなり寝ています。

この筐体はとにかく集中せざるを得ないというか、没入感がすさまじいです。

理由の一つとして、RCCのFRPのシートがモーションダンパーの動きをよりダイレクトに体に伝えてくるので、ホントにレーシングカーに乗っているような「硬い」動きを感じます。
また、こちらは横Gと同じくらい、「サーキットの傾斜」もモーションダンパーで感じやすくなってる気がしました。

SIMUCUBE2の中でもハイエンドなUltimateモーターは、重い・軽いじゃなくトルクの出方がより細かくなってて、舵角ごとにステアリングから伝わってくる情報が変化してる感じ。

ASETEK Invictaペダルのブレーキはもう石のように硬く、それでいてコントロール性は高いので、他のペダル以上の実車レーシングカー感がありますね。

ただし、シムの中で速く走らせる為だけで言えば情報量が多いというか、例えば鈴鹿のデグナー1つ目の縁石とかが思い切り攻めきれず、タイムはGT仕様の方が速かったです。
※参考タイム:iR‐04…2:03.576 M4GT3…1:59.683

あと姿勢もあって、M4GT3を使っているときは違和感がありました。

モーションホイールベースがこちらの方が短いのも、もしかしたら「これ以上は無理かも」という機敏な感じを受ける理由かもしれませんね。

■要望に合わせた「チューンド・シム」

同じ「ZR-SX400」という触れ込みでありながら、この2つのシムは、もやは同じところが見つからない位違ってました。

一口にレーシングシミュレーターと言っても、モニター・モーター・ステアリング・ペダル・モーションダンパー…これらの機種やセッティングが違えば、当然ながら完全に別物なってしまいます。

S耐のランエボの練習や、シム内での速さを競うeモータースポーツに参加するなら、僕はGT仕様の筐体の方が良いですが、逆にフォーミュラーカーで走るレースの練習に使うなら間違いなくフォーミュラー筐体を使いたいです。

「ZR-SX400」というのはあくまでZENKAIRACINGによるモーションシムを指すもので、その筐体の仕様や狙いは1台1台の「オーダーメイド」と言って過言ではないことが良く分かりました。

なので、ZENKAIRACING製品のシムを導入する際は、どんなクルマでどんなレースの練習に使いたいのかとか、eモータースポーツで使用するのかとか、目的を明確にすればするほど、その完成度が上がっていく代物…な気がします。

実車で言う所の「チューンドカー」って感じですよね。
パーツ1つ1つ着けることもできるけど、ショップが目的を定めて作ったデモカーが、狙ったステージでは真似できない位決まってる的な。
逆にサーキットスペックで街中を走ると、硬くて微妙…みたいな現象が、シムでも起こりえるって感じ。

ZENKAIRACINGのそういった、シムの「チューニングショップ」感を、今回感じることができました。

この「ZR-SX400」を含む様々なZENKAIRACING筐体は、「スミガレ」の他でも、9/24に鈴鹿サーキットで開催される「eMotorsports EXPO 2022 in SUZUKA」というイベントで体験できるということなので、是非足を運んで体験して頂けたらと思います!

ということで、なかなか豪華な400万円級モーションシム2台の乗り比べでした!

今回は以上!

岡田


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