自給自足のための栽培工学概論編集後記

 先日、出版のお手伝いをしたことを書いたのですが、主に書籍の紹介だったので、少しお手伝いの内容を詳しく書いてみようと思います。

 著者の宮下さんに出版のお手伝いをお願いされて、原稿をお預かりしたのが今月の初め、二月二日でした。
 早速Wordで書かれた原稿の校正を始めたのですが、これまでは自分の書いたものを推敲したり校正したりしましたが、人様の原稿を校正するのは実質初めてのことです。ですから非常に慎重になったのですが、とりあえず基本的なところで、半角のアラビア数字をしかるべきところは漢数字に直したり、段落の中の「?」の後にスペースを追加したり、また、段落中の「。」の後ろに半角スペースが入っていたので、それを頭から全部チェックして削除したりして、言い回しや文章の記述について疑問に思う点をまとめてメールで原稿を送付してチェックしてもらいました。
 戻ってきた原稿をチェックすると、「。」の後ろに半角スペースが入っています。
「あれ? 消し忘れたのかな?」そう思って再び消して、他の箇所についても直してから再度送りました。するとまた半角スペースが・・・・
 そこでそれは宮下さんが意図して入れていることがわかり、そのままにしました。
 その段階でWordの原稿から、電子書籍用のプレーンテキスト形式のファイルを作り始めたのですが、その後も変更箇所が大量に出ることになり、両方を直しながらやっていたのですが、途中で整合性が怪しくなり、電子書籍用のファイルは破棄して、Wordの方で校正と編集が終わってから作ることにしました。

 私もそうでしたが、書いている本人には単語や文章の意味がわかっているので、どうしても説明不足になりがちですし、一般的に使われないような専門用語の漢字などは読めなかったり、そうした部分の注釈なども追加していき、化学式なども入っているので、その部分も統一した形に直したりしました。
 ご本人もあらためて校正が始まったファイルをチェックするうちに、言い回しを直したい部分なども大量に出てきて、これでいいとなるまでに、かかりきりで五日ほどかかりました。

 ファイルの交換についても、メールからクラウドで原稿を共有するかたちに変えて、日が変わったら新しいファイルを複製し、ファイル名に日付を追加するようにしての共同作業になりました。結局トータルで二十回くらいは真剣に読みながら校正したでしょうか。

 今回の書籍には、宮下さん自身が書いた説明用のイラストや画像もたくさん入っているので、それも途中からほとんどを差し替えることになりました。
 Wordで作った原稿は、PDFに変換してそのままプリント・オンデマンド書籍のデーターになるので、この段階でレイアウトをきっちり決めなければならず、写真と文章のレイアウトや、ページの区切りなども厳密に決めなければなりません。なおかつ、プリント・オンデマンドの方は白黒印刷なので、画像もグレイスケールに変換した上で、きちんと印刷に耐えるように修正しなければならず、なんとかかんとか体裁が整ってから、ようやくKindle版電子書籍のデータの作成に着手しました。
 プレーンテキストに見出しや行間を開けたり改ページの挿入はタグを手で打っていきます。Kindle版は表示する環境によって、ページ送りやレイアウトが大幅に変わってしまうので、プリント・オンデマンドの紙の書籍と同じレイアウトにはならないので、工夫しながら写真の位置やキャプションを入れ、写真は直接ではなく、挿入箇所にファイル名を記載して、テキストファイルと画像データを別々にアップロードして、epubファイルに変換するときに一つのファイルに統合します。これもなんどもなんども変換してはチェックして、おかしな部分を徹底的に潰していきます。
 なんとか本の中身が出来たら、今度はKindle版とプリント・オンデマンド版の表紙の作成です。これも私が作ったのですが、以前から見ていた宮下さんの田んぼの画像を使うことでイメージはできていました。解像度の高い画像をクラウド経由でもらって、規定のサイズで表紙画像の作成をしました。問題はプリント・オンデマンド用の表紙で、こちらは塗り足し分4mmなど、厳密にサイズが決まっており、しかも紙の本ですから、当然背表紙と裏表紙のデータも作らなくてはならないので、1日フォトショップと格闘して、なんとか電子版とプリント・オンデマンドで、共通のイメージの表紙を作成しました。

 ファイルの準備ができたので、アカウントの作成からファイルのアップロード。つまり出版の手続きまで引き受けましたので、手続きをしてさらに書籍情報の入力と紹介文を書き、ようやくAmazonにファイルをアップロード。二月十二日、ファイルをお預かりしてからちょうど十日で無事Kindle版が出版されました。翌日プリント・オンデマンドの方の支払い口座の承認が降りた時点で出版手続きをして、こちらも週明けの21日に発送になるようで、すでにAmazonから予約販売されています。
 Amazonで本が販売されている人でも、筆者セントラルにデータが無い人は多いのですが、せっかくなのでこれも私が作っておきました。

 以前自分が出版した時は、先にKindleありきで作ったので、プリント・オンデマンドのレイアウトは後から作成したのですが、最初からプリント・オンデマンドで出版するのなら、そちらのデータを作成して、書籍のレイアウトなどのイメージが固まってからKindle版のデータを作成した方が合理的だとわかりました。そうしたことも今回お引き受けしたことでわかったノウハウですし、今後のために大変勉強になりました。

 原稿をおあずかりしてから出版までの流れを書くと以下のようになります。

・文章の校正

・編集と画像の修正とページレイアウト(プリントオンデマンド版)

・Kindle版のデータ作成

・表紙データの作成

・アカウントの作成(Kindleとプリント・オンデマンドの出版社両方)

・書籍紹介文等の作成

・データのアップロード=出版

 今回A5版70ページほどで、時間的には丸々八日間ほどかかりましたが、それでも自分にとっては経験して慣れていることもあるので、もしも初めてやるとしたら、かなりの時間はかかるでしょうから大変だとは思います。とくに校正はプロのライターでも校正をかけてもらわないとという事なので、ここが自分でやるには一番厳しい部分かもしれません。

 出版のお手伝いをする仕事としてはこれが初仕事でしたが、だいたい伝わりましたでしょうか?

 以上、お手伝いが必要であれば、よろこんでお仕事させていただきますので、お気軽にご相談ください。

Kindle版

オンデマンド版(ペーパーバック)

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

サポートする代わりに、こんな本を書いたり、こんなことをしている奴がいるよーって触れ回っていただけると助かります。

19

荒石 誠

荒石 誠の割とまともな部位

他のマガジンはめちゃくちゃですが、多少はまともな部位も残っています。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。