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子どものいない家族の様々な事情

わたしは、子どもがほしかった。夫と話し合って高度な不妊治療をしたが、途中で精神的、肉体的、金銭的な理由で諦めた。このことは、noteでは何度か書いてきたけれど、親にも友だちにもはなしていない。

同時期に同じような治療をしていた友人(と呼べるかは疑問)ふたりは確率5%以下と言われながらも成功してママになったらしい。妊娠したことは聞いたけれど、産まれたことは報告を受けていない。育児でそれどころではないだろうし、元々仲が良かったわけでもない。気をつかってそっと離れていったのだと思う。

不妊治療は必要だ。原因がわかっていて、それを医療技術で解決できるのであれば、選択肢のひとつとしてあっていい。ただ、誰もが成功するわけではないこと、身体だけではなく精神的に受ける多大なダメージについては事前にもっと知っておくべきだと思う

それについてはこちらのnoteを参考にしてほしい。

先日、友人と食事をした。その友人の勤務している会社は女性比率が高いらしく、20代後半から30代で出産ラッシュだそうだ。数があまりに多すぎて、テンポラリーの従業員を雇うだけでは、仕事がまわらずに未婚の女性や子どものいない女性(もちろん男性は子どもがいてもいなくても)に大きなしわ寄せが来ているということだった。

彼女は未婚。仕事が早いので、人手不足の業務をカバーしている。わたしとおなじ40代半ば、気力だけで必死にやっているらしい。

その職場にはもう一つの問題がある。

不妊治療しているひとの負担が大きいというのだ。ひとが少ないから、休めない。不妊治療は、仕事をしながらするのは本当にきつい。定時ダッシュで病院に向かい、1時間待って、診察する。診療室で、いとも簡単に「では、3日後の午後15時ピッタリにきてください」などと言われる。

そんなね、無理。

でも卵子の成長の大きさがあるから、言われたとおりにするしかない。わずか10秒の診察と3秒の注射のために3時間待つこともある。

そんなときは、休むか、当日ぎりぎりになって体調不良をよそおって帰るかだ。どちらにせよ責任をもって仕事に取り組んでいた真面目なひとがなかなか簡単にできることではない。それでも不妊治療をすると決めたなら開き直って病院にいくしかない。

不妊治療をしていることを、上司や同僚に話せるひとはいい。でも、絶対に知られたくない、はなしたくないひともいる。事情がわかれば、会社側も有給をとらせてくれるかもしれないし、周りもすこしは多目にみてくれるかもしれない。

でも、「不妊治療をしています。」というのは、なかなか言いにくい。わたしは最後まで親に言えなかったし、きっとこのことは墓場までもっていく。

その一方で、友人は不妊治療をしたいというひとと事情があって不妊治療をすることができないひととの板挟みになっているらしい。

不妊治療ができないひとには経済的な理由と夫が不妊治療に非協力的という理由とどちらかの健康や遺伝的な疾患によるものなどが考えられる。

不妊治療のことで文句や愚痴を言っているひとのことを、不妊治療できないひとが羨ましく、妬ましい気持ちを持っているというのだ

わたしは、夫が心から望んでいたかどうかは別として、病院に通うことも、お金を払うことも、屈辱的に採取されることも協力してくれた。夫は夫なりに理不尽な思いを感じたと思うし、悪魔が取り憑いたような嫁に手を焼いただろう。

でも、世の中には絶対に検査や採取をしたくない男性もいる。それがよいかわるいかは別として、そう思う気持ちはわかる。

親や親戚の借金、その他の金銭的理由で、どうしても高額な治療費を捻出できない夫婦もいる。助成金なんかじゃ、全然足りないから。さらに、二人目不妊なんていうのもある。

わたしは、そこまで考えたことがなかった。不妊治療がつらく、しんどいことばかりにとらわれて、実を結ばなかったことにひどく落ち込んでいた。こどもを産みたいひとのなかには、不妊治療という手段があるのに、何らかの事情で治療ができないひといる。それは、治療にもまさるつらさなのではないだろうか

