これからARアプリを開発したい人が体験しておくべきiOSアプリ5選

ARKitがWWDCで発表されて一年近くが経ちました。新しいARアプリが続々と登場しており、これからARアプリを開発しようとしている人もどんどん増えています。

本日はARKitなどのツールを使って、これからARアプリを作って行こうと思っている人に開発の参考になるオススメのARアプリをご紹介したいと思います。

今回選んだアプリたちは、ただ面白いアプリだからというのではなく、技術的なヒントがあったり、これから使われるARアプリを作る上でヒントになったり、ARがこれからどういう方向に向かうのかを考える上で役立つと思ったものを選定しています。

ちなみに体験できる方が多い方が良いと思ったので、今回ご紹介するアプリはiPhoneXがなくてもできるアプリケーションに限定しました。

Graffity:非常に安定したARを実現したARビデオチャット

最初にご紹介するのは非常に安定したAR表現を実現されているARを使ったビデオチャットアプリのGraffityです。

Graffityは昨年11月に正式公開されたアプリで元々は女子高生を中心にしたSNSアプリでした。「空間にARで落書きする」をコンセプトに空間をデコって、タイムラインにシェアできるアプリとして登場しましたが、その後ARでビデオチャットができるアプリにピボットしたようです。

本アプリの推しポイントは何と言っても超安定したAR表現です。

実際にGraffityで空間に文字を書いた後にしばらく歩いたのち、文字の場所に戻ってくる実験をしてみました。

ARアプリをiPhoneなどで作ったことがある人はご存知かと思いますが、今のARでもこれだけ最初の位置からズレないものを表現するのは大変です。

GraffityのCEOの森本さんとは以前イベントでも一緒に登壇させてもらったのですが、彼らは画像処理を得意とするエンジニアの方を社内で雇っており、独自に画像認識などを強化することでこれらを実現したということです。

一見、小さなことのように見えるこうした技術的な創意工夫もARアプリとしての良いUXをユーザーに提供することができ、他のARアプリより抜きん出るための大事なファクターの一つだと思っています。

Wanna Nails:ネイルのお試しを気軽にARで実現

続いてご紹介するのはARで簡単にネイルをお試しすることが可能なWanna Nailsです。

Wanna NailsはiPhoneのカメラに手をかざすだけで爪を瞬時にトラッキングして、ネイルの色を重ねて見せてくれます。

そのトラッキングの精度と速度は目の見張るものがあります。実際に自分が体験してみた動画が以下です。

手の甲を見せたときだけでなく、手を丸めたときや爪の一部が隠れたときにもきちんとトラッキングしてくれるのもかなりすごいですね。

またこちらのアプリはそのトラッキング精度もさることながら、そのほかにアプリとしての設計もかなり緻密なものになっています。

気に入ったマニキュアの色があれば、その場でAliexressを使って購入することが可能だったり、自分で似合っているかどうか判断がつかなければInstagramでシェアして友達に意見を聞くこともできます。

実際にこちらのアプリをTwitterで紹介したところ、女性の方から絶賛のコメントを多くいただいて、きちんとマニキュアユーザーの課題解決にも繋がったアプリなのだなと実感しました。


また「〇〇の試着にも使いたい」など他の応用例の要望も多く出ていたので、これからARで試着系のアプリを作ろうとしている方はアイデアのタネにしてみると良いかもしれません。

またこちらと似たアプリに「You Cam Make」という化粧シミュレーションアプリもあります。こちらもWanna Nailsに引けを取らないくらいきちんと化粧をシミュレートできるARアプリなので、気になる方は併せて体験してみてください。

