見出し画像

ロンドン回想②夫婦で6ヶ月ロンドンに住んでみた

(この記事は2020年11月にイギリスにいたときのことを思い出しながら、妻が書いています)

前回ロンドンで家探しをして入居した記事を書きました。

今回は入居中の思い出について書いていきます。

個性豊かな入居者とのFlat生活

前回の記事で少し記述しましたが、今回はこのご近所さんたちとの話になります。

まず1階に4部屋
- 犬を飼ってる男性(わんちゃんがかわいい)
- 30代くらいの独身女性(後述するやばい人)
- 中年くらいの女性(親切)
- 裏庭側に住む老夫婦(おしゃべりが好き)
階段の折り返しの中2階に1部屋
- お子さんと住んでる家族(よくお子さんと散歩してる)
我々が住む2階に3部屋
- 私たち
- 40代くらいの女性(フレンドリー)
- そしてお孫さんをよく家で預かっているおばあちゃん(超フレンドリー)

前回の記事より

入居直後、我々は夜中の火災報知器事件で顔を合わせていますが、
妻は爆睡だったのですぐに全員とは会えていません。
ですが、2階の両隣に住む女性たちとはすぐに仲良くなりました。

おばちゃんたちと謎の部屋

入居して数日後、最初ノックをされて2階に住むおばちゃんがうちに訪れました。(私はその時クレイマスクとパジャマでしたが気にされてない様子)
おばちゃん「隣のドアに鍵がついてるけど大丈夫?」
妻「あ、うちのじゃないので大丈夫ですよ。なんか入居時からついてました」
おばちゃん「それならいいけど、下の階の人、共用部にあるもの盗んだりするから気をつけてね..」
そんな会話してる頃に夫が遅れて出てきて
夫「なにかありましたか?….Oh..」
 (私の顔見て、Body shopのクレイマスクにドン引きする)
おばちゃん「隣のドアに鍵があったから来ただけだよ、大丈夫」
夫「なるほどです。..ところで、このドアってなんなんでしょう?」
それもそのはず、間取り的にそのおばちゃんの部屋と私たちの部屋の間にあるその鍵がついたままのドア、物置かそれくらいしかサイズがなくて、どうも人が住んでいるとは思えないのです。
我々はその場でなんだろうね、物置かななど話して、その晩は解散しました。

その後も、もう1人のおばあちゃんも含めて井戸端会議することもあり、
下の階のやばい人にAmazonを盗られて受け取れなかったとか、
カードとか重要な手紙は必ず受け取れる日に設定しないとだめだよ、とか
サバイバルアドバイスをもらったりしました。
このAmazon受け取れずに苦労したおばあちゃんはうちの荷物を見つけたら下のヤバい人に見つかる前に届けてくれたりとっても優しくしてくれてたのですが、預かっている赤ちゃんのオムツを外のゴミ箱に窓から投げ入れる人だったのでFlatの庭はよくオムツが落ちていました。
(うちの窓からよくオムツが飛んでいくのが見えた)

話は戻り、私たちの部屋のベッドは隣の物置のようなドアの隣にあったのですが、たまにそこを歩く音が夜中に聞こえてきました。

不思議におもっていたある時、管理会社から派遣された物件各部屋にレーザー測量系を持った測量士が訪れ、各部屋の測量をするということになりました。(当時リモートワーク中の私たちの家も測量されていきました)
測量士「隣の部屋も見ていっていいですか?」
私たち「隣の部屋はよく知らないんです。たまに音がするんですけど鍵はついているので見に行けると思いますよ」
測量士「なるほど、ちょっと見てみますね」
好奇心で測量士が開けたドアを見てみると..そこにはなんと最上階に続く埃まみれの階段が!
え!どういうこと・・?

その数日後の夜、またまた2階では井戸端会議。
測量が終わった後、ポストに入れられていた手紙によると、
各部屋の間取りが不動産屋のサイトにアップされてるとのこと。
なぜかおばちゃん達の部屋を見せてくれるルームツアーに。
(その時間が悪く私がシャワー中でお二人の部屋を見せて回った後でシャワー上がりに濡れた髪で合流。)
夫「どうやらこの扉は上への階段で、最上階に部屋があるみたいなんですよ」
おばあちゃん「あ、そうなんだ。確かに、数年前にアジア人が住んでたんだよね。」
しばしの談笑後、突然

おばちゃん・おばあちゃん「じゃ、いってみよっか」

突然の真夜中インディージョーンズが始まってしまいました。
(もしくはホーンテッドマンション)
もちろん電気は付いてないので、スマホのライトを頼りに階段を登ると、
屋根裏部屋として通常の部屋よりもだいぶ広いベッドルームやキッチンなど複数の部屋が。
しかもところどころ古い家具が置いてあるのがすごく怖い。
(おばあちゃんが古いラジオをそっと持ち帰っていたけど我々は何も言わなかった)
キッチンは古い電気が通っていて、なんだか生活できちゃいそうな雰囲気さえ。
前に住んでいた人はコロナの頃引っ越しをしたんだよね、などおばあちゃん達が話していました。夜逃げくらい生活感残してない?
最後の部屋まで行くとまた隣に降りる階段が。
一体どこに続くんだろうと不思議に思いながら降りると中二階のご家族の家の隣のドアでした。
え、どういう造りしてるの..?謎すぎる。。
小学校以来の肝試しの気持ちで大人4人で夜中にはしゃぎ、
ふと、たまに聞こえる足跡ってなんだったんだろうと思ったりしたけれど
あまり考えずに寝ることにしました。

