あるけど無かったもの
いくら草むらを歩いても、ポケモンは現れなかったし、忍たまでも無かった。マホウ堂も見つけられなければ、選ばれし子どもたちでもなかった。家に書斎が無ければ、封印されたカードも無かった。11歳、ホグワーツからの手紙は、誕生日を過ぎても、階段下の物置に籠ってみても、届かなかった。憧れを胸にスターライト学園に編入することも無ければ、ドリームアカデミーのドアも叩かなかった。
そもそも吊り橋は叩いたりなんだりひとしきり試してみても、結局は渡らないタイプなのだ。
空から女の子が落ちてきたり、ロボットと一緒に落ちてきたりもしなかったし、世界は滅びそうもない。タイムリープはできないし、幽霊だって見えない。
チャクラも無ければ、ナルニア国の王でも無い。
何も叶わなかった。憧れた世界は、あるけど無かった。
生きてるだけで足手まといだから、いつも本当に、そう思っている。こういうこと言う人苦手です。だから自分が嫌いです。
だけど、世界の愛を信じています。温もりを信じています。自分が嫌いだけれど、投げ出せないものがあるから、なんとか温もりのある、丁度良い相応しいものを遺そうと、瞬間を生きているを
いつまで生きれば良いのだろうか。
投げ出せないのは投げ出したくないから。許さないから。
今も信じている、あるけれど無いものたち。
無いけど、あるから。いつも丁度良い距離感で、寄り添ってくれている。
そんなものを遺したい。