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workAtion vol.3 岐阜・富山を編集する旅


こんにちは!
エイプリルのコピーライター鈴木志保です。

workAtion、第3回目を担当しました!
まだ札幌は肌寒さが残る5月の連休明け、
メアラシさんがバーンと引き当てたのは
「白川郷で郷土料理を堪能し、北海道とは違った雪国の見せ方をみつけてらっしゃい!」。

そんなこんなで行ってきました、岐阜と富山3泊4日の旅。

事前に設定したテーマは「岐阜と富山を編集する旅」です。

きっかけは私が所属する札幌コピーライターズクラブ(通称SCC)で毎年開催しているSCC審査会において、初めて審査員を務めさせてもらったことでした。
その場で考えたことを編集して、求められている言葉でアウトプットすることがまだまだ自分は苦手だと感じて(ちょっぴり落ち込んで)いました。

広告やコピーが大好きなので、本を読んだり誰かの話を聞いたりするのは意識的にしてきたけれど、ずいぶん内向的な勉強の仕方だったなと反省。

そんな折に、ワーケーションというチャンス!

最終的なアウトプットを考えて頭の中で情報を整理しながら街を訪れたり人に会ったりすることは、編集の練習になるのではないかと思いました。

というわけで気分はさながら編集長で!
workAtionレポート、お付き合いください!




「発見」を探しに。

突然ですが、読んでくれているあなたにとって
「充実した旅」とはどんな旅ですか?
感動の景色を見られたり、
おいしい料理やお酒を楽しんだり、
リゾート空間で非日常感を味わえたり。
「充実感」は人それぞれ。だから誰かの旅の話はおもしろいですよね。

では私の場合はどんなことに感じるのか考えてみます。例えば、
SNSでは調べられなかったその街の魅力を寿司屋で教えてもらったり、おもてなしの根源を考えさせられたり、哲学の見せ方にう〜んと唸ったり、自分の凝り固まった思考に気付かされたり。
訪れた場所や話した人から「発見」がある。私が旅に求めるのは、そんな好奇心を刺激してくれる出会いなんだと思います。

だから今回の岐阜と富山の旅では「伝えたいものがある場所・人」のところへ。遠慮は捨てて、いつもより少しだけズカズカと。出会いを求めて突き進むことにした、私の旅をまとめてみました。


ep1 「地元のことは、寿司屋に聞け」説を確かめに  -富山市/寿司正-

新千歳空港から富山きときと空港へ降り立ち、さらにバスで移動。最初の街、富山市の富山駅に到着!

2015年に北陸新幹線が開通したばかりだからでしょうか。富山駅は新しくてキレイでした。そして市民の足は市電とバス。市電が駅の構内に接続していて、独特の雰囲気がありました。

どんな街なのかな〜とワクワクしながら、目的地 寿司屋へ向かいます。

富山の街中に突然姿を現す富山城。
いい感じに昭和な商店街へ。

SENGOKUMALL(センゴクモール)という古い商店街へ。城を見た後だったので「戦国!?」と思ったら漢字違いで「千石」でした。富山藩の「千石御蔵」という蔵があったことが地名の由来だそうな。もうそれだけでお米美味しそう。
開拓の歴史が浅い札幌で育った私は、本州のまちの地名や街並み、地形から歴史の跡を探すのが大好きです。

本日最初の目的地「江戸前 寿司正」に到着!

事前の予約でランチはラストオーダー13時と伺ってましたが、飛行機の時間的にギリギリになってしまうかもしれない、と電話で伝えたら「待ってますので、ゆっくりいらしてください」と温かいことば。

普段はネット予約で済ましてしまいがちですが、こういうコミュニケーションが大事だよなと、着く前からすでにお店のことを好きになっていました。

お客さんは私一人。カウンターへ。
(きっと待っててくれたんですね・・・)
福助が「お前何モンや」と言わんばかりにこちらをじっとり見つめる。奥の方に大将、板場には息子さんが立っていました。

観光っぽいけれど「富山湾鮨」を注文。

きゃ〜〜〜!!!
富山の形したお皿に、うまそうすぎるお寿司が10貫。ひとつひとつ丁寧にネタを説明してくれましたが、北海道では聞きなれない魚の名前に興奮も相まって全然聞き取れず。。