狂った女性と強制退去

前回の記事の最後に、1階にはやばい人が住んでいる話を書きましたが、
おばちゃんたちが言っていたように、この人は本当に届いたものをかっぱらっていくようで、
うちもAmazonで注文したマウスが届かず、優しいAmazonによって再配送してもらったりしました。
井戸端会議によると隣のおばあちゃんは高額な商品でそれが起こったらしく、「AmazonにBanされた(アカウント停止?)」と話してました。。

住んでいるFlatはそれぞれの部屋の郵便受けがなく、全員の郵送物が一つの郵便受けに来るのですが、そのやばい人宛には督促状のようなものがよく届いていて、「なんでこの人自分の手紙取らないのに他人の荷物盗るんだよ」とおこでした。

それでも実害は少ない方かと思っていたのですが、
日本の会社の先輩から年末にうどんを送っていただいたのにそれが届かなかった時には本当にショックで、
不動産屋に日頃の騒動と合わせて連絡を入れました。
我々のメール「Amazonや日本からのEMSも届かないし、夜はうるさいし、注意いれてもらえないでしょうか。」
不動産屋「本当に災難でしたね。。あの人は裁判所から退去通知が出ているのでもう少しで退去するはずです。」
え、あの人そんなにやばいの?

しかし、なかなかその退去はぐずぐずしていたようで、
だんだん引っ越し準備はしている様子なものの、数週間ずっと夜中の騒音などが続きました。
騒音がひどすぎて、いつか大きな事件になるんじゃないかと、就寝前にwebカメラを設置するようになりました。
夜中になるとその女性宛に遊びに来てる輩みたいな人(男性が2-3人)がドアベルを鳴らして中に入ろうとするんですが、
1回許してしまうと、この番号押せば入れると学習してしまうので、
徹底的に居留守を決め込みました。
(うちの実家の近所にたむろう猿も同じように威嚇してます。
 ナメられると奴らはどんどん悪さをしていくので。。。)
そのうち、住居者全員がそのようにしていたらしく、ドアに体当たりして強行突破するようになりました。(セキュリティとはなんなのか)
鍵がバカになって鍵かけて帰れなくなるなどもありました。
(セキュリティとは..)
住民は日々の夜中の騒動に毎日うんざりでしたが、そろそろ退去するらしいぞ、とみんないまかいまかと待っていました。

ある日家に帰ると、家の前に物がたくさん置かれていて、
"Moving sale!"と書かれていました。
家具は大体壊れていて、通学中の高校生が何かあるかと見に来て壁に立てかけられた本を見てましたが、聖書か何かの宗教本でした。
家に入るとたまたま女性と取り巻きの男たちがいて、
やばい女性より「モバイルチャージャー持ってない?」と聞かれました。
こんな人に渡したら最後、返ってくるわけありません。
持ってないんだよね〜と濁す私たち。
「ケーブルでいいのよ、iPhoneの!」など食い下がって言われましたが、
苦笑いしながら自分の部屋に戻りました。
ちなみに、君うどん持ってる?って聞けばよかったと後悔。

その夜、夫婦で酷い風邪をひいてしまい、高熱でうなされている中、
今世紀一くらい騒音が夜中から朝方まで続く日となり、
熱や頭痛に加えた不協和音で気が狂いそうになりました。
その日の朝、寝不足で起きると住人や不動産屋の車が入口に泊まっていて、
昨夜(というか早朝に)1階の狂った人が夜逃げしたことがわかりました。

1階の当の部屋はひどく荒らされてガラスやなにか砕けた瓦礫が無数にあって、足の踏み場もないくらいに荒らされており、
喧嘩の後のようにドアが壊れた冷蔵庫とか、使用済みのブラジャーとか、がらくたばかりが残されてるだけで、
不動産屋や他の住人が中に入って見回していました。
もちろん日本から送られたうどんやAmazonのマウスは見つかりませんでした。。
他の住人によると、「コロナで家賃の免除が一時期あったのもあって、あの人は最初の1-2回しか家賃払わずに住んでたらしいよ」(本当?!)

この日を境に悪夢は終わるかと思いきや、事件はつづく。
夜逃げの数日後、彼女は私たちが帰宅の時を狙って現れて、
「郵便取りたいから!」と一緒に入れてくれと言ってきました。
裁判所からの手紙も無視する人が必要な手紙ってなんやねん。。
怖すぎたのでごめんごめんといいながら締め出しました。

他の住人も同じ対応だったようで彼女はついに強行突破へ。
自分の元居住部屋に石を投げて押し入ろうとしたそうです。
老夫婦のおじいちゃんが「クレイジーだ」と怒ってました。

その後彼女が目当ての郵便を取れたのかはわかりませんが、
事態は徐々に収束していき、
問題の部屋は不動産屋のクリーナーが入り、
Flat全体も平穏になっていきました。

そして私たちも退去の時期に…

夫がビザなしで滞在できる6ヶ月も残り1ヶ月となる頃、
私たちはそれぞれ次の準備をし始めることとなりました。
夫はスペインへ、私は引き続きロンドンで別のFlatを探します。
さて次回は退去編、引き続きお楽しみに。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?