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VRとレースシムって相性抜群じゃないかって話

どうも、岡田です。

自分、直近であった事を暫く引きずる性格なのですが、先日の2&4デジタルツイン展以降「VR」の業界から見たときに、レースシムって一番相性良いんじゃないかって考えてるんですよね。

今回ちょっと、その辺り書いてみます。

■VRの業界

少し前から「仮想空間(Virtual Reality)」という言葉が認知され、今ではVRゴーグルを装着しアバターを自己と認識して仮想空間で過ごす「メタバース」なんていう文化まで出来上がってきてる今日。

「メタバース」以外にも、例えば不動産の物件探しとしてVRで内見できるサービスや、VR空間で見る映画など、色々とVRによるビジネスが盛んになってきてはいますが…

正直、端から見ててVRが普及してきてるような感じはしてないんですね。

パッと思いつく限りでもVRって
・お値段が高い
・ゴーグル装着がネック
・そうまでしてVR空間でやりたいと思わない。(スマホやモニターで十分)

というような欠点があるように自分は思うんです。

で、僕がよく関わるレーシングシミュレーターでもVRでのプレイは少し前からできるようになっていて、それでも僕はVRを使ってプレイはしていないんですが、この前の「2&4デジタルツイン展」で改めてプレイしてるうちに、これから先レースシムという物の中でVRが流行る気がする要素を感じました。

■VRの特徴を最も活かすのがレースシムではないか?

ゴーグルを装着して仮想空間を見たときに「あ、今見てる世界に入り込んだわ」って脳が騙される要因の一つが「奥行き」だと思うんですね。

例えばモニターでレースシムをした時は、こういう画面でプレイすると思いますが、どうしても平面のモニターでは映ってる全てにピントが当たって「画面の向こう側」感が出てきます。

実際に車を運転する時は、確かに視界には握ってるハンドルもセンターコンソールも入ってはいるものの、「焦点」はこれから進む先に当たっていて、それ以外は「映ってるけど見えてない」画像のような状態だと思います。

アセットコルサコンペティツィオーネなど、一部のソフトは画面上でもこの「焦点」の再現を試みてるものがありますが、没入感という点で人間の目そのもので焦点を再現するVR(表現が合ってるか分からないが…)にはやはりココは敵いません。

特にレースシムはそれほど視界を動かさず、焦点をちくいち変えてプレイするものです。
ヘアピンなどでは首を使って横を見ますが、基本的には「正面かバックミラー」を目の焦点と視線を変えてプレイしてますよね。
レース中360°キョロキョロしてないですよね?(笑)

VRを使用するゲームというと、視界を変えるもの…例えば周りを見渡すことが多いシューティングやRPGなどが挙がると思いますが、むしろVRはほぼ一点を見て焦点の変化による「奥行き」を感じられるレースシムの方が合ってるんじゃないかと思います。

■VRの欠点をレースシムが打ち消す

「レースシムがVRに合ってる」という話よりも、話したいのはこの部分です(笑)
VRが持ってるいくつかの欠点を、レースシムは打ち消すことができてるんじゃないかと思うんですね。

・「行動範囲」を考えなくていい
360°の仮想空間に飛び込むことができるVRにおいて、例えば「歩く」ことでその世界への没入感を感じる仕組みだった場合、行動範囲の取り方を考えなくちゃいけないと思います。
その点、レースシムは車の運転という現実と同じ操作をしていながら、身体の移動は全く無いので、シミュレーターの筐体のみがVR空間再現に必要な範囲…という点がまずありますね。

・「触覚」も再現できる
VRゴーグルは「視覚」と「聴覚」を再現することで自身が仮想空間に入り込んだと認識させますが、「リアル」と大きく違うのは「触覚」がない・「触れられない」点だと思います。

ですがレースシムの場合、思いっきりステアリングに「触れて」ますよね。

突き詰めてシム内の車のステア形状やシフトレバー、ボタン類を再現したコックピットでVRプレイをすれば、本来人間の五感の内2つしか再現できなかったVRで、3つ目の「触覚」の再現も可能ということです。