食べながらもう一度聞いたら、こんなリーフレットを見せてくれました。

聞けばこの「富山湾鮨」、富山中の寿司屋で提供しているんだそう。ネタはそれぞれの店舗によりますが、地魚を使っていること・富山県産のお米を使っていることが共通のルール。新幹線開業のときに鮨を観光の目玉にできないかと大将が発起人となって県庁へ提案し、実現したとか。パンフレットにも大将が写っています。

それから寿司正のネタはほとんどが富山産。毎日のように氷見の漁港で仕入れているんだそう。先ほどの写真右下の炙ってある「カマス」という白身魚と、その隣の「白エビ」もはじめまして。目がかっぴらくほど美味しかったです。

富山のいいところを聞くと、「最近になっていいなぁと思えるようになったのは、街から立山連峰がきれいに見えることかな」と素敵な答え。
この日はあいにく雲が低くてきれいに山並みが見えなかったので、富山市のサイトから画像をお借りしました。

素敵!!

北海道から来てこれから白川郷へ向かうことを伝えると、最近の富山の観光客の状況や、黒部地区にインバウンド需要が増えていること、国内観光では西の方・高岡市や南砺市が流行っていて自然とお酒、工芸品も盛り上がっていること。ついでに最近流行っている岩瀬での呑んだくれコースや市内の日本酒がうまい居酒屋まで。SNSでは探せなかった情報をたくさん教えてくれました。
早くも富山滞在1日では足りなかったと後悔。

やはり旅は寿司屋から始めて、2日目からの予定を空けておくのがおもしろいかもしれない。

「地元のことは、寿司屋に聞け」説は、私が北海道で勝手に唱えていた説で小樽や白老、函館、紋別なんかで試してきたけど、富山でも実感。寿司屋の大将は、地元の食を守りながら、カウンター越しのお客さんを通して地域の移り変わりや今を見つめているのだと感じました。


ep2  AMAZING TOYAMA  -富山〜白川郷-

心もお腹も満たされたので、いよいよ今回の旅のミッション白川郷へ向かいます。移動手段に選んだのはレンタカー!

白川郷を周遊するには、バスを使うのが第一手段ですが、時間の制限があったり途中下車できなかったりするのでのんびり車で行くのがいいかなと考えました。

移動ルートは3日間でこんな感じ。総距離およそ263km。

注目は、富山市から白川郷までのぐねぐね道。今年の2月、実はお仕事で金沢〜南砺市のあたりまで車で来る機会があり、その時に通ったこの道、どうしても自分で運転してみたかったのです。。
というわけで高速道路も通っていますが、迷わず一般道で!

Googleマップは見知らぬ土地でも遠慮なく副道へ案内してきますよね。
こういうのが見たかった〜な風景。

のどかな風景が続いた後、徐々に山の中へ。みっちりした緑の中にダムがたくさんありました。古いコンクリートが要塞感を出していて、かっこいい風景だった。

ふと思い出したのが、空港で見かけた言葉。

数年前にこのコピーを使ったキャンペーンポスターがポスター展の賞を受賞していたのを思い出して写真に撮っていました。

このコピーの目的は、「AMAZING TOYAMA」をフレームに、生活の些細な一コマが素晴らしいもの・景色であることを住民に再認識してもらい、町・県への愛着や誇りを抱いてもらうこと。

私はこんな風景にAMAZINGと思ったけれど、サイト内で公開されているポスターデザインを見ると、この風景の中に住む人たちのAMAZINGも素敵!

広告が生まれる過程を体験できたようでとても勉強になりました。


ep3  世界遺産のおもてなし -白川村/白川郷-


2時間ほどのドライブでこの日の宿「民宿 きどや」に到着。

せっかくだから合掌造りの家で現地の生活を体験したいと思い、合掌民宿を選びました。集落から少し離れたところにはホテルやコンドミニアムもあるけれど、世界遺産の中に泊まれるのはおそらく合掌民宿だけ。

玄関!
お部屋!!
食事の間!!!

想像よりずっと昭和だった!!!

