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トイレでウクレレ(520文字)

朝ごはんを食べたあとは

窓辺で、

いつも決まってウクレレを

ポロポロないしはジャカジャカやる。

でも今朝は、

あとに用事が控えていて

ゆっくり爪弾く時間がなかった。

コーヒーのせいか、

お腹もごろごろと、

それほど切羽詰まってはいないまでも

遠くの雷鳴みたいな音をたてた。

――ますますウクレレなんて弾いていられない。

「でも習慣は変えたくないから……」

と僕は、

少し前に買ったトラベル用のウクレレ

(写真の上のほう、かまぼこ板みたいな形をしたやつ)

を掴み、

「トイレしながら弾くことにするよっ」

と宣言して個室に向かった。

思ったとおりで、

狭い空間の中でも

トラベルウクレレは、

壁を気にせず

ゆうゆうと扱うことができた。

「ちょっとー、トイレでウクレレ弾く人って変だよー!」

って妻の声がしたけど気にしない。

気持ちよく奏でた。

なんてカジュアル!

なんてフリーダム!


お風呂場で歌う歌にエコーがかかるように、

トイレットルームで奏でる音は

なかなかに大きく

好ましく響いた。

ふぃー。

お腹の雷もおさまって、

満足し、

ウクレレを壁に立て掛け、

トイレットペーパーをからからやった。

狭いトイレの片隅に

すっくと鎮座ましましている相棒が、

とってもかわいらしく見えた😃

(相棒――っつうか、まさに「棒」だな💦)



文庫本を買わせていただきます😀!