西へ(285文字)
餃子の皮にマヨネーズをのせてトースターで焼いたものをつまみながら、西の空を見ている。
夕日に、マッシュルームみたいな形をした雲がかぶさり、なにやら美味しそうなありさまになっている。
鳥が帰ってゆく、西へ。
単独で、つがいで、たくさんで。
断続的に。
シルエットになって。
なぜ鳥は、夕暮れ、西に帰るのだろう?
東にではなく。
この辺り特有の現象だろうか?
烏(からす)ではない。
かなりの上空を行くので、もちろん、鳩や雀でもない。
鶴かな? 首が長いし。
あるいは、鷺?
西に還ってゆく。
西には極楽浄土があると言う。
美しい三日月も輝き始めた。
西の空と向かい合いながら僕は、極楽浄土について考える。
文庫本を買わせていただきます😀!