見出し画像

「マッチョ・ドラゴン」復活す

 おいちょっと待て。天下のNHKが伝説の名曲を復活させるとは、一体どういうつもりだ?

 藤波選手は、1985年にレコードとして発売した「マッチョ・ドラゴン」を披露する。藤波選手が公の場で同曲を歌うのは37年ぶりで、かつて蝶野正洋選手を絶句させた「伝説のボーカル」がよみがえるという。
 番組では、歌謡曲全盛期に消費財のように登場した楽曲の中から、産み落とされたこと自体が不可思議な名曲の数々にスポットを当てる音楽史探求ドキュメント。歌い手本人も登場し、その価値や意義を真剣に語り尽くす。

上記記事より

 『マッチョ・ドラゴン』には元歌があります。実は洋楽のカバー曲で、そこへ森雪之丞による日本語の歌詞を当てたものです。

 藤波辰爾のテーマ曲として作られただけあってか、歌詞自体にはヒーローソングに通じる勇壮さを感じますね。そこに破壊的すぎる歌唱力が加わった結果、この曲は伝説となった。そういうことにしておきましょう。
 ちなみに『マッチョ・ドラゴン』の4年後には新たなテーマ曲として『Rock Me Dragon』を製作してますが……これも実に素晴らしい曲で「ロックとは何なのか?」を問うような作品となってます。


 それにしても番組のテーマが良いですね。「歌謡曲全盛期に消費財のように登場した楽曲の中から、産み落とされたこと自体が不可思議な名曲の数々にスポットを当てる」……ここが物凄く重要です。

 「アレコード備忘録」最終回でも書きましたが、消費財のように登場した楽曲の中でも後世まで語り継がれるようなモノはほんの一握りにすぎません。ほとんどの曲は歴史の中に埋もれてしまうのです。
 しかし一方で、そんな埋もれてしまったモノをほじくり返すのが大好きな人達もいます。掘り返された結果、コアな人達に支持されて語り継がれてきた曲もあるのです。
 今回の番組で紹介される楽曲は、その中でも特にメジャーに近いか、産み落とされた事自体が不可思議、といいつつも製作の経緯がしっかりと判明している曲でしょう。どのように語られるのかも楽しみです。

 あと何より、御本人がまた歌うという点がたまりません。藤波辰爾が伝説的楽曲を歌うということは『イエローサブマリン音頭』『かえせ!太陽を』『スナッキーで踊ろう』もそうなるわけです。これは期待値が高まりますね。令和になっても珍盤は不滅だ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?