こんなはなしを聞いても、わたしは友だちに自分も不妊治療をしていたということをついに話さなかった。軽い感じで「ちょっと病院でみてもらったけど、なんでもなかったんだよね」と言い、「ラストチャンスっぽいタイミングで、夫さんはワシントン.D.Cに行っちゃったからね。」と適当にごまかした。

結婚したら自然に子どもを授かる、産まれてきた子どもは健康、育児は大変だけれど、すくすくと成長する。そして家族になっていく。

これは当たり前じゃなくて、奇跡なんだとおもった

わたしも「家族をつくること」は簡単に叶えられる夢だと思っていた。そんなのはあたりまえに、人生のどこかで手に入れられると余裕をかましていた。

だからそうじゃない未来を夫とふたりで生きていくことに、なかなか納得することができなかった。いまは、もう時間が経ったし、いない子どものことでいつまでもクサクサするのもちがうと思っている。

欲しかった気持ちは消えることはないけれど、それで子どもがいるひとを妬んだりはしない。わたしはわたしの人生を楽しみたいと思っているから。

まぁ、わたしのことはさておき、子どもがいない夫婦というのは実に色々な事情があるということを今更ながら知った。

不妊治療の苦痛も、不妊治療ができない苦痛も、女性にとってはとても苦しい。

だから、不妊治療のことや出産のことでマウンティングしたり、相手を傷つけるようなことをしないでほしい。ママ同士でも自然分娩だとか無痛分娩だとか、母乳とか粉ミルクとか、0歳から預けるとか3歳までずっと側で育てるとか、そういう不毛な諍いもやめてほしい。

出産して子育てしているママやパパはすごいと思う。成長していく子どもも尊いものだ。だからそれでいい。子どもは家族で大切にしてほしい。子どもをまるでブランド物のバッグや靴のように、みせびらかすようなことはしないでほしい。

家族のかたちは人それぞれだ。みんな、生きにくい世の中でそれなりの幸せを見つけて楽しく過ごしている。幸せの押しつけも、不幸自慢もしなくていい

不妊治療をしているひとの愚痴りたい気持ちはわかる。なんでわたしがこんな痛い思いをしなくちゃいけないのとか、貯金がどんどんなくなっていく恐怖とか、毎月容赦なくくる生理とか。

でも、どうか心を平穏に、治療に専念してほしい。旦那さんとふたりで向き合ってほしいと思う。

子どものことは思った以上にセンシティブだ。子どものいるひともいないひとも全員事情がちがうといってもよい。性別を超えた結婚も認められつつある時代だ。だから令和の時代は、お互い思いやりをもって、共存できる社会になったらいいなと思う。

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アラキナツ

東京タワーのふもとで世のため人のためWebコンテンツ作成をしています。noteには40代女性の日々の暮らし、働き方や生き方を正直に綴っています。夫はアメリカに単身赴任中。阪神タイガースファン。お寿司が好きです。▶連絡はTwitterのDMへ @araki_natsu

#育児 記事まとめ

妊娠から出産、子育て、教育についてなど、noteに投稿された育児系の記事をまとめていきます。
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コメント4件

これはとても胸に来ます

「家族のかたちは人それぞれだ。みんな、生きにくい世の中でそれなりの幸せを見つけて楽しく過ごしている。幸せの押しつけも、不幸自慢もしなくていい。」

仕事柄、そういう子どもと関わることもあります。

生きていくことを、もっとおおらかに大きく愛しくみんなが考えてくれれば、いいのに、と悲しくなるような胸が温かくなるような

そんな気持ちになりました。
金原さん*コメントありがとうございます。「持っている持っていない」「普通、普通じゃない」そんな風に幸せを安易に定義してしまうことに違和感があります。みんなが自分も他人も尊重できる愛のある世界になるといいですね。とくに今を、未来を生きる子どもたちには。
とても胸に刺さり、フォローさせていただきました。noteっていいなって改めて思わせて抱くような投稿でした。ありがとうございました。
きよこさん、ありがとうございます。思いついたことを雑多に綴ったnoteですが、よろしくお願いします。
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