先日の体験ではVR酔いしてしまう方もいらっしゃいましたが、通常のVR体験より現実に近い感覚でプレイしてる中で、例えばステアリングを切ってる量が画面と感触で違うとか、クラッシュしたのに衝撃は来ない…という所で出来た違和感の積み重ねが酔いに表れてるんじゃないかと思います。

残る「味覚」「嗅覚」を車の運転で使うことは、強いて言えばクラッシュして吐血した時の血の味とか、トラブルでガソリン漏れたときの匂い位だと思うので、ほぼ再現する必要がないことを考えると、VRでのシム体験はほぼ実車の運転に近いものになってると言えるのではないでしょうか?

・ゴーグル装着への違和感
VRの体験に置いて、いかに目の前に広がる光景がリアルでも「頭部に重量物を装着してる」ことへの違和感ってあると思うんです。

例えば「VRゴルフ」というゲームがあって、広大な土地にスティック状のコントローラーを振ってゴルフを疑似体験できるとしても、頭の重さが多分気になるんですよね😅

現状は、レーシングシミュレーターでも多少その影響はあります。
僕がVRでプレイしてない理由の一つが、つけなくてもプレイできるのにゴーグルを着ける煩わしさを感じたりするからです。

ですがリアルのレースではVRゴーグルよりも重いヘルメットを装備して車を運転します。
レーシングシミュレーターで「頭部に重量物を装着している」のは、むしろ没入感を増やす要素になりえると思うんです。

僕はレースゲーム・レースシミュレーターから実車のレースへ挑戦しているので、eモータースポーツでVRゴーグルに違和感を感じることはありますが、今後この業界をより伸ばすには「ゲームやネットにさほど興味ない実車側の人たち」をどう巻き込ませるかが大事だと思っていて、そういう「レースでは頭部に重量物を装着してるのが当たり前」な方ほど、VRゴーグルへの違和感は薄まるんじゃないかと考えてます。

・新たな価値観への訴求
最後に最もネック?な価格。
探してみると数千円のVRゴーグルもありますが、常に景色が流れてるレースシムでの使用は高いフレームレートと解像度が要求されます。

PS用VRで3万円ほど、2&4デジタルツイン展で良いな~と思った「Vajro Aero」で22万円だそうです。

なかなか「VRレースシム楽しいよ~」といったところで、そもそもの環境にお金がかかるものですから、そこから更にVRを…というのは相当にハードルが高いです。

そんな中で、若干有料記事に近い内容になりますが、自動車という物の変化が新しい価値観を生む気がするんですね。

今後どうなるかは分かりませんが、世界ではカーボンニュートラルを掲げて車は電気自動車やハイブリッドカーなどへシフトしていこうとしてます。
今の時代に急に4ローターターボの新型RX-7が出ることも、NAで9000回転回るVTEC搭載の新型タイプRが出ることも無いのです。

そして往年の名車であるR34GT-Rも、80スープラも、FDRX-7もシルビアも、もう普通の人に買える値段では売っていませんし、今後数は減るばかりです。

であれば、いずれ「昔出来て今できない事を、レースシムでやりたい」人が増えると思うのですが、そういう人にとっては「いかに乗りたいクルマに乗ってる感があるか」がレースシムに問われると思います。

そこでVRですよ。
この記事でずーっと言ってますが、他のVRゲーム以上にレースシムはVRで没入できるのですから。

先ほども書いた「ゲームやネットにさほど興味ない実車側の人たち」をレースシム業界に巻き込んでいく1つの要素としても、ここを訴求のポイントとするのは良いと思うし、VRというものを活かせると思うんですよね。

ただ楽しいというものじゃなく、「今リアルでできない体験ができるもの」という価値をつけられれば、VRにかかるコストなんて安い…という価値観も作れるんじゃないですかね。

・・・とまあ、以上が「VRとレースシムって相性抜群じゃないかって話」です。
書いてる本人がVRでプレイしてないので説得力は無いかもしれませんが、話のネタとして楽しんでもらえたなら幸いです(笑)

岡田

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