母と太陽の恵み

新潟屈指の豪雪地帯にある夫の故郷。

結婚を決めたわたしたちは、上越新幹線とほくほく線というかわいい名前の電車に乗り、北へと向かった。

思えば、歴代の彼ママはいつも難攻不落の存在だった。ふんわり系ではない見た目と気が利かないところが、好かれなかったのだろう。

正直に、夫に話した。恥ずかしかったけど。

「あんまり気にしなくて平気だよ」

夫はそう言った。そのことばを信じるしかなかった。

新潟の小さな駅。

迎えに来てくれた、夫のお義母さんは美人で明るく、車の運転がとても上手だった。

結婚して迎えた初めての夏、段ボールいっぱいの夏野菜が届いた。

真っ赤で大きなトマトに思わず顔がほころぶ。濃い夏と緑の匂い。

濃厚なトマトソースをつくった。にんにくと塩こしょうで味を調え、茹で上げたパスタに絡める。

口の周りを真っ赤にして、ふたりで頬張る。

太陽みたいに明るく優しい母の指が、ふたりの口元をぬぐったような気がした。

#六月柿

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アラキナツ

東京タワーのふもとで世のため人のためWebコンテンツ作成をしています。noteには40代女性の日々の暮らし、働き方や生き方を正直に綴っています。夫はアメリカに単身赴任中。阪神タイガースファン。お寿司が好きです。▶連絡はTwitterのDMへ @araki_natsu
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