きどやは女性ふたりが切り盛りしている民宿。お料理からお部屋のセットまで忙しそうだけど、暖簾の向こうから賑やかな話し声と家事をする音が常に聞こえてきて心地よかった。

お客さんは私のほかに、東南アジア系の5人家族だけ。

最高だと思ったのは、お母さんたちのおもてなしでした。

女将さんは家族が到着するなり、早口の、はっきりとしたカタカナ英語で、ファミリー!?とヒアリング。(たぶん家族はちょっとたじたじしていたけれど)お父さんが代表してイエス!ファミリー!と答えてました。
そのあと施設の説明に連れ出し、
2ルーム!ユカタ!
ワン、ツー、スリー、、ファイブ!!
ネクスト、トイレ!バスルーム!
ディスルーム、ディナー!オッケー!?

最終的に家族みんな揃ってオッケー!と答えていました。
なんだこれでいいじゃないか、ここでは等身大が嬉しいんだ、とハッとしました。ソファに座って最高級茶葉で淹れたウェルカムドリンクを飲んでもらうのもおもてなしだけど。ルーム!トイレ!オンセン!ようこそ!もこの村に滞在する意義の一つになっていると納得しました。

だから「展望台が歩いて20分くらいのところにあるから行ってみたら?夕食は18時だから1時間で帰ってきてね。」と促され、箱根駅伝ばりの急斜面を20分歩くことになっても、それもおもてなし。私は嬉しかったです。。

夕食はいろりのある部屋で名古屋テレビを見ながら。

このあたりの郷土料理が御膳になっていて、美味しかったです。どれも手作りの味。魚はイワナ、お鍋の中には飛騨牛、漬物や豆腐、どぶろくも白川産。

お腹いっぱいになって、温泉に入って、22時には消灯のルール。窓の外のけたたましい蛙の声と、それに対抗する外国人家族のいびきを聞きながら眠りにつきました。

20分坂道を登って見られた景色。

翌朝は白川郷を散策。
いまでも合掌造りの家で生活している人は結構いて、生活することで文化を守っています。自分の田んぼで育てた米と畑で育てた野菜で自給自足生活。

途中、観光にやってきた車を捌きまくる交通整備のおばあさんに話しかけてもらった。最近中国からのお客さんにチップをもらったと嬉しそうに話していて、年齢を聞くとなんと81歳。炎天下なのにとても元気そうでした。

白川郷で働く女性たちはハキハキとした元気な声で話す方ばかりで、かつての養蚕産業や、村のみんなで助け合う「結」と呼ばれる精神を守ってきたたくましさを感じたような気がしました。

最後に、世界遺産・白川郷にデザインって必要なのだろうか、と歩きながら考えていたら、こんな顔はめパネルが。

誰も近付いていなかった。
これが答えなのかも、、と白川郷を後にしました。


ep4  哲学の見せ方  -高山市/HIDA高山店 森と暮らしの編集室-

次の目的地、高山市へ。
高山市で楽しみにしていたのが「HIDA」。1920年創業 100年以上の歴史を誇る飛騨の老舗家具メーカーです。ここは一番大きなショップで、ショールームとアウトレット、カフェがあります。

ショールームの壁には、HIDAのコンセプトが。見せ方がかっこいいし、ステートメント文もゾクっとするストーリー。

ここでとても勉強になったのは、商品の魅せ方です。

一部の展示にはモニターが付けられ設計者が語り手となり動画で伝えていました。展示方法やブランドブックなどのクリエイティブで伝えるもの、哲学そのものに共感してもらうもの、それぞれ役割が明確ですごく考えられた展示に見えました。

哲学をどう見せるか、この旅では何度もそんなことを考える機会がありました。

このあとホテルにチェックインして、高山の観光エリア「古い街並み」を散策。ノープランのまま飛び込みましたが、地元のバーの店員さん、隣で日本酒を飲みまくるお姉さん、喫茶店のおじさまおばさま方に、高山の美味しいものや町のあれこれを教えてもらい楽しい高山の夜と朝でした。


ep5 愛着も伝承している -飛騨市古川町-

3日目は、高山から車で30分ほど、隣町の飛騨市へ。

飛騨の中心部で、飛騨古川と呼ばれる古川町。注目したのは、2軒の酒蔵です。飛騨高山地方は、北アルプスからの伏流水が豊富なおかげで、高山市には7軒、飛騨古川にも2軒の酒蔵があり、どれも100年以上の歴史があります。中には400年続く蔵も。

