アザミ嬢のララバイ(2010年)

画像1 アザミ嬢のララバイは毎日放送制作のテレビドラマ。(以下、出典:Wikipedia)仕事から帰宅した大人の女性をターゲットにした、1話完結によるオムニバス形式のファンタジック・ラブストーリー。タイトルは中島みゆきの同名曲から付けられ、テーマ曲にも同曲が採用されている。オープニング・エンディングではドラマのキャラクター・アザミがアニメーションで登場し、心の棘が痛くて眠れず、一度も夢を見たことがない彼女がぐっすり眠れるよう、子守唄となる物語を聞かせる設定となっている。
画像2 いつも彼氏から待ちぼうけを食わされるOLの繭子(田畑智子)は、寒い夜に1人寂しくとぼとぼ歩いていると、謎のテントを発見。PAPILLONというアロママッサージの店?全身黒づくめの青年に渡されたチラシがまさしくそのテントだと気づく。この青年を剛くんが演じています。「あの怖い男の役誰?!」と、話題になった作品「Mother」も同時期ですが、ロン毛でちょっと気持ち悪い役をやらせたら相変わらずピカイチです笑。
画像3 この犬童一心監督が手がけた作品は、オムニバスの第1話目で「秘密を吸う」という何ともエロティックな響きのタイトル笑。何やら怪しげな出来事が今にも起きそう。犬童さんは大好きな監督なのですが、こんなテイストも撮れるんだ!と少し驚きました。
画像4 青年は繭子の冷たい手に触れると、満たされていない心境を見透かしたように優しい言葉で癒し、テントの中に誘い込む。剛くんまだ演技が下手で棒読み風ですw いや、もしかしたらこういう謎めいた不思議青年をちゃんと演じ切っていたからこその〜なのだろうか?いずれにせよ、今の芸風と全然違うことは確か。
画像5 怪しげなテントの中は、キラキラとした装飾やアロマキャンドルで飾られていた。「気持ちいいこと、好きでしょ?」(笑)アロママッサージ店の男性スタッフがこんなこと言ったら、私なら怖くて店を出ちゃうなあw 繭子は傷ついていたから、優しくされたい気持ちが強かったのかも?ストッキングまで脱がしてあげようとしたが、さすがの繭子もそれは拒否して自分で脱いでた笑。しかも足を洗わないでいきなり触るのを気にする繭子を遮って、早速オイルを塗り始める剛笑。
画像6 足裏から徐々に凝りをほぐしていく。この時の手つきがまたエロいのです笑。ドラマの最後にアロママッサージ指導みたいな人の名前が出ていたから、きっと撮影に際してきちんと学んだのだと思います。ここまではまあ普通に終了。施術代はタダにするから、明日も来てくれる?とか言って…一体何が目的なんだ、この青年笑。
画像7 しかし、繭子は次の日またマッサージにやって来るのだ笑。相当凝りと欲求不満が溜まっているのでしょうか。青年は「最近触られてないでしょ、男に?」とまたしても繭子の心理状態を見透かす。昨日は脚で今日はデコルテから背中までの上半身を。だんだん青年の手に溶かされるように、心も開放していく繭子。青年は繭子の首筋に傷を見つけますが、繭子には自覚がありません。一体どこで付けた傷なんだろうか?
画像8 施術が終わり、テントを出るときにコートを着せてくれた青年は、静かにバックハグw いくら寂しくても、マッサージ店のスタッフのこの動きはさすがに怖いわ笑。繭子は戸惑いながらも完全に青年のペースにはまる。いくら「怖!」と思うシチュエーションでも、弱っているときの女性の心理の揺れ動く様は分からないでもない。結婚も視野に入れていた彼氏に距離を置かれる不安、何かにすがりたくてたまらない繭子なのです。
画像9 そして彼氏からまた仕事で会えないと言われ、泣いてしまう繭子は今日もマッサージに来ます笑。そして青年の手のバラのタトゥーと首筋の傷が、繭子の中の遠い記憶をついに呼び起こします。父親にここで待っていなさいとベンチに置き去りにされ、結局戻らなかった。それ以来ずっと誰かを待っているだけの人生だと気づく。青年は回想シーンで繭子に話しかけているので、どうやら過去に既に会っていたことを示唆しているようです。
画像10 3回目の施術でついに青年は繭子にキスします。そのキスシーンはすごく美しい。あり得ないけど笑。この日、繭子は彼氏に別れを告げます。翌日行くとテントは忽然と消えていました。MAYUKOとラベリングされた薄紫の液体が入った瓶…秘密を吸うというタイトルから連想するに、青年のキスが彼女の中に詰まっていた毒(過去の辛い記憶や苦い経験)を吸い出し、繭子は新しい気持ちで前に進めるようになったと私は解釈したのですが、真相はいかに?何ともエロくて不思議な物語です。

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