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その命名に感嘆

IT業界にいると、システム、ソフトウェア、プログラミング言語などで様々な変わった名前を目にします。そもそも機能や特徴を表す名前がそれほど多くなく、「なんでそんな名前なんだろう?」と調べてみると意外なことが分かって感動することが度々あります。

これらのうち、私が感動した、特徴的な2つの命名方法について書いてみます。

再帰的頭字語

プログラミング言語のPHP、これは何の略でしょう?
3文字とも何かの頭文字を取っているんですが・・・

これは"PHP: Hypertext Preprocesser" (PHPはハイパーテキストのプリプロセッサです)の略です。
元の名前にも同じ名前が含まれている。
これを「再帰的頭字語」といいます。

プログラミングの世界では、関数の中で自分自身の関数を呼ぶことを「再帰処理」と言います。
Aという関数を実行すると、その中でAを実行し、またその中でAを実行し、・・・という、作り方を間違えると無限ループに陥って大変なことになるものですが、命名でも同じようなことをしてみよう、という開発者の遊び心ですね。

このPHPという名前、よく考えると頭の"P"は別のアルファベットでも成立しするんですよね。例えばZHPだとしても"ZHP: Hypertext Preprocesser"と言えるし。
しかしPHPの場合は再帰的頭字語になったのは途中のバージョンからで、もともとは"Personal Home Page Tools"の略だったそうです。
ちなみに、このように略称で成り立っている名称を後から別の意味を含めたり別の元ネタに変えたりすることをバクロニムといいます。
たとえばガンダムSEEDにおける"GUNDAM"にはたくさんの意味がありますが、これもバクロニムです。

ヌメロニム

Internationalization(国際化)、ずいぶんと長い単語ですよね。
これはよく"I18n"と略されます。
頭のIとお尻のnの間に18文字あることから、このように表記されるようになりました。

Vue.jsで国際化対応を行うためのプラグイン"vue-i18n"

他にも、ゲームなどを海外で販売する際にその国の言語に変換したり地域制に適応させることをLocalizationといいますが、これをL10nと表記したり、正規化を意味するNormalizationをN11nと言ったりします。
このように長い単語を文字数を表す数字を使って省略することをヌメロニムといいます。
文字数が圧倒的に短くなるので入力の手間が省けて、とても便利です。

最近よく使われているコンテナオーケストレーションシステムのKubernetesも"k8s"と略されます。
技術情報をググるとき"k8s"の3文字だけで検索できるのでよく使っています。



※この記事は「アランチャの書きたかったことを吐き出すAdvent Calendar 2021」の18日目の記事です。

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