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国語の勉強法とは?(漢文編)

前書き

現代文編、古文編に次いで漢文編です。センター試験、上位私大レベルであれば漢文ほど簡単に高得点が取れるようになる科目はないのに、真剣に勉強する生徒の何と少ないことか。私はそれが勿体ないと思っています。

しかし文学部志望でもない限り、私立では漢文が出題されないところも多く、センターでは現古選択にすれば勉強時間は他に避けるし、試験時間も伸びてラッキーという人もいます。それはそれで考えた上での選択ならアリでしょう。

ただ、漢文が入試に必要な人は早いうちに時間をかけて勉強しておくべきです。特に高1,2年生は最初から模試で出続けますから、得点源にしてしまうと精神的に楽になると思います。

今回の話も中学生は対象外です。漢文を出題する都道府県は古文以上に少ないので、返り点だけ間違えないようにしておいて、あとは過去問でどう出ているか確認し、必要な対策を取りましょう。

返り点

返り点でつまずく人が意外に多いことを、予備校で働き始めてから知りました。学校の先生の教え方のせいなのか、本人のやる気の問題なのか、レ点、一二点のが出てきたときにどうすべきかもわからない。しかしどんな生徒でも改めてルールを一緒に確認し、□を並べてそこに適当に返り点をつけて、読む順番に数字を振らせてみれば簡単にできるようになる。全く難しいルールではないのに、最初に習った時に分からなかった生徒は自分で学び直そうという意識にならない。これはもったいない。今の先生がサポートしてあげたら、友達と一緒に勉強することでその勿体ない現状を打破してほしい。

句法

漢文の句法は大して量もないし、漢字から意味が想像できることも多いので簡単なのだが、これも後回しにされがちです。「〜能フ」とあったら「可能の能だから、できるってことか」と思えば良いのです。可能、比況、反語、二重否定、と参考書には小難しく句法の名前が書かれますが、噛み砕けば簡単なことです。

参考書の「◯◯形」という部分はどうでもいいので、漢字と意味、読み方の対応だけ覚えましょう。

読解

漢文の文章でも大抵はパターンがあります。よく見るのが二段落構成で、第一段落に昔の偉い人の話が「こんなことをして素晴らしかった!」と書かれ、第二段落で「今の人はこんなところが良くない!」などと書かれるパターン。昔の良かった人の例を挙げ、後半で、今の人もこんなに良いことしてる人がいました!という場合もあります。とにかく、生徒が「?」となるのは段落が変わって急に登場人物が変わったぞ、という場合ですが、全く関係のない話に変わるわけではないことを注意しておきます。大抵入試問題はそのひと塊である程度完結するように作題されるので、一番最後に教訓めいた、まとめの一文が入っていたりします。著者は「昔の政治は良かったが今はダメだ」と言いたいのか、「親子の情は今も昔も変わらず美しい」と言いたいのか、それが押さえられると他の読解問題も回答の方向性が絞れるでしょう。

韻文

漢詩が入試で出ることは少ないですが、出ても慌てることはありません。句法や読解の基本を押さえること。そして追加で一つ、押韻と対句に注意すること。漢詩で空欄があったら上記二点のどちらかで答えられるパターンがほとんどです。押韻とは、句末の漢字を音読みすると「ショウ」「ジョウ」「キョウ」といった具合に「you」や「ou」などの音が揃っていること。対句とは、前や後の文と同じ構成になっていること。例えば、

一日の計は早朝にあり。一月の計は◯にあり。一年の計は元日にあり。

とあったら、◯には朔日(ついたち)と入ることがわかるでしょう。実際の漢文はもう少し長いのですが。

そんなことを意識しつつ、楽しんで読めるといいですね。


漢文を読むことは入試のためだけではなく、他の難解な文章を読むことにも活きてきます。一橋大や明治法学部のような文語文には漢文の素養が無ければ読めない表現がいくつもでてきます。林修先生は、漢文読むのが好きだったので文語文には苦労しなかった、と一橋大の入試問題をみておっしゃっていたように思います。文系であれば大学で読む論文には古いものもあり、「豈」「況んや〜をや」などと書いてあったときに意味がわからないだけでなく、表現が嫌で読みたくない、となってしまっては高いレベルの論文が書けなくなってしまうかもしれません。

最後に断っておきますが今回はセンターや国立、上位私大のレベルの話です。最難関私大の上智や早稲田の漢文になると私は自分で自信を持って解説できるレベルにないので、それはまた別の専門家を頼っていただきたいと思います。


今回で一度国語の勉強法は終了して、次は他教科に入っていきましょう。まずは自信もあるところで社会かなあ。

レペゼン群馬、新井将司。世界一になる日まで走り続けます。支えてくださる皆さんに感謝。