Googleトレンドの年別「地域別人気度」を調べてみると人気の変動がわかりやすい

アイドルグループの人気の度合いを調べる際、「Googleトレンド」はわかりやすい。中でも「地域別人気度」は、人気の広がり方を見て取れるので面白い。以前、「Googleトレンドで知名度を調べると面白い結果が見えてきた」という記事にて、この地域別人気度について取り上げたが、今回はさらにその分析幅を広げて検証してみた。

各グループの「2004年~現在」までの地域別人気度と、2005年から各年の地域別人気度を並べて比較してみたのだ。各グループ名と、振り分けたカテゴリーは以下。

●48系
AKB48
SKE48
NMB48
HKT48
乃木坂46

●全国区
モーニング娘。
ももいろクローバーZ
E-girls

●広域
フェアリーズ
スマイレージ
9nine
Berryz工房
でんぱ組.inc
東京女子流
私立恵比寿中学
吉川友

●五大都市
℃-ute
PASSPO☆
BABYMETAL
アップアップガールズ(仮)
風男塾
さくら学院
ベイビーレイズ

●都市部
SUPER☆GiRLS
BiS
Cheeky Parade
palet

※2014年の「地域別人気度」を検証した際に結果を表示できないグループは、グループ名が一般に浸透していないと判断しリストから省いています

※リストは低解像度版です。高解像度版は有料となっています


地域別人気度の増加傾向は4つのタイプに分けられる

まず全体から見ると、2014年は検証期間が少ないため、2013年よりも人気度が少なくなっているグループが多い。ただ、この2014年の人気度が高いグループは、現在、のぼり調子という印象がある。

基本的な見方は、検証結果が表示されたところから2013年までの人気度の増加傾向を見て、いちばん左端の「2004~現在」を最終的な地域別人気度として見るという感じだろう。すると、大きく分けて4つのタイプになる。

●順当に増加型
人気度の高い地域が、年を重ねるごとに増えていくタイプ。48系グループはすべてこれ。あとは、モーニング娘。や9nineなど。

●突発的に増加型
突然、ある年で人気度が一気に増えているタイプ。ももいろクローバーZやでんぱ組.inc、ベイビーレイズなど。

●ステルス型
年別の人気度はほとんど変化が表れないのだけれど、なぜか「2004~現在」では人気度が広範囲になっているタイプ。特に「五大都市」カテゴリーに入れたものの中に多い。℃-uteやアップアップガールズ(仮)など。あとは、吉川友やSUPER☆GiRLSもここに近い。

●一時衰退型
年別の人気度がいったん落ち込むタイプ。スマイレージとPASSPO☆が該当する


順当に人気度が増加していることが強さの要因

各カテゴリー別に見ていこう。まずは「48系」。こちらは乃木坂46を含めた5グループを対象にしているのだが、とてもわかりやすく年を重ねるごとに人気度が増加している。そして、各グループの活動拠点地域がしっかりと人気の中心として表れており、「地域別人気度」に理想のかたちがあるとすれば、まさにこのカテゴリーの状態だと言えるだろう。

乃木坂46の場合は、検証結果が表示された2011年のスタート時から圧倒的に地域別人気度が高い。注目されてのデビューということがわかる。

HKT48の全体的な人気度は、ほかグループと比較して少ない。全国区をカバーしているが、人気の度合いを表す色は薄くなっており、48系の中では、やや遅れをとっている印象だ。

そして全体的に2014年の人気度が広範囲になっている。これは現在でも注目度が高いということを表しており、48系の人気はまだまだこれからも安定して高いままだろう。


順当と突発的とうなぎ上りという異なる増加型

48系以外で全国的な人気度を持っているグループは3組。それらを「全国区」というカテゴリーにした。そして、それぞれの増加傾向が異なるところが面白い。

モーニング娘。は、2005年より前のデータがないのでもしかしたら一時衰退型(以前に高い人気度があった)かもしれないが、2005年からの傾向だけを見れば順当に人気度が増加している。こちらもいわゆる理想の「地域別人気度」を示していると言えるだろう。