かたや札幌にはかつていくつもの酒蔵があったといいますが、今は老舗酒蔵が1軒のみ。この地域ではどのように蔵が長生きしているのか、調べてみようと思ったのです。

まず向かったのは後藤酒店。

お店の外にも、中に入ってからも、びっしりと古川の渡辺酒造・蒲酒造のお酒が並んでいました。というか商品はほとんど地元の酒。明るくて気さくなお母さんと娘さん、お二人がお酒をおすすめしてくれます。

最近函館旅行を満喫したそうで話はとても盛り上がりましたが、ここは場所柄観光客も多いようでなぜ地酒が継続しているのかまでは聞き込みできず…。

お向かいにある渡辺酒造を見つつ、その先の蒲酒造へ向かいます。

ここで話を聞いて印象的だったのは隣の渡辺酒造のことを「蓬莱さん」、蒲酒造のことは「白真弓さん」とお酒の名前で呼び合っていたこと。ところが「地元の人が地元の酒を贔屓にするのは昔から」と、ここでも有益な情報は聞き出せず…。

どうしようかと、休憩のつもりで入った「飛騨古川まつり会館」で、答えではないかもしれないけれど、腑に落ちる発見がありました。

前日の高山で出会ったビアスタンドのマスターも話していたけれど、古川の人々にとって地元の誇りといえば「古川祭」。2016年ユネスコ無形文化遺産に認定されてできたのがこの会館・ミュージアムです。正直、北海道にしか住んだことがない私は、祭りを舐めていました。。

一年に一度の、町中を巻き込む盛大なお祭り。大きな山車と、細かな装飾。小学生も中学生も、男たちも女たちも、みんながその祭りに関わっているんですね。
山車の上で人形浄瑠璃を披露したり、太鼓を叩いたり、ぶつかりあったり。荒々しいけれど厳かな感じもする。出演者はすべて町民。このつながりの深さがきっと地元への愛着になっていって、酒蔵や伝統工芸も続いているんだと感じました。

展示の最後に、こんなコピーのような言葉が。
動画だったのでここでは切り取りですが、もっとたくさんの声がコピーになっていました。

ちょっと悔しいけれど、飛騨古川にあって札幌にないのは、地元への愛着かもしれないと私の中で結論づけました。


ep6 ものづくりと言葉 -高山市/やわい屋-

古川から車で10分ほどのところ、のどかな田んぼの風景の中に、やわい家という民芸品を置くお店がありました。

ちょっと変わった民芸屋といっても嘘ではないはず。真ん中に売り場、横にギャラリー、2階には私設図書館があります。

促されるまま2階へ上がると本棚には民俗学の(たぶん)マニアックな本がたくさん。デザインやなんとコピーライターが書いた本も。

手間にはソファや畳の場所もあって、読書には最高の環境。

店長の朝倉さんに聞いたところ、民俗学に関心があり勉強するうちに家に本が山積みに。でも売ってしまうといざ読み返したいときに困るので、お店で貸し出すことにしたんだそう。シンプル、いや、真っ直ぐな理由!!
本に書いてあること(つまり過去の記録)から多くのことを学んできたので、自分も本や作品を通して後世に伝えなくては、と話す朝倉さん。それがやわい屋の使命でもあるんだそう。

ちなみにやわいとはこのあたりの方言で準備とか支度という意味。何か変化が起こる前の段階をここで体現したかったと教えてもらいました。

さらに「ものづくりは、自分の哲学を言葉にできる人が目立てる。いくら前例のないものを作っていても、どんな哲学のもとにできているのか言葉にできなければ伝えられないし作品も意味をもてない」と話していたのが印象的でした。

ロゴもすごくよかった。

作家さんにとって、いまはSNSなどに一瞬のチャンスが転がっていて「バズる」ことで一気に世に知れ渡ることがあるけれど。やわい屋のような場所で、自身の哲学を丁寧に伝えてもらえるのは、とても嬉しいことなのではないでしょうか。そして受け取る側の私たちにとっても、すごく有意義な場所だと感じました。


ep7 総曲輪に人を惹きつける店主 -富山市/林ショップ-

富山に戻りレンタカーを返し、ホテルにチェックイン。荷物を置いてまず向かったのが「林ショップ」です。
事前調査で、富山のおもしろい人を探していたところ、この民芸店の林さんを発見しました。

