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会社の威を借る(946文字)

虎の威を借る、

かのように、

会社の威を借る、

という人たちがいるようで。

そういう人は退職後、アイデンティティ崩壊の危機に晒されるのだとか。

趣味もなければ、家事もできず、

名刺がなければ上手くコミュニケーションをとることすらできない、

だなんて事態も想定し得るみたいで。

とか書いてるこの僕も、

編集長だなんて肩書きを背負ってもいたし、

漫画『○○○○○』の担当をしてました、

なんて書くと、

いろいろ問題が発生しちゃうかもしれないくらいに目立った立場で働いてきたわけで。

つまり、思いっきり会社の、ないしは漫画家さんの威を借りながら生きてきたので、

わけあって会社を辞めて、

アイデンティティの危機に晒された、

かというと、

目の前のことへの対応が忙しすぎて、

自失する暇もなかったのだけど、

昨今諸々いくらか落ち着いてきて、

そしたら、

なるほど、これか、

これがアイデンティティの喪失ってやつか、

と思い当たるほどのクライシスが、

この僕にもちゃーんと訪れてくれちゃって、

趣味を、趣味を、と

あわててウクレレなど弾き始め、

また、

自分なるものの輪郭を今一度描き直してみたい、

という思いに駆られてnoteを始め、

で、今に至っているのでありました。

偉そうにふんぞり返っている犬みたいなおっさんを、

街やテレビで見るたびに、

滑稽よのう、

などと最近は内心で呟きつつ、

気まぐれな妻と戯れ、

ちーっとも社会的ではなく、

あくまでも個人的な(個猫的な?)猫さんに生き方を学び直そう、

と強く心に誓っていたりします。

家事もそこそこできるようになったし、

文筆以外の趣味にも、

新一年生として、

よちよちながらも励み始めた次第。

なんの威も、だれの威も借りない

一個人として、

中身からして魅力的な(でなくてもいいかな、まー、幸せな)存在になれるよう、

自分を定位し直してゆきたいと考えています。

noteで、

さまざまな方々からのビームに照らされ、

新しい己の、

新しい中心点を、

日々模索している最中なのでありました。

何者でもない私、

ということをあるnoterさんが書かれていましたが、

僕もこれに倣い、

肩書きのない己として、

いち、あひろとして、

今後も風に吹かれてまいります。

いずれはたぶん、灰になるのであろうこの身、

何者でもないこの身であればこそ、

自由で、

無限なのでありますかな。


文庫本を買わせていただきます😀!