ももいろクローバーZは、検索ワードを「ももいろクローバー」として人気度を検証しているのだが、2011年に突発的に増加しているのがわかる。そこから一気に全国区になっている。「2004~現在」の人気度だけ見れば、モーニング娘。とももいろクローバーZは同じような状態に見えるが、そこまでの道のりはまったく異なるわけだ。

実は意外だったのがE-girls。2011年をスタートに、たった3年で全国区に近い状態になっている。モーニング娘。やももいろクローバーZと比較すれば、まだ全体的に人気度の色は薄いが、1年ごとの増加率を見ると、1~2年で追いつく可能性は高い。順当に増加しており、その増加率がとても高いというのが特徴だ。アイドルというよりもアーティストとして見せている感が強いが、そうした部分も影響しているのかも。


時期ブレイクを狙うグループのそれぞれの特徴

全国区までいかないが、人気度が「広域」になっているグループは8組。今回、カテゴリー分けした中では最も多いグループ数になるのだが、時期ブレイクの予感がするグループが並んでいる。こちらは、グループ個別で人気度の増加傾向が異なるため、8グループそれぞれを順番に見ていこう。

●フェアリーズ
順当に増えているイメージ。今回は「フェアリーズ」で検索をしたのだが、「Fairies」での検索結果もほぼ同様のものだった。ただし、「フェアリーズ」という名称自体がさまざまな場所で使われていることから、それらの検索語句を拾っている可能性は高い。E-girls同様に、アイドルというよりもアーティストとして見せている感が強く、人気度だけで判断すると、一般層にはこうした売り込み方のほうが受け入れやすいのかもしれない。

●スマイレージ
2011年にメンバーが脱退し、2012年から6人体制でのスタートとなるのだが、その様子が人気度からも見て取れる。2012年でいった落ち込んだ人気度を、いまはしっかりと2011年当時よりも増加させている。そして、意外にもハロープロジェクトのグループでは、モーニング娘。に続いて全国で広範囲で人気度が高い。全国でのライブハウスツアーを繰り返しているが、その結果が表れているのかも。

●9nine
今年で9周年を迎えるのだが、じっくりとゆっくり人気度を獲得しているのがわかる。増加のペースは遅いが、毎年確実に増やしているのは48系にも通じるところでもあり、確実に全国区に向けて進んでいるともいえるだろう。

●Berryz工房
しばらく停滞していたが、2011年くらいから少しずつ人気度が増加している。いわゆるアイドルブームの中で、パフォーマンスなどがあらためて認められた結果なのかもしれない。ただ、2014年の人気度が少ない。傾向としては、2014年の人気度は現在の注目度を示しているだけに、やや心配な要素ではある。

●でんぱ組.inc
今回は「でんぱ組」で検索した結果を表示。2013年に一気に人気度が増加しているのがわかる。また、2014年の人気度も高いものを示しており、いまいちばん勢いがあるグループと言えるだろう。CDの売り上げなどだけではわかりにくいが、こうやって人気度を調べていくと、武道館を埋めるだけのグループだとわかる。

●東京女子流
ゆっくりと人気度を確実に増やしている印象だが、「2004~現在」を見ると、全体的に色が薄くなっているのが気になるところ。人気度はあるが、人気が集中していない。知ってはいるけれど……というイメージなのかも。また、Berryz工房と同様に、2014年の人気度が少ない点が気になる。

●私立恵比寿中学
全体的に増加度は少ないのだが、E-girlsと同じようにとんとん拍子で人気度を増やしている。先日の武道館公演が大成功だったのは、こうした勢いからも見て取れる。まだまだ地方で人気度が広がっていないところはあるが、都市部の人気度は色濃く出ているし、今後も伸びていくだろう。

●吉川友
唯一のソロアイドルだが、驚くほど広範囲に人気度があるなと思った。そして「2004~現在」で見れば、人気度が広域な割には、年別の人気度はあまり広がっているように見えない。これは次のカテゴリーの「五大都市」に見られる傾向だが、そうした中でも広域の人気度を持っているのは、さまざまな活動が実を結んでいるのかもしれない。


大都市部で人気が集中するほどステルス型になる!?

