現時点

年を取ったからなのか
見るべき意見が減った
わざわざ自分が語らなくてもわかるだろ、思っていたが
最近は、自分と同じ観点の意見が見当たらないのを確認してから、少し突っ込んでコメントするようにしている

文化人とか学者とか言われる人たちも
「もう少し頭がいいと思ってた」いう感じだし
「社会のことをわかってないな」思うことが増えた
片やビジネス系の方々は
「こんなのどこにあんの?」というような議論を重ねていて

……まったくわからない

社会に出たら、いろいろな仕事をしてる人と語り合えると思ってた
自分の知らない業界について、その実情を知るのは楽しいだろうと思ってた
そうやって、なんだかんだ社会の一員として働きながら、時代を作ってくんだと思ってた

実際には
既にある仕組みに自分を合わせるのに精一杯で
誰も何かを創ろうなんてしてなかったし、そんな余力もなかった
「私たちの時代は来なかった」

よく言うのだけれど
私が高校生だったときは、女子大生ブームだった
大学生になったら、女子高生ブームに変わってた
これは何なのだろう?と思った
「援交」とか「巨乳」とか
信じられない言葉があふれていた

これまで散々集団に紛れることを強いてきたくせに
大学生になったら「キミはどう思うの?」と問われて
私は混乱した
けれどそれも、長くは続かなかった
「私」を探求することを奨励されたのは、大学生の間だけ
「意見」も言えない社会が待っていた……

自分が見て体験してきた歴史について、社会について
この社会はそれを受け止め活かす場を持たない
歳を取った分だけ「使えない」と称される
この価値観は何なんだ?
そのくせ、
人の中にある「子どもの気持ち」すら大切にしない

無名の労働者として
私は生きたくない
いまだに

この社会が私の存在を認めないなら
私はもう「認められたい」と願うのをやめようか?と思う
それは、当初からある帰結
人生脚本でもロケット感情でも何でもいい
私は「この子」を守って生きていく
この社会にそうできる場所がないのならば
私はひきこもるだけだ
無名の消費者として