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はやぶさ2、ターゲットマーカー投下成功

5月29日から30日にかけて、小惑星探査機「はやぶさ2」の低高度観測運用(PPTD-TM1A)を実施した。はやぶさ2はC01領域の高度10m付近にまで降下。ターゲットマーカーの投下にも成功した。このときの様子は、はやぶさ2のTwitterでも紹介されている。

このアニメーション画像は、広角カメラ(ONC-W1)で撮影されている。広角カメラは、1回目のタッチダウンのときに、レンズにたくさんの塵がついて、感度が下がったという発表があった。この画像を見る限りでは、ターゲットマーカーをしっかりととらえているので、性能面には問題なさそうだ。ただ、見た目にそう見えても、データをしっかりと精査しないと性能がしっかりと出ているかはわからない。このあたりの情報は、次回の記者会見で発表されることだろう。

高度35mより近い場所の高度を測定に使われるレーザー・レンジ・ファインダー(LRF)の性能に問題なかったかどうかは、現時点では情報が発表されていない。今回の運用では、LRFで高度計測はするもののはやぶさ2の制御には使われないということだったので、運用が無事に終わったからといっても、どのような状態なのかはよくわからない。運用チームは、レーザー高度計(LIDAR)とLRFのデータをつきあわせて、LRFでしっかりと高度計測できているのかを調べていることだろう。

1回目のタッチダウンのときは、事前にタッチダウン目標点付近の地形を細かく分析し、その情報をはやぶさ2にインプットしていたことから、LRFは高度計測と安全確認のみに使われて、はやぶさ2の姿勢制御には使われなかった。運用チームは、1回目のタッチダウンに準じたシーケンスで2回目のタッチダウンにも臨むはずだ。LRFでしっかりと高度計測ができていると判断されれば、2回目のタッチダウンを実施する方向で検討が更に進むことだろう。

2個目のターゲットマーカーの投下が成功したことで、気になるのはターゲットマーカーの着地点だ。1個目のターゲットマーカーは、投下目標点から15.8m離れた場所に着地した。そのため、タッチダウン目標点として、急遽、L08-E1が設定され、最終的に、そこにタッチダウンすることとなった。ターゲットマーカーの投下は、タッチダウンよりは精密にコントロールできないので、2個目のターゲットマーカーがどこに着地したのかによって、今後の運用方針に大きな影響を与えることになる。

ターゲットマーカーが、いったいどこに着地し、3回目の低高度観測運用(PPTD-TM1B)はどのように実施されるのか。そして、2回目のタッチダウンの実施はあるのか、ないのか。気になることはたくさんあるのだが、今後の発表を待つことにしよう。

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