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熱烈温浴ファンハラダによる「温浴施設のための成功モデル100事例セミナー」についての感想とご紹介

こんにちは、ハラダです。

「温浴ビジネスN字成長戦略セミナー」の開催が2022年9月28日に迫る中、昨年度に開催された「温浴施設のための成功モデル100事例セミナー」を視聴いたしました。

「全国の温浴施設にはこんな工夫もあるのか!」と驚きと学びが盛りだくさんだったので、ご紹介も兼ねて感想を述べさせていただきます。

主催の弊社代表 望月義尚


・「100事例セミナー」とは??

100事例セミナーとは、弊社代表 望月義尚が前職である船井総研在職時(1999年)にスタートした温浴施設向けセミナーの名称です。 


SNS上で温浴施設の経営者同士がやり取りをしている現代では想像すらできませんが、当時は施設同士の交流がほとんど無かったそうです。そしてそれは、極度の「情報不足状態」を招いていました。


そんな温浴業界全体の風潮に危機感を感じたことが、100事例セミナー開催のきっかけだそうです。


・延べ1000人を集めた?!

そんな「かゆいところに手が届く」100事例セミナーは開催直後から受けに受けたらしく、開くたびに満員御礼。全国縦断も行ったことがあるとのこと…

なんと、望月が主催した第7回までに延べ1000人の参加者を集めたそうです。


しかし、2000年台中盤に温浴業界は成熟期を迎え、独自性が無ければマーケットに漂う閉塞感に飲み込まれてしまう状態に…

この時に望月は「他社の取り組みをベンチマークとする100事例セミナーは、完全に時代の役割を終えた」と思ったそうです。


・伝説のセミナーが復活したワケ

では、なぜ2021年に100事例セミナーが復活したのか?

それは、コロナ禍という温浴業界がこれまで経験したことのない危機に晒されたからです。

勝ち続けていた施設が瀕死に陥る。
逆に、廃業寸前だった施設が奮闘する。

そんな先が見えない状況の中で生き残るためには、「情報交換の場」を再度復活させる必要があると考えた、とのことでした。

受講者の皆様


・20事例×5講座=100事例!

当セミナーでは、文字通り100個の事例紹介が行われます(笑)
講座ごとにテーマと講師が決まっていて、50分間で20事例のご紹介。

それが5講座もあるので、250分に100事例が詰め込まれていることになります。
代表が「厳選された100事例」と講座の終盤で説明していました。


確かに事例の一つ一つがシンプルながら工夫に満ちていて、「すぐに使える」事例ばかりだと感じました。

まさに、目からウロコが落ち続ける濃密な講義だと思います。


・1スライド1事例の高速説明

基本的に1事例の説明は1スライドに収められて、以下のフォーマットが使用されています。

スライドのフォーマット

テーマ・講師ごとに形式が変わらないので、頭がごちゃごちゃしません。

また、画像をふんだんに使用しているので、全く飽きも来ずに観了することができました。


ここからは、講座の概要と私のオススメ事例を紹介いたします。


【第1講座】
「銭湯の売上を5倍にした方法」20事例

・講師のご紹介

3つの銭湯(西小山 東京浴場/昭島 富士見湯/神戸市 湊山温泉)を運営継承するニコニコ温泉株式会社https://nikonikoonsen.com/)の真神友太郎社長相良政之店長阿部憲瑞店長小泉友伽菜店長

ニコニコ温泉さんは、経営が厳しくなった銭湯を引き取って、これまでの銭湯業界にはない新たな施策に次々と取り組まれていることで大変注目されています。


・ハラダのおすすめ事例

私が「銭湯に美術」と言われてパッと思い浮かぶのは、恥ずかしながら富士山壁画くらいなのですが、

ニコニコ温泉さんでは、一見すると銭湯と関わりが薄そうな美大出身者や現役美大生を積極的に採用していて、ポスターや内装、看板に壁画までありとあらゆる制作物を任せているとのことです。

