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日本国内のバイオマス認定制度について

近年、環境保護や脱石油資源の観点から、バイオマス製品や生分解性プラスチック製品の普及が進められています。これらの製品を選択する際に役立つ認定制度がいくつか存在し、消費者に環境に優しい選択肢を示す役割を果たしています。数多くある認定制度の内、今回は日本国内のバイオマスマーク、バイオマスプラマーク、グリーンプラマーク、エコマークについて解説したいと思います。


バイオマスプラマーク

バイオマスプラマークは、プラスチック製品に対して付与される認定マークで、製品に含まれるバイオマス原料の割合に応じて以下の4つの段階が設定されています。

  1. バイオマス25%以上

  2. バイオマス50%以上

  3. バイオマス75%以上

  4. バイオマス90%以上

バイオマスプラマークは、プラスチック製品におけるバイオマス原料の使用割合を示し、消費者に環境に優しい選択肢を提供します。

バイオマスマーク

バイオマスマークは、製品が一定量のバイオマス原料(生物由来の原料)を使用していることを示す認定マークです。10%以上のバイオマス原料を含む製品について、バイオマス原料の含有量に応じて以下のように5%刻みで認定しています。

  1. バイオマス10%

  2. バイオマス15%

  3. バイオマス20%

  4. バイオマス25%

  5. バイオマス30%・・・

バイオマスマークは、プラスチックだけでなく、幅広い分野で認定製品があります。

バイオマスマークとバイオマスプラマークは、プラスチック製品においては重複して表示されることもありますが、その違いは大きく2つあり、認定協会とバイオマス原料の割合の必要基準が異なります。
・バイオマスマーク:一般社団法人日本有機資源協会(通称:JORA)、10%以上
・バイオマスプラマーク:日本バイオプラスチック協会(通称:JBPA)、25%以上

また、バイオマスプラマークの認定を得るためには、認定協会の会員になる必要があったり、認定協会の定めた安全基準に合格する必要があったりと、バイオマスマークに比べて若干厳しい認定条件となっています。

グリーンプラマーク

グリーンプラマークは、生分解性プラスチック製品に対して付与される認定マークです。基準として、製品が以下の条件を満たす必要があります。

  1. 生分解性であること

  2. 生分解性合成高分子化合物と天然有機材料の総計が50.0重量%以上、または50.0体積%以上含むこと

これにより、グリーンプラマークが付与された製品は、自然環境下で生分解し、リサイクルも可能であることが示されます。
グリーンプラマークの認定協会は、バイオマスプラマークと同じ日本バイオプラスチック協会(通称:JBPA)となります。

*「生分解性」についてはこちらの記事で解説しています。

エコマーク

エコマークは、製品全体の環境負荷が低いことを示す認定マークで、バイオマス製品や生分解性プラスチック製品だけでなく、さまざまな製品に対して付与されています。エコマークの基準は、製品カテゴリーごとに異なります。例えば、プラスチック製品に対しては、バイオベースポリマー含有率が25%以上であることが求められます。

エコマークが付与された製品は、原材料の調達、製造プロセス、省エネ性能、リサイクル性、廃棄物処理などの観点から環境負荷が低いことが保証されています。


まとめ

これらの認定制度を活用することで、消費者は環境に優しい製品を選びやすくなります。また、企業はこれらのマークを取得することで、自社製品の環境配慮への取り組みをアピールできます。環境問題が深刻化する中、バイオマスマーク、バイオマスプラマーク、グリーンプラマーク、エコマークを理解し、環境に配慮した選択を行うことが、私たち一人ひとりに求められる責任となっています。

R&Dスタッフ yuya

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