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小型月着陸実証機「SLIM」が月面着陸へ

日本はこれまでたくさんの探査機を開発してきたが、これまで月面着陸に成功した例はない。実は、今、日本初の月面着陸を成功させようと、1台の探査機が運用されている。JAXAの小型月着陸実証機「SLIM」だ。

SLIMは2023年9月7日に種子島宇宙センターから打ち上げられた。そして、3か月以上の時間をかけて2023年12月25日に月周回軌道まで到達した。その後、何度か軌道の修正を重ね、現在は月面から高度600×150km楕円軌道に入っている。今のところ、SLIMの運用は順調のようだ。

SLIMのX(旧Twitter)でも、このような報告がされている。

次のチェックポイントは22時30分頃。近月点降下マヌーバ#2(PDM2)を実行するかどうかの判断がなされ、GOサインが出れば、高度15kmまで近づく楕円軌道に変更される。

日付が変わった直後の20日0時頃に月面まで降下するシーケンス実行の判断され、GOサインが出ればSLIMは着陸降下を開始する。ここまでくると後戻りはできない。SLIMは秒速約1.8km(時速約6400km)の速度で降下を開始する。ただし、このスピードのまま月面に到達するとSLIMは粉々になってしまい、着陸に失敗となるので、減速しながら降下する。降下を開始する時点でSLIMは高度15kmで、着陸予定地から800kmほど離れた地点にいる予定で、そこから半径100mの円内を狙ってピンポイントでの着陸を目指す。

着陸のシーケンスは一発勝負。しっかりと着陸して、月面をホッピングするローバー(LEV-1)や変形型月面ロボ(LEV-2:愛称SRA-Q)も無事に分離され、たくさんの画像が地上まで届くことを願っている。

順調にいけば今から7時間ほどでSLIMが月面着陸となる。僕もその様子を見守ろうと思うが、今からドキドキだ。


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