確かにセンスや技術が求められる作業は、人によってスピードもクオリティにも大きく差がついてしまいますよね…

実際に、完成までのスピード感が桁違いに変わったそうです。

さらに、このような作業は専門技術が求められるため外注すると高い!
その人件費を抑えられるという金銭的メリットも大きいとのことでした。

講演中の真神友太郎社長

美大に進んだ友人が何人かいます。

社会人となった彼らをみると、
「あの天才的な能力が活かしきれてない!」
と思ってしまうことが多々あります。

まだまだ活かしきれてない芸術系人材活用の場としても機能することで、社会的にも重要な役割を担っていると思います。

今後さらにAI・デジタル化が進むことで「人にしかできない発想や能力」がより重要視されていくといわれています。それはまさに芸術に関する能力を持っている人たちです。

一足先にそのような人材を受け入れ、活躍していただくことで他の温浴施設とは別次元の存在感を放てると思います。


【第2講座】
「中堅スーパー銭湯の戦い方」20事例

・講師のご紹介

2022年9月現在サ活数全国8位を誇る「天然温泉 満天の湯」(https://mantennoyu.com/)の常務取締役である久下沼伊織https://twitter.com/manten4126?s=21&t=7GXFQjTxjNxKHvQ9g9vNtw)さんが講師を務めます。

「オフロ保安庁KGN長官」の異名を持つ久下沼さんのバックヤードマネジメントは圧巻で、全国の温浴施設経営者が視察に訪れるほど…と聞いたことがあります。


・ハラダのおすすめ事例

おそらく、20事例では足りなすぎたので最後に3つ詰め込んだんだと思います(笑)
久下沼さんのファンサービスに脱帽してしまいます。

なぜ、この事例が好きかというと…
私自身が久下沼さんの思惑にまんまとハマってしまったからです。

引っかかったのは、サウナモニターです。

満天の湯のサウナ室には、モニターがあるもののテレビ番組は流れません。
私が初めて入ったときは、サウナマナーについてのスライドが流れていました。

講座でも述べられていますが、マナーを伝えるのに「〜してはいけない!」「〜はダメ!」という言葉は威圧的なので避けているそうです。

講演中の久下沼伊織常務取締役


確かに「アドバイス」や「心得」などの優しい言葉使いで利用者を誘導されていて、「これなら特段意識せずにマナーを守れちゃいそうだなぁ」と感動したことを覚えています。

問題はその直後です。感動して気が緩んでいたところに、スムージーの写真が流れてきました。

私はすぐにサウナ室をでました。すぐに身体を拭いて、着替えて、気がついたときにはレストランでした。

地元では「稀代のあまのじゃく」で有名なハラダが、ヤラれました。

サウナモニターで飲食の販促を行っている温浴施設はまだまだ見かけませんが、「効果を発揮すること間違いなし!」と確信を持って断言いたします。


【第3講座】
「アウトドアサウナ先駆者の取り組み」20事例

・講師のご紹介

講師は野田クラクションべべーさん。(https://liginc.co.jp/518272

数々のメディアに登場されていますので、ご存知の方も多いと思います。

全サウナー憧れの「The Sauna」(https://lamp-guesthouse.com/sauna/)のサウナビルダー兼支配人を務められています。まさにアウトドアサウナ界のパイオニア。


・ハラダのおすすめの事例

閑散期の平日をパック化して売り出すという取り組みです。

(予約サイトを見ると全て埋まっていて本当に閑散期なんてあるのか?と思ってしまいますが…)

手順としては、

  1. 予約システムで空き状況の確認

  2. 空き日程でプランニング

  3. 再度、予約システムで売り出す

というシンプルでコストがかからない取り組みながら、稼働率がほぼ100%に近づいたそうです。

泊まり込みで、大自然に囲まれたサウナに入りながら仕事ができたら捗るに決まってますよね!(次に開催された際はすぐに社長に打診したいと思います…)


IT技術のさらなる発展によって手続きの簡略化が期待できますし、リモート化が進む現代社会においてニーズもどんどん高まっていくのではないでしょうか。

講演中の野田クラクションべべー氏

この事例だけでなく、べべーさんの取り組み全てに、

  • 利用者、消費者心理を徹底的に掴む

  • ネガティブな状況を楽観的に捉えてプラスに変える

という共通点を強く感じました。

温浴施設経営者に向けたセミナーですが、コロナ禍で苦しむ他業種の経営者、学生生活に達成感を感じられない大学生にも響くと思うので、ぜひ視聴してほしいと思いました(笑)

軽快な語り口と迸るポジティブシンキングは、話を聞いているだけで明るくなれます。


【第4講座】
「低投資で絶大な効果を上げる」20事例

・講師のご紹介

川崎市の大人気温浴施設「朝日湯源泉ゆいる」を手掛け、多様な温浴施設の繁盛店開発で知られる有限会社アクアプランニングhttps://www.aqua-planning.jp/)の吉澤賢吾さんが講師を務めます。

