無料サービスはいつまで続くのか

世の中には無料があふれている。特にインターネットの世界では顕著だ。無料でよい文章や情報に触れることができる。(もちろん、ひどい言葉もあふれているが)

インターネットのビジネスモデルは多くが広告モデルで、ユーザーから課金をするサービスが増えてはいるものの、圧倒的に少ない。わたしも無料サービスの提供、マーケティングに携わったことがある。どうにも限界があるというか、色々問題があったなと思う。

というのも、先週、ポジウィル株式会社の金井芽衣さんのツイートをみて、おお!すごいなと思ったのだ。

これは、“求人を紹介されない”人生やキャリアの相談先「そうだん.me」というサービスだ。LINEで登録すると、スタッフがアドバイザーを探してくれる。その後はオンライン通話サービス(アプリ)を使って相談することができる。ユーザーは相談した時間に応じて利用料金を支払う。

このサービスのすごいところは、ユーザーファーストでサービス設計がされているところだと思う。すべての人材紹介会社が悪いとは言わないけれど、紹介して早く成約させることがナンボの世界になっているのは否めない。わたしも利用したことがあるが、「とりあえず書類出しましょう。」「ここは選考が早いです!」と言われたことがある。できるだけ高い年収(=手数料)で仲介しようというのが透けてみえてしまうし、キャリアの相談とはかけ離れている気がするのだ。

そんな転職の方法やキャリアの悩みに一石を投じたのが、「そうだん.me」というサービスだと思う。人材紹介会社はユーザーには課金しない。課金なんかしなくてもビジネスとして成り立つからだ。でも、大切なキャリアのことは、お金を支払ってでも的確なアドバイスをしてくれる人に相談したい。ユーザーのニーズを的確にとらえている。求人の紹介、人事でもない、なんの利害関係もない人(専門家)に相談できたら、どんなに心強いだろう。

相談者に料金を支払ってもらうからには、アドバイザーの品質が重要だ。この品質を担保するからこそ、有料のサービスとして成り立つのだ。わたしも、もっと早く(15年くらい前)にこのサービスがあったら人生は変わっていたかもしれない。今からでも遅くないかもしれないけれど。

この手の相談サービスは他の分野でもよくみかける。その多くが無料で利用できる。例えば、投資などの無料相談を銀行や証券会社が行っている。当たり前だが、その先にはその相談した会社の金融商品の紹介がついてくる。保険もそうだ。◯◯生命だったら、最終的にはそこの商品を勧められる。ほけんの相談所のようなところも一社だけじゃないかもしれないけれど、結局は保険商品を勧められる。本当に相談したいのは「お金の悩み」だ。利害関係のない専門家から知恵を得て、自分で判断する基準を学びたいのではないか。

最近、話題になっていた無料のプログラマー研修も、その先にはブラック企業の就職先が待っている。これはとても恐ろしい話だ。こういった職業訓練は、無料で受けられる機会は必要だが、行政が行うものだと思う。

それ以外にも「無料」と引き換えに、個人情報を得てマネタイズしているサービスもある。わかっていて利用するならよいけれど、なんでもかんでも無料だからと飛びつく人が多い気がする。無料というインセンティブは注目してもらうためのキラーワードだと思う。無料だからとりあえず行ってみようという動機づけにはもってこいだ。

でも、無料サービスはそろそろ限界なんじゃないかなと思う。日本人は無料に慣れすぎている。無料のサービスに対する要求も高い。無料には無料なりのサービスの線引きがあるが、そんなことはお構いなしだ。もちろん、企業は無料で提供するとサービス設計をしたのならば、品質はしっかりと担保しなくてはいけない。しかし、ユーザーからはお金が取りにくいから、法人から取ろうとかなんらかの商品営業を組み合わせてマネタイズしようと安易にサービス設計をしてはいないだろうか

わたしたちには、商品やサービスにきちんとした対価を支払う時期がきているのだと思う。消費者は限界まで下げた価格に対して、価格以上のサービスを求める。企業は、利益を削り、従業員に負荷をかけて心を蝕む。それは巡り巡って安さや無料に飛びついてきたわたしたちに返ってくるのだと思う。

ただ値上げをすればよいというわけではない。企業は、ユーザーがこの価格なら納得、満足できるものを提供する必要がある。価値があるものを作り出すのはこれからの企業の役目だ。無料サービスがはびこる中、「そうだん.me」のリリースを知り、心から成功してほしいなと思った。

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アラキナツ

東京タワーのふもとで世のため人のためWebコンテンツ作成をしています。noteには40代女性の日々の暮らし、働き方や生き方を正直に綴っています。夫はアメリカに単身赴任中。阪神タイガースファン。お寿司が好きです。▶連絡はTwitterのDMへ @araki_natsu

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