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金融機関などのJTCで女性総合職が昇進しやすい背景

たまにtwitterで「金融機関の女性社員は昇進しやすい!」みたいなポストを見かける。
優遇されているかどうかは分からないが、確かに女性の活躍の場が広がっているし、各金融機関を始めいわゆるJTCと言われる企業は揃ってIR上に女性活躍を打ち出している。 これについて、個人的に背景として思い当たる点を纏めてみた。

ただし。
前置きさせて頂くと、本ポストは人事評価上女性を優遇しているとか、そういうことを言いたい訳ではない
以下、(一部推測も交じってしまうが、、)事実を列挙したに過ぎないことを申し添えておく。

女性の活躍が広がる背景にあるのは、経団連が掲げている"2030年30%へのチャレンジ"という目標にある。
一体何のチャレンジかというと、ざっくりいえば「2030年までに役員に占める女性比率を30%以上にする」というもの("役員"の定義は各企業に委ねられている)。

出典:https://www.keidanren.or.jp/policy/2021/030_shiryo.pdf

そしてこの目標に賛同している企業が以下の企業。
見ると金融系が多い。
一部外資も目に付くが、金融系の他、総合商社やメーカーなどのJTCが大半だ。
なお金融系が多くなっている理由はまた別にあるが、大雑把に言えばグローバル金融市場から締め出しを食らわない為にある。つまり金融機関からすればこの目標を達成することは至上命題に近いものと言える。

ではJTCで「2030年までに役員に占める女性比率を30%以上にすることを目標にする」と何が起こるか、を考えてみる (自分は金融機関出身なので、それをベースにする)

"金融機関において2030年に役員になる年齢を53歳前後"とザックリ仮定し、昇格遅れが発生しない前提であれば役員候補となる入社年は2000年前後になる。

しかし、ここで大きな問題がある。

2000年代前半の採用では今ほど女性の採用が進んでいなかった。
当然1990年代入社となればもっと少ない。最近話題になったSMBCの女性副頭取・工藤氏は1987年入行、女性総合職採用一期生。

そもそも、最近の新卒採用でもようやく男性2:女性1くらいになっている。

言い方を変えれば、今の時点でも女性の採用比率は33%程度にとどまっているのだ。
これに加えて女性は結婚、出産などで退職されるケースが多く、
「女性比率を30%」という目標を達成することが難しいかよく分かる

勿論外部から中途で役員に入れる手段もあるが、プロパー社員主体の金融機関では限界がある。 内部昇格させる形で女性社員に活躍してもらうしか手段がないのだ。

こうした背景もあり、各金融機関は既存の女性社員に積極的に活躍の場を提供している、と勝手に見ている。


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