設計士目線の繊細なハード面の工夫事例が勢揃い。


・ハラダのおすすめ事例

充実した外気浴スペースというと、大型スパ施設やスーパー銭湯にみられる広大な外気浴スペースをイメージする方が多いと思います。

その常識を覆したのが、アクアプランニングさんが携わった「黄金湯」(https://koganeyu.com/)や「朝日湯源泉ゆいる」(http://asahiyu1010.com/)の外気浴スペースです。

活用方法が難しい狭い露天空間に、満足度バッチリな外気浴空間を作り上げています。

リクライニングチェアを置けない代わりに、足置き場を設置したり、頭を壁に持たれかけさせることができるような椅子配置など、徹底した利用者目線の工夫が目を引きます。

講演中の吉澤賢吾氏

また、外気浴スペースに繋がるドアを開けると、自然と推薦と手桶に手が伸びるような設計にしたそうです。

これは、向上するサウナマナーに対応するための設計とのことですが、「注意喚起」のような強制性の強い文言によって利用者にマナーを守ってもらうのではなく、ハード面から自然にマナーに則った動きに誘導してしまうとは本当に驚きです。

この工夫は、限りがある外気浴スペースだからこそ最大の効果を発揮したのかもしれません。 狭いからこそ、水栓と桶に手が伸びますし、マナーを守っている他の人の動きがよく見える。

もしかしたら「見られている気がするからちゃんとしよう!」と、いつもよりマナーを意識する人も生んだ可能性すらあります。


一番スムースで効果的な「マナーの伝播方法」は、この工夫のように強制ではなく、利用者自身に気づいてもらうような仕組みづくりなのかもしれないと学ぶことができました。


【第5講座】
「コロナ禍からの復活の狼煙」20事例

・講師のご紹介

ラストを飾る講師は、温浴施設コンサルタント歴25年のパイオニアで弊社代表の望月義尚と、営業中の女湯に入れる唯一のコンサルタントである弊社常務取締役の望月啓子です。

日々のコンサルティング活動で携わる施設で実行した工夫事例を、具体的な数字も合わせながら10事例ずつご紹介しております。説得力が半端ないです。


・ハラダのおすすめ事例

ここでの「無料」とは、利用者が追加料金を払わずに利用できるサービスのことを指しています。

講座の中では、

  • 男性用小便器に氷を投入▶匂い抑制と清掃の可視化

  • デトックスウォーターの導入▶女性客の満足度アップとSNSでの拡散効果

の2点が紹介されていましたが、利用者が追加コストを払わずに利用できるサービスは数え切れないほどありますよね。

ここで伝えたいことは、
「無料サービスの工夫は有料サービスにこだわるよりも感動してもらいやすいからお得!」
ということだと思います。

自分自身、サービスの有料・無料はあまり意識していませんでしたが、温浴施設で感動した体験を振り返るとほとんどが無料サービスでの工夫だと気づきました。

弊社代表 望月義尚
弊社常務取締役 望月啓子

直近でいうと、毎日サウナさん(https://everyday-sauna.com/)での工夫事例。

浴室内の無料ドリンクを麦茶・ほうじ茶・デトックスウォーターの3種類で提供していたり、一時間に一回の無料アウフグースイベントへの訴求(熱さやテーマの可視化)には、「入館料に対して贅沢すぎるな」と思いました。

それは、無意識で「無料なのに…」と思っていたから尚更に感動したのかもしれません。

同じ銭湯やサウナ施設に通いつけるようになった理由を友人に聞くと、必ず「感動体験」が伴っています。

「無料サービスにこだわるなんて勿体ない!」と考えるのではなく、「感動によって利用者の記憶に残せるチャンス!」と捉えれば、これほど安い工夫はないかもしれません。


まとめ

1講座1事例をピックアップして、5事例分の紹介と感想を述べました。

これがあと、95事例もあります(笑)

「ボリュームが多すぎて観る時間がないかも…」と思っている方もご安心下さい。2倍速までできます!

「コロナ禍からの復活」が主要テーマの一つですが、これから迎えるアフターコロナの世界においても、十二分に効果を発揮するであろう事例ばかりです。

もうすでに温浴施設を運営されている方はもちろん、これから温浴業界にチャレンジする方にも是非ご覧いただきたいセミナーです!!
https://aqutpas.co.jp/success100

講師の皆様

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