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合わせ湯でまさかの逆転現象を体感?

 前回の日記は「湯畑」について。今回は温泉そのもののお話だ。


 まず仲間と一緒に向かったのは共同温泉・大滝乃湯。宿及び湯畑からも歩いて数分というベストポジション。
 とはいえ、草津の街自体が予想以上に起伏の激しいトコで、少し移動だけでも結構な運動になる。近道だと思ってたら急坂なんてのも珍しくない。まず目的に応じて預ける荷物を決めてから、必要なものだけ持って散策するのをオススメする。
 温泉へ行く支度をして、散策がてら歩けばもう目的地だ。

 泉質は酸性硫黄泉・pH2.1。リトマス試験紙を付けてみたいくらい。
 大浴場と露天風呂は、のんびり浸かるなら丁度いいくらいの温度まで抑えられている。とはいえ先に書いた通りの強酸性、10分も経たずに上がってみると肌が全体的に白くなっていて……文字通り一皮剥ける感覚があった。これでも草津の中では柔らかい泉質らしく、これなら大浴場を作るのも納得。


 しかし本番はここから。大滝乃湯には「合わせ湯」も設置されている。

 合わせ湯……源泉を水で薄めることなく入れるように、自然冷却して適温にしていくシステムだ。浴槽は4つあり入る順番も決まっている。つまり徐々に暖かい、熱いところへと身体を慣らしていく流れだ。

 まずは1番目。ぬるい。これは大人から子供まで誰でも入れる温度。温水プールよりちょっと高いくらい。これで身体を軽く温めたら、次は2番目。

 普通だった。一般家庭のお風呂に近い温度か。今の時期なら給湯設定を41~42℃くらいにしてる方も多いでしょうが、それに近い。これも長く浸かるのは問題なく、温泉の薬効をじっくり味わえる。ただ合わせ湯の浴槽は小さめで、とりわけ2番目、3番目は大人二人くらいしか入れない(三人入るとかなり窮屈)。前後の様子を見ながら入るといいと思う。

 その3番目から一気に「熱い!」となる。ひなびた旅館の大浴場で物凄く熱いトコがあったりするけど、それに近い。入った瞬間にまず熱い刺激が来て、入っているうちに熱さが全身へ回ってくる。熱いのが苦手な人はこの時点でギブアップかもしれない。自分はまあ何とか浸かれた。

 とうとう源泉温度により近い4番目。どれだけ熱いのか、と覚悟を決めてまず下半身だけ浸かってみると……

(?! 何だ、コレ?)

 手足の指先にキーンとも、ジワァーンともいえる強烈な刺激と痺れが襲ってきたのだ。
 熱い? いや違う、むしろ冷水に突っ込んだ時とそっくりだよ! 何なんだこの逆転現象は、血管が縮こまったのだろうか? しかしこの刺激は癖になる……決して悪いモノではない。むしろ冷たい方よりずっと良いかもしれないぞ!

 とはいえ長く浸かるものでもない。なにより刺激に慣れてきた頃には熱さでノボせる。ヘトヘトになる前に上がりましょう。
 そして一旦身体を落ち着かせてから、また1番→2番と入っていく。これを何回か繰り返すと物凄くさっぱりするのだ。この地が湯治場と呼ばれる理由も納得だ。

湯上がりにはこういうのを食べたくなる

 強酸性と熱さで身体を刺激してくる合わせ湯、これもオススメです。

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