日記でGO 5月28日

5月28日

8時起床。起きてすぐ、普段はまったく見ないテレビをなぜかつける。NHKの朝の連続テレビ小説を見るでもなく見ていたら、ニュース速報が表示された。川崎市の襲撃事件。児童を含む十数人が負傷とあった。

8時30分。キッチンで朝食を作る令和の女をよそに、レイモンド・カーヴァーの短編集『愛について語るときに我々の語ること』から「足もとに流れる深い川」を読んだ。

小説は、ある夫婦の朝食の場面からはじまる。不機嫌に食事をしている夫と、その様子を見ている妻。夫の不機嫌の理由は遺体とそれにまつわるあれこれ。夫とその友人たちはキャンプに行き、山中の川原で若い女性の全裸遺体を見つけたという。しかし、彼らは何事もなかったかのように釣りや酒盛りやポーカーをして二日間を過ごした。遺体は川に流されないように浅瀬まで引きずり(確か、指を持ってひっぱった、みたいな描写があった)、手首を縛って木の根に繋いでいた。帰り際に初めて保安官に連絡して事件が発覚するが、これら一連の出来事を妻に話すのは帰宅してすぐではない。新聞によって事件が報じられた、その翌朝である。

この作品を含めたレイモンド・カーヴァーの9つの短編と詩をもとに作られた映画がロバート・アルトマンの『ショート・カッツ』で、その映画にインスパイアされて書かれた小説が村上龍の『ライン』ってことをWikipediaで知る。

書き忘れていた。翻訳者は村上春樹。アルトマンは村上春樹に影響を与えた作家レイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』も映画化している。春樹がアルトマンをどう評価しているのか、ちょっと気になるな。

12時30分。買い物から帰宅。洗濯と掃除。食欲がないので昼食はやめた。Twitterを開き、川崎の殺傷事件の記事を読む。

「県警によると、50代とみられる男が両手に刃物を持ち、バスを待つ児童らを次々と刺したのをバス運転手が目撃した。男は自分で首付近を刺した後身柄を確保されたが、死亡が確認された。丸刈りで眼鏡をかけ、黒いシャツとズボン姿だった。現場から包丁のような刃物2本が見つかった。」

今朝Twitterでリツイートしていたものをチェック。

海の幽霊

開け放たれた この部屋には誰もいない
潮風の匂い 染み付いた椅子がひとつ

あなたが迷わないように開けておくよ
軋む戸を叩いて
何から話せばいいのか
わからなくなるかな

星が降る夜に あなたにあえた
あの夜を忘れはしない
大切なことは 言葉にならない
夏の日に起きたすべて

思いがけず 光るのは
海の幽霊

うだる夏の夕に 梢が船を見送る
いくつかの歌を囁く 花を散らして

あなたがどこかで笑う声が聞こえる
暑い頬の手触り
ねじれた道を進んだら
その瞼が開く

離れ離れでも時が来るの
叫ぼう「今は幸せ」と
大切なことは言葉にならない
跳ねる光に溶かして


今夜はこれを見る。

感想は明日の日記に書く。

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