総曲輪(そうがわ)という、古い商店街に新旧のお店が混ざり合っていてカルチャーを感じる場所。最近面白い地域と正寿司さんも言っていた場所でした。寺院の敷地の店舗を間借りしていて、青い屋根の左が店舗、右がギャラリー兼店舗。

この日は仕入れの直後だったのでギャラリーにも商品が。

お店に入ると、おそらく地元の若いクリエイター?2人がイベントのフライヤーを持って、林さんに話しかけていました。とっても丁寧に話していたから、憧れの人か何かなのかもしれない。

二人が帰ったら林さんが声をかけてくれたので、すかさず聞き取り。林さんは鋳物作家として活動する傍ら、ここで民芸店を経営して13年。元々は歴史ある民芸店だったところを、富山市出身の林さんが縁あって引き継いだとのこと。

実はこのお店、寺院の敷地内にあるという変わった立地。この林ショップからおしゃれなコーヒーショップと古本屋が2軒、骨董品店もならんでいて、文化を感じる雰囲気のいい場所です。骨董品店は古いお店だけれど、そのほかのお店はここ数年、林ショップのあとに出来たんだそう。

絶対みんな、林さんに引き寄せられて集まってきているに違いない。ひょっこり北海道からきて、急に質問しまくる私にとっても親切にいろんなことを教えてくれる人柄なのだから。富山の民芸から、世界の民芸、札幌のショップ、富山のグラフィックデザイン、おすすめの飲み屋さん。1時間は立ち話していたかも。

やわいやの朝倉さんもそうだったけれど、作家さんにとって作品を人に伝えるには言葉が必要で、それを林さんのような信頼のおける人に託しているのだと思いました。これも伝える仕事ですね。

たくさん教えていただいた中から、広島・尾道で吹きガラスの工房を持つ西川孝次さんの酒器を買いました。地酒も買って、旅の買い物は100点!!


ep8 富山の広告たち -富山市内-

テカテカ反射してごめんなさい

最終日の朝。
富山の駅を歩いていると、ポスターが多いなと感じました。しかも、古本イベントとか、おそらく小規模のイベントにもお金をかけてポスターを作っている。

そういえば林さんが富山では「世界ポスタートリエンナーレトヤマ」という世界的なポスター展が数年に一度開かれていることもあってグラフィック広告はみな力が入っている、と教えてくれたっけ。ルーツは「富山の薬売り」にあるとかないとか。

ポスターを眺めながら市電に乗り込み、富山最後の目的地「富山ガラス美術館」へ!

かっこいい・・・!設計は隈研吾さん。外観はもちろんのこと、中もスタイリッシュでした。地元の小学生や幼稚園児がひっきりなしに見学に来ていました。こんな施設が幼い頃から身近にあるなんて羨ましい!

そして打ち合わせのために入ったカフェでふと窓の外を眺めると。

広告のある風景がなんとも素敵でぐっときました。もう少し富山の街を歩いてみたい、街中の広告を見つけたい!と思ったときにはもう帰りのバスの時間。後ろ髪ひかれながら、富山空港へ向かったのでした。


おわりに

岐阜と富山、3泊4日の旅。とても充実した旅になったと自負しています。
冒頭で述べたように「発見」がすべて楽しくて、常に知的好奇心が刺激されていました。

それはきっと、教えてくれる人がいるからだと思います。
パンフレットやインターネット、SNSでも情報はたくさん得られるけれど「飛騨の匠」のルーツが聖徳太子の時代まで遡ることも、高山では豆腐ステーキがポピュラーなことも、古川出身の演歌歌手がいることも、きっと調べられないはず。取材って本当におもしろい、と改めて思いました。

そしてもう一つ、今回の旅で常に考えたのが「伝える」仕事のこと。
今回出会った民芸店の店主さんたちも、家具メーカーの方たちも、もしかしたら世界遺産で民宿を営む女将さんたちも、寿司屋の大将も。伝える手段や表現はたくさんあって、コピーライターの自分が「言葉」という手段に縛られていることを反省しました。
相手を説得させる言葉ではなく、「伝える」「共感してもらう」表現を。

おしゃべり好きな岐阜と富山の人たちに教えてもらいました。

素晴らしい機会を作ってくれた会社とこの企画を一緒におもしろがってくれるエイプリルのみんなに感謝です。

次のworkAtionは4人目、デザイナーの大橋さん!
旅のレポートが楽しみです〜。

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