29歳独身OLが彼氏にデートをすっぽかされた話
なんてことない日曜日。
誰しもに平等に訪れる日曜日に、私は付き合っている彼氏にデートをすっぽかされた。
一昨日の夜中の電話で、忙しそうにしている彼に今週は会えるのか否か尋ねたところ『日曜日は16時に仕事が終わるから、その後なら。』。
ハッキリとそう伝えられた。
私たちはお互い同い年。
出会って3年半、付き合って2年近く経つ。
日曜日の午前中、彼に今日はどうするかLINEでなげかける。何時になっても既読にならない。
なんとなく嫌な予感を感じながら、支度をして16時ごろに街に出る。
彼から連絡が来た時に、すぐに待ち合わせ場所に行けるように。
17時すぎ、『今日は仕事に疲れたから、このまま帰ることにするね。』
握りしめた携帯にはそんな彼からの淡白なメッセージが届いた。
落胆しながらも仕事を労い、待っていたこと、デートをキャンセルするならもっと早く伝えて欲しいことを感情的にならないよう優しく伝える。
そして、なぜか謝りの一言を私が入れる。
彼からは謝罪の一言も、待たせてしまった私に対する罪悪感も恐らくない。
送ったメッセージが既読になるものの、その後彼からの返信は特にない。
こんな恋愛、と第三者が見たら思うだろう。
私だってこんな恋愛、と常々思う。
結婚がしたい女は立場が弱い。
25を過ぎたあたりから痛切にそれを感じる。
いつから私はこんな風になってしまったのだろう。
空気が読めるようになってしまった、うざいと思われなくないと考えるようになってしまった、反省してどこがいけなかったのか学習するようになってしまった。
果たして今の私たちは正しいのだろうか。
学生時代の恋愛は、もっとみんな自由だった。
泣いて笑って怒って喜んで、彼氏とのことで一喜一憂。
今だって一喜一憂してるはずなのに、なんとなく自分のマイナスの感情をやり過ごす術を身につけてしまった。
ドタキャンされた私はそのままデパートで、先日赤ちゃんが産まれた年のひとつしか変わらない先輩への出産祝いを購入した。
なんとなく、子供服売り場の居心地が悪い。
ベビー服ってこんなに高いんだと思いながら、1万円と少しの御祝品にクレジットカードを切った。
今の彼氏のことが好きなのか、結婚という制度に憧れているだけなのか、どうしてみんなは結婚して子供を授かっているのだろうか。
そんな感情に包まれながら私は丁寧に包装されたベビー服を持ち帰った。
明日私は笑顔で出産祝いを先輩に渡す、彼からLINEがくれば機嫌のいい女として返事を返す。
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