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019. アートゲイト荻窪2020

 文化庁新進芸術家海外研修制度という制度がある。
制度の概要は以下文化庁のHPからの転用です。

 文化庁では、新進芸術家海外研修制度として美術、音楽、舞踊、演劇、映画、舞台美術等、メディア芸術の各分野における新進芸術家の海外の大学や芸術団体、芸術家等への実践的な研修に従事する機会を提供しています。・・・(中略)令和3年度末までに、約3,700名が研修をしています。

 私はこの制度を利用させていただき、スペインへの渡航を延長して、スペイン人建築家の元で「研修」をしたのである。
 2019年、本制度OBの先輩建築家:堀川秀夫さんにお誘いいただき、氏が経営される「スパイスミュージアム」がある「荻窪教会通り商店街」で、コロナ下で集客に苦労されている商店街を活気づけようと、同商店街活性化プロジェクト「アートゲート荻窪2020」を開催。その実行委員として参画することになった。

2020年のアートフェス点景:アートゲイト荻窪2020-プロローグ展- 作品集 P19,20
アートゲイト荻窪2020-プロローグ展実行委員会
アートゲイト荻窪2020-プロローグ展- 作品集 見開き部分
アートゲイト荻窪2020-プロローグ展実行委員会

 制作者有志で、「教会通り」を練り歩き、お店を訪れて食事に勤しみ、ショッピングをした。
 その中で立ち寄った定食屋さん「やしろ食堂」の飯がとても上手い!ファサードのさりげなさ、昭和的な雰囲気が気にって(私は昭和世代です。)、ご主人に期間中のファサード飾りつけを申し出たところご快諾していただいた。

「波紋」近景
デザイン:小泉 浩隆、制作:北原 大志、小泉 浩隆、写真撮影:高塚 涼太

波紋が、教会通りから始まる。
2020年のウィルス流行という悪い波を打ち消したい。
教会通りの定食屋さん「やしろ食堂」のファサードを、厚さ5mm、幅600mmのバルサ材72枚で試験的に覆った。
 ー出展:アートゲイト荻窪2020-プロローグ展作品集 P13
 
一粒の水滴が水面に落ち、「波紋」が一面に広がる様子を瞬間的に捉えて表現したいと思い、断面形状をスタディーして3D化し、建築家北原さんの協力を得てバルサを一枚一枚丹念に切り出した。

最終断面形状(1/72)
やしろ食堂ご主人(2020年)

次回参加時には、ファサード一面に波紋を広げたいという思いがあったものの、コンゴ民主共和国とパキスタン国の案件が本格化し日本での滞在日程が合わずその後参加は叶っていない。機会があれば是非挑戦してみたい。

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