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【Global AR Interview】ARであることの必然性を追求して作られたゲーム「AR Tanks」の制作秘話

海外のARスタートアップのファウンダーやキーパソンに突撃インタビューするシリーズ企画『Global AR Interview』

今回は机の上でミニ戦車を操作して、ミサイルを打ち合うARゲーム「AR Tanks」を開発したUKのJoseph Graingerさんに、なぜAR Tanksを開発したのか、AR Tanskのゲームデザインのこだわりや工夫点などをお聞きしました。

これからAR技術を使ってゲームを作りたい方々は必見です!

Q:まずは自己紹介からお願いします!

名前はJoseph Grainger!みんなからはJoeって呼ばれてる。今は27歳で、UKのマンチェスターに住んでいるよ。

7年前からゲームを作り始めてるんだけど、ジャンルは結構バラバラなんだ。

代表作でいうと「Alto’s Odyssey」というちょっとアートな世界観のエンドレスランナーゲームや、「Glitchrunners」というマルチプレイゲームがあるよ。

Q:何をきっかけにARゲームに興味を持ったの?

実は元々3, 4年前くらいからAR技術の開発はずっとウォッチしていて、常にARゲームらしいデザインを作ってみたいとは思っていたんだよ。

今アプリストアにあるモバイルゲームってほとんどは既存のゲームにAR機能を後付けしたり、ちょっとAR用にカスタマイズしたようなものばっかりだろ?

そうではなくて、物理空間を歩き回ったり身体を動かすことを前提にしたようなARならではの特性を活かしたゲームを作りたかったんだ。

Q:今回の「AR Tanks」はどうやってアイデアを思いついたの?

最初は全然AR Tanksを作るつもりはなかったんだ。去年の7月くらいからただ純粋にARの可能性を模索し始めたのがきっかけだった。

僕はただ「ARである必然性があるもの」をデザインしたくて、色々と考えていた。そしたらデバイスを照準器のようにユーザーに覗き込んで、部屋の中を歩いてもらうようなデザインがARのゲームを作るうえで自然なんだと感じて、そこからAR Tanksのアイデアがどんどんでてくるようになったんだ。

Q:「AR Tanks」のデザインに関してどんなことを心がけたのか教えて!

「AR Tanksをプレイするほとんどの人が今までARを体験したことがない」ということを意識して、AR Tanksのデザインのあらゆる側面をかんがえたよ。

例えばゲームのプレイ画面やゲームシステムは極力シンプルにするように意識したんだ。

AR体験にフォーカスしてもらえるようにゲーム中のUIはできるだけクリーンにミニマルにしてるんだ。ゲームのメインメニューはユーザーが電車や車の中でもタンクをカスタマイズできるように意図的にAR機能を使わないようにしてる。

あとはこのゲームを開発していくなかで、ユーザーがどんな空間にいても快適にAR Tanksをプレイできるように設計したのは、今振り返るとデザイン面での大きな決断の一つだったよ。

例えば、きれいな平面が見当たらないような空間でもARのテーブルをセットアップしてゲームをプレイできるようにしたり、狭い空間でもピンチでゲーム空間のスケールを変更してプレイできるようにしたりしたんだ。

AR TanksはモバイルARゲームだから、ユーザーがいかなる空間にいてもプレイできるようにデザインすることはとても心がけたよ。

Q:ゲーム中の操作方法についてはどんな工夫をしたの?

AR Tanksのコアな体験はユーザーにモバイルデバイスを照準器のように使ってもらうところなんだ。だから現実空間をユーザーに歩き回ざるを得ないようなゲームのレベル設計やフィールドをデザインすることが大事だったね。

あとはユーザーにタンクの操作方法をユーザーの熟練度に合わせて調整してあげることも大事だったよ。初心者の人には簡単に目的の場所に戦車をまっすぐ移動できるように、タップした場所に戦車が移動できるようにしたんだ。

一方で熟練のユーザーにはもっと細かい戦車の操作ができるようにスクリーン上にジョイスティックを実装したんだ。

Q:最後に日本のARゲームデベロッパーになにかアドバイスをもらえる?

ARの強みや特徴を活かしたゲームを作ったり、実際に体験してみることをおすすめするよ。例えばユーザーがただ座ってプレイするんじゃなくて、デバイスを持って空間を歩き回るような体験をデザインするとか。

あとは、ARを体験したことがないユーザーがほとんどであれば特に、できるだけスクリーン上の情報量は少なく、ゲームのシステムはシンプルにしてあげることで、ユーザーはAR体験により入り込めるようになると思う。

最後に、最適化はめちゃくちゃ大事だ。できるだけ古いデバイスでもゲームがプレイできるようにしてあげること、そしてできるだけAR体験中もデバイスがオーバーヒートしたり、電池を食ったりしないように最適化することでできるだけ長く、たくさんプレイしてもらえる。

ARとしてのデザインの作り込みとゲームアプリとしての工夫どちらにも目を向けることが大事だね。

・・・

以上、AR Tanks制作者のJoeさんのインタビューでした。

ちなみに今回ご紹介したAR Tanksは最近アップデートされて、日本語でもプレイできるようになりました。

$2.99と有料ですが、とっても面白いですしARゲームのデザインとしてもとても勉強になる部分が多いので、ぜひまだ体験されたことが無い方は体験してみてください!

最後に

インタビューの中でもご紹介があったように、「ARである必然性」を追い求めていった結果、身体を動かすような身体性のデザインに行き着いたというのはとても興味深かったです。

身体性はAR/VRの一つの魅力であると同時にいままでゲームも非ゲームも2Dアプリではなかなか考えられて来なかった要素なので、どのようにデザインしていくのかというのはAR/VR開発者にとって一つの大きな課題でもあると感じています。

しかし、誰もまだ答えが出せていないからこそ、ARの設計やデザインを探求することはとても面白いと思います。

MESONではそのようなまだ解の無いARのデザインや設計を一緒に探求してくれるエンジニアやデザイナーの方を募集しています。

少しでもARのサービス開発に興味がある方、ARの設計やデザインの正解をMESONで一緒に探したい方はぜひ会社サイト、もしくはTwitterのDMからご連絡ください。



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小林佑樹(ARおじさん)

株式会社MESON COO/AR(時々VR)の気になったサービスやニュースや自分が作ったARプロダクトについて発信中/人生の目標は「AR」の純粋想起を勝ち取ること/ぜひ気軽にフォローしてください!一緒にAR、VRについて語れる友達も募集中です!

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