見出し画像

真冬の監禁現場から

どうすればここから出られる?

パジャマ姿で何分も悩んでいるのが僕だ。

…あ!いま何時?会社!

監禁されている時に遅刻を気にしてしまうのは情けないが、それが僕なのだから仕方がない。

行く手を阻む網ガラスを割るか?

いいやダメだ。

他にも脱出の方法を考えたが、ケガと後処理が気になり踏み出せない。

クソ!

助けを呼ぼうにも人が通る気配もない。

手足が冷たくなってきたが、どうしようもないので歩きながら脱出方法を探る。

とにかく寒い。真冬なのだ。

遭難者もこんな気分になるのだろうか?

そんなことを考えてしばらく。

「兄ちゃん!今、助け呼んだからな!」

おじいさんが声をかけてくれた。

「寒いやろ!ちょっと待ってな!」

パジャマ姿で監禁された僕を見て、カイロを持ってきてくれたのだ。

「あかん!兄ちゃんゴメン!無理やわ…」

僕が監禁された場所は高所だった。

カイロのように小さな物であっても受け取ることが困難なのだ。

身体は寒いが、心は温かい。

そんな時間がしばらく続いた。

ガチャ!

ガチャ!

ガラガラガラ~!

「なんでベランダに閉じ込められたんですか?(笑)」

目の前に半笑いの管理人さんが立っていた。

ですよね!!!

出社準備の前に洗濯物を干していたのだが、そのことに気付かぬまま窓のカギを閉めて妻が出社してしまった。これが真冬のベランダ監禁事件の真相だ。

実は見知らぬおじいさんの前に、僕に気づいてくれた方がいる。ベランダ正面に見える一軒家のおばあさんだ。

震えながら「ベランダに閉じ込められまして…」とアホみたいな説明を聞き、顔見知りだった1Fのおじいさん夫婦に声をかけてくれた。そこから数駅離れた管理人さんに連絡がいき、助けられたというわけ。

その間、おじいさんが何個もカイロを投げてくれたが、すべて2Fのベランダに吸い込まれる結果に(笑)カイロを回収するため、2Fの方に事情を説明した時の恥ずかしさを今でも覚えている。

窓を割るのは飼っている猫がケガをする恐れもあるし、後処理が面倒。ベランダの仕切りを破ることも考えましたが、お隣も既に出勤しているから意味がない。となれば、たかが3F!パイプをつたって下に降りれば…と考えたものの、家に入る方法も妻への連絡手段もない。何よりこんなことでケガをしたくなかったので却下。

そんな真冬のベランダ監禁事件

本当にバカバカしいけれど、誰にでも起きうる話ですのでお気を付けください。

今日の点取り

画像1

え?ノーベル文学賞!?ライターに転身しようかな…お仕事お待ちしております!

しかし「#一駅ぶんのおどろき」というタグを見て書いたものの1000文字程度って難しい。というか「おどろき」が難しい!

人生で1番おどろいて心臓バクバクで死ぬかと思った体験…

こっそりAVを観ようとイヤホンつけて再生したら、音量MAXでドカーン!!!

これしかないんですわ…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?