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青い空とピンクのユニフォーム🌸セレおじ版【Vol.11】

“足に魂、込めました。”

いつ見ても良い光景🌸

2022年4月、当社が行った「エスコートシニア/フラッグベアラー」。
これに参加されたご利用者様のストーリーが、この度、サントリーウエスネス株式会社が主催する『Beサポーターズ!』の人生100年時代の物語大賞というもので表彰されました。

表彰されたのは、上の写真に写るご利用者様です。名前は本間さんとおっしゃいます。御年92歳。

80代まで、大阪市内で奥様と一緒に服の仕立て屋さんをされていました。
職人としての腕がよく、いろいろな企業の方々からも服を作ってほしいという注文を受けていたそうです。
奥様がお亡くなりになってから、当社の小規模多機能ホームをご利用されています。

性格は、職人気質で曲がったことが嫌い、頑として動かなくなるそうですが、反面、一度決めたら必ずやり抜く「強さ」があります。

そんな本間さんが、この春の「エスコートシニア/フラッグベアラー」に参加されました。
小規模多機能ホームのスタッフは一応に驚いたと言います。

なぜか?

上の写真を改めて見てください。スタッフの肩に手を回し、なにか支えられている感じもします。

実は、左足が義足なんです。


10代の頃、疎開先の福島で米軍機による機銃掃射を受けて、怪我を負ってしまったことが原因で、以降は義足とともに戦後の長い人生を歩まれてきました。
また、心臓にはペースメーカーも入れられているので、動くこと自体が億劫で、日がなずっと椅子に座っている状態でした。

だから、小規模多機能ホームのスタッフは驚いたんです。「本間さんがピッチに立つ?!」と。

そのためには「歩く」練習をしなければなりません。
この「エスコートシニア/フラッグベアラー」への参加されるご利用者様、あるいは観戦に行かれたご利用者様は施設内で過ごされているので、あまり「段差のある生活」をされていません。
しかし、スタジアムへ行くということは…「駐車場から歩く」「階段の上り下り」もある上に、「エスコートシニア/フラッグベアラー」の方の場合は待機もあります。
さらに本間さんは足が不自由なので、そもそもの「歩行訓練」が必要です。

そこで、小規模多機能ホームのスタッフが総出で本間さんの歩行訓練を行ってきました。

スタッフが付き添って廊下を往復

写真にあるように、一見簡単そうに見えますが、本間さんにとっては脚と心臓に負荷のかかることなのです。

しかし、この訓練が続くとある異変が…

なんと、本間さん自身が「自主練」をしているんです!
スタッフが促したわけでもなく、本間さんご自身が杖も持たずに歩く練習をされてり、おもむろに立ち上がると屈伸運動をされていたんです。

練習しすぎて休憩中

この姿を見た、スタッフは「本間さんは、本気で成功しようとしている」と感じ、その本間さんの思いに応えたいと本間さんに無理のない範囲で練習をしました。

タオルを旗に、小規模多機能ホームの芝の上をピッチに見立てて、実際にピンクのユニフォームを着て、練習されました。
やはり、廊下での歩行訓練とは違うので、足元も悪く、若干のふらつきはあったものの、練習をされてきました。

ご利用者様の「やってみたい!」という思いをスタッフがみんなで支えて実現させていく――このエピソードはまさしく当社がセレッソと契約した意義を体現してくださっています。

今年、サントリーウエルネスが主催する「Beサポーターズ!」では、『人生100年時代の物語大賞』という表彰が企画されたので、広報部D・白川がこの本間さんのストーリーをまとめて、応募したところ…応募総数85作品中、表彰される5作品に選ばれました。

応募作品のタイトルは…『足に魂、込めました』

この言葉は、92年アジアカップ。広島ビッグアーチ(現エディオンスタジアム広島)でのイランとの対戦。日本は勝たなければグループステージ敗退という危機感の中、カズが放った一撃でグループステージ突破ができました。
その時のインタビューで発した言葉です(実際は「魂込めました、足に」)。その後のカズの書籍タイトルとして使われています。

このゴールです。魂こもっていますね。

この本間さんの底力は、まさに「足に魂込めました」という心境だったと思います。

「魂」とは、本間さんの「歩きたい!」という強い思い、そして、ここまで支えてきた小規模多機能ホームスタッフ全員の思いが混ざり合ってできた「魂」。その魂が、4月9日に結実したのだと思います。


当社では、このセレッソとのプロジェクト名を"Walk On"と名付けています。

Walk On…歩み続ける。
ご高齢になりながらも、歩みを止めずに歩き続ける。人生は立ち止まることはできないのです。
ならば、日がなぼっと過ごすよりも、なにかにチャンレンジすることで、日々、イキイキ・ワクワクしたほうが“活きている”と思いませんか?

サッカー、セレッソの魅力、感動、興奮を感じてもらい、「また次の試合も応援しよう!」「今度はスタジアムで応援したいな」と思ってもらえたらと考えています。

「経営理念の具現化」を目的とした、「エスコートシニア/フラッグベアラー」の取り組み、さらには本間さんの“魂”を評価していただけたことが、何よりです。

また、この「エスコートシニア/フラッグベアラー」という貴重な機会をいただきましたセレッソ大阪、ならびに我らがDJ・西川大介さん、本当に感謝しております。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

また、Jリーグが日本に誕生してくれたことも、このチャレンジの大きな要因となっています。

Jリーグ、日本に生まれてくれて、ありがとう!

この賞に甘んずることなく、さらに理念実現に向けて邁進してまいります。

こんな立派で、メガホンを模した、“Beサポ”らしいトロフィーと盾がもらえるだなんて📣

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