一般的に五大都市は横浜/名古屋/大阪/京都/神戸になると思うのだが、今回はここに札幌/仙台/福岡といったアイドルがライブやイベントなどをよくやる都市を加えた中で、5つ以上の地域での人気度が高かったグループを「五大都市」カテゴリーに振り分けた。

このカテゴリーの最大の特徴は、「2004~現在」では五大都市部で人気が高いのだが、年別で見ると人気度があまり表れないということ。その特徴をいちばん示しているのが℃-uteだろう。2013年に関東と関西地区で高い人気を示しているが、2007年からの年別で、人気度が広範囲にわたっているものはない。が、「2004~現在」では、広範囲の都市部で高い人気度になっているのだ。℃-uteは2日間の武道館を満席にしたし、アリーナも埋められるグループだろう。それでも、全国的な規模での人気ではないことになる。不思議だ。ただし、℃-uteの場合は、調べてみるとメンバー個別での人気度がほかのグループに比べて圧倒的に高い。グループ名にメンバー名を加えていくと、全国区になっていく可能性はある。

℃-uteと同じように、年別では人気度があまり表れないグループは、ほかにBABYMETAL、アップアップガールズ(仮)、風男塾、さくら学院と、このカテゴリーのほとんどのグループになる。この5組を並べてみると、なんとなく現代っぽいアイドルなイメージがある。それぞれの特徴はまったく異なるのに、なんとなく時代観は似ているかなと。そういうアイドルは都市部に人気度が集中して、そしてそれがなぜだかわからないけど年別での人気度に表れないのかも、と仮説してみる。今後、検証していく必要はあるな。

そして、このカテゴリーは残り2組だが、ひと組がPASSPO☆だ。今回は途中でグループ名を英字表記に改名していることもあり、「ぱすぽ」で検索した結果を表示している。すぐに気がつくのは2011年の人気度が2012年に減ってしまっていること。「2004~現在」では人気度の範囲を広げているのだが、2014年の人気度が少ないのは気になるところではある。

最後に、このカテゴリーに飛び込んで来たと言えるだろうグループがベイビーレイズだ。NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』の劇中歌でもある『暦の上ではディセンバー』人気によるところだろう。2013年に、その人気度は一気に広範囲になっている。


全体的に地域別人気度はこれからというイメージ

「都市部」というカテゴリーは、いわゆる検索結果は表示できるけれど、人気度は広範囲にわたっていないグループが中心だ。SUPER☆GiRLS以外のグループはほぼ同様に、人気度の範囲が広まっていない。BiSは関東と関西の2地域で人気度を示しているが、年別で人気度の増加というものは見られない。

SUPER☆GiRLSについては、「SUPER GIRLS」での検索結果となっているが、「スパガ」「スーパーガールズ」でもほぼ同様の結果を示した。ただし、これらを組み合わせた場合の結果はわからないので、もう少し広範囲になるかもしれない。若干ステルス型の傾向もあり、すぐに「五大都市」カテゴリーに入るグループになるだろう。



「地域別人気度」を年別に見ていくと、Googleトレンドの折れ線グラフで見るよりも各グループの人気度の傾向がわかりやすい。これは今後も定期的に更新していこうと思う。また、今回の検証で検索結果が表示できなかったグループも、2014年が進めば表示できるようになるだろう。グループを増やしつつ年別に並べていけば、新たな面白い傾向が見えてくるかもしれない。

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