拝啓
どうも、11月でも半袖白Tでイキってるヤバい47歳の俺です。

あの時の俺は41歳、結婚して1年経ったぐらいだね。色々大変だったね。結婚生活についてはまた改めて振り返ろう。

小さい頃から歯並びはコンプレックスだった。本当に歯並びが悪かった。おまけに柔道で顔面から落ちたときに縦に割れて氷山みたいになってる歯もあるし。きれいな左右対称でもないし、歯磨きするもの大変だった。というかちゃんと磨けてないから虫歯も少なくなかった。
ただ、普通にしてると歯が全く見えない口周りだったから人から指摘されることは少なかった。

社会人になってからずっとやろうと思ってたのにあと一歩踏み出せなかった。100万以上かかるって聞いてたし、他に買いたい物、使いたいことがあったね。

そんな時、俺は米系の会社に転職した。アホなのによく入れたよ。運が良かった。そこで出会った本社から日本に来ているExpats（海外の本社や親会社、関係会社などに所属し、転勤などの理由で日本に派遣されている駐在員）の外国人、みーんな歯が白くて歯並びが良くて息も爽やかだった。
俺は自分の口臭、歯並びが更に気になり始めたね。口臭は自分で確認できないし、昔から歯列矯正やろうと思ってたし、そろそろやるかって思ったね。
柔道で乱取りしてるとき、相手と顔が近くなるし、俺の口臭大丈夫かなって。でもなかなか踏み切れなかった。100万あればあれできるこれできるってまだ色々考えてたよね。

でもそんな俺に決定的な出来事が起こる。
毎週指導のために通ってる道場で、いつものように子どもたちと遊んでた時、小学校4年の女の子に
「あ〜先生、歯がガタガタ〜」
って言われたね。その子はなんの悪気もないし、みたままをそのまま言っただけ。正面からみると唇で隠れてるけど下から見ると丸見えだったね。

この一言で「これはだめだ」と思った。
定期的に通ってた歯医者に紹介してもらった先生のところで歯列矯正はじめたね。42歳になってすぐ、2017年かな。

矯正ってすぐ始められると思ってたらそんなことなくて、始める前に氷山みたいになってた歯、状態が良くない歯、親知らずを抜いて状態を整えてようやく始まった。
ブラケットがある生活に慣れるのは大変だったね。柔道の乱取りでブラケットが口の裏側にあたって大変なことになった。なんだか不思議だったのは、口の構造上、歯列矯正してることさえ周りの人がわからなかったこと。ワイヤーもブラケットも見えないのに、なんで矯正始めたんだろうって思ったこともあったね。
大人になると歯が動きづらいし、途中ブラケットが外れたりして1年余計にかかった。毎月通って少し歯を動かしての繰り返し。通院直後は痛くてうどんしか食べられなかったな。
先生に2年で終わるって言われて、長いなーと思ってたら結局3年かかった。

「今更やっても意味ないじゃん」
「歯並びが外から見えないから気にしなくていいでしょ」
「そのお金もったいないじゃん」
色々言われたけど、本当にやってよかった。自分の人生の買い物の中でもっとも活きたお金の使い方だった。自分の歯並びが気になることはなくなったし、何より歯のメンテナンスが簡単になった。歯磨きもしやすくなった。
上下前歯の裏にはリテーナーがくっついてるけど全然気にならない。
大人たち、エグゼクティブたちが歯にお金を費やす理由がよくわかった。

歯について色々良いことばかりで、やってよかったと思うけど、それよりもっと強く学んだことは

「やりたいと思ってやれる環境にあるなら、さっさとやっちまえ」

散々調べ尽くしたでしょ？諄いほど自問自答したでしょ？それで優劣つかないんだったらゴタゴタ御託並べてないで、はやくやっちゃえばいいのよ。難しい方を選べばいいのよ。やるほうを選べばいいのよ。

百聞は一見にしかず。やった人にしかわからないことがある。始めるのに今更なんてない。だから迷ってないで、さっさと始めちゃえ。お金はなんとかなるから。医療費控除もあるし。

じゃあな、頑張れよ。あの時の俺。歯磨けよ！ババンババンバンバン
敬具