WebXR Viewer:Web ARの可能性を先取り体験

3つ目にご紹介するARアプリはFirefoxの開発を手がけるMozillaが出した「WebXR Viewer」です。

本アプリは「実験的なアプリ」という位置付けですが、開発者はぜひ触っておくべきだと個人的に思っています。

こちらはアプリではあるのですが、中で表示されているARは全てHTML、CSS,Javascriptで表現されたウェブコンテンツです。

Mozillaはここ最近Web XRに注力しており、Web ARを実現するための第一歩としてWebXR Viewerをパブリッシュしました。

WebARでありながら、そのAR表現の精度や実現度はネイティブアプリに引けを取らないものになっています。

こちらは現在独立したアプリとして出ていますが、Mozillaが発表しているということは近い将来、必ずFirefoxに組み込まれることになります。

加えて、つい先日、GoogleもGoogle ChromeにWebARを表示できる機能を標準でインストールしたことを発表しました。

個人的にはMozillaの方が先かなと思っていたのですが、Google先生が開発力を見せつけてきました笑

何にせよ、これからネイティブアプリに加えて、Webの世界でもARを使ったサービスはどんどん出現すると思われるので、これらの技術は要チェックだと思います。

ちなみにWebARについては過去にMediumの個人ブログでもまとめたことがあるので、もしご興味ある方はこちらもご参考ください!

Qlone:iPhoneだけで3Dスキャンが可能に

続いてご紹介するのはこれまでのアプリとは打って変わって、ツール的な立ち位置のQloneというアプリです。

こちらは専用のマーカーを印刷して、スキャンしたいものをマーカー上に載せて、くるくる回しながらiPhoneで撮影するだけで3Dスキャンが可能になる優れものです。

これはアプリとしてできることが面白いという面でもオススメですが、さらに「これだけ簡単にリアルのものをバーチャルに持ってこれるようになった」「3Dデータとして保存できるようになった」というのを実感することができるという意味でもオススメしています。

まだまだ完成する3Dデータは荒削りですが、これだけ3Dスキャンのハードルが下がればARやVRの中で使われる3Dモデルの価値や種類も変化していくことが予想されます。

そして我々が保持するデータ、閲覧するデータも今後平面だった写真や動画から立体的なデータに移り変わっていく。

そういったAR時代の未来予測の一助として開発者の方に体験することをオススメしたいアプリです。

Google Lens:AR時代の検索を体験する

最後はちょっと意外かもしれませんが、Googleが提供するGoogle Lensです。

こちらは存在はご存知の方も多いかと思いますが、撮影した画像からGoogleで検索することができ、関連する情報などを提示してくれるサービスです。

リリース当初はAndroidのみでの提供でしたが、今年に入ってiPhoneでもGoogle PhotoというアプリからGoogle Lensを利用できるようになりました。

(※本機能を利用する際には言語設定を英語にしてください)

本アプリはARが本格的に生活のなかで利用されるようになった未来での検索を擬似的に体験することができると考えています。

ARが普及した時代にはみんながARグラスをかけて、情報のインプットもグラスについているカメラからの画像情報になります。

そうなった時、多くのユーザーはこれまでスマホの中でしていた文字入力をしなくなり、自分が今見ている外の世界の情報をインプットにGoogle上で検索を行って、Webから情報を引き出すようになります。

街中で見かけた気になるものや人を簡単に検索にかけられる時代に人はどのような情報を好み、どのように情報を使うのか。

Google Lensはそんな時代の検索を擬似的に体験させてくれるアプリだと思っています。

ユーザーの目に写っている景色をWeb上の情報と結びつけて、気持ちよく表示してあげる、ということを実現した会社はAR時代には大きな存在感を持つことができると思われます。

そういった未来の検索の形を今から触れておくことで、AR時代の到来を見据えたARサービスを開発することが可能になると思います。

以上が僕が考える「これからARアプリを開発したい人が体験しておくべきARアプリ5選」でした。

ARKitが登場した当初はギミックなどでびっくりさせるだけのARアプリしか登場していなかったですが、徐々にARの本来の価値を発揮させるようなアプリが登場し出しています。

上記の5つの他にもたくさんの素晴らしいARアプリがあると思うので、もしそういったものをご存知の方はぜひコメントやTwitterのDMなどで教えていただけると幸いです。

Twitterでは日々ARの新しい技術や面白いニュースについてツイートしているので、もしご興味があればフォローしていただけると嬉しいです!

またFacebookでも「AR Japan Community」というAR情報を共有するグループを運営していますので、ご興味ある方はぜひご参加ください!


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コメント1件

> ARKitがWWDCで発表されて一年近くが経ちました。

記事が書かれた2018/06/20時点で、2017/06/05のWWDC 2017 KeynoteでARKitが発表されてから1年以上経っているはずです。
https://www.apple.com/lae/apple-events/june-2017/
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