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一人旅のすゝめ

私は一人旅が好きです

一人暮らししてる時も散々ひとりでいるのに一人旅でさらに一人になりたいってどういうこと?と、自分でも思うのですが…。
1人でいることと1人で旅をすることは違いますよね。一人旅がお好きな方にはひとりひとりの一人旅哲学があると思います。

私は行き先を決め、行き先での見たいものや食べたいもの、買いたいものなどを決め、交通手段を決めて手配してより装備を軽くすることに工夫を巡らせる。。準備の段階もとても好きで、旅行当日も準備で想定したことを粛々と辿っていくことにもわくわくします。

何も決めずにふらりといく旅にも憧れますが、限られた日数だとぼんやりしてしまうだけで時間が過ぎる恐れが多分にあるので私は準備があった方が良いタイプだと思います。

さて。
一人旅歴はもう15年くらいはなるでしょうか。
数々の一人旅の中でワタシ的に強者と言えるだろう一人旅を今日は書いてみたいと思います。

まずここ

恐山

青森にある恐山です。
恐山は津軽半島じゃない方の半島、マサカリの形をした下北半島のほぼ真ん中にあります。
1人で恐山に行き、恐山の中にある菩提寺という宿坊に一泊するのです。

私は寺山修司が好きなので映画「田園に死す」で改めて予習を行い、挑みます。
青森空港に降り立ちた後、レンタカーを借りて北上。バスもあるそうですが自由が効くので車を選びます。
北の国の冷たい寂れた雰囲気が私は大好きで秘湯や手付かずの自然に埋もれたいという願望があり、
青森は寺山修司もそうですが、太宰治、棟方志功、奈良美智など奇才も輩出していて気になる美術館、記念館も多いのです。

脱線しましたが、、恐山です。
宿坊は近代的で隙間風も入らない綺麗な建物。
外を歩けば意味ありげに小石が積まれた賽の河原や


掘立て小屋の中には、、

まさに掘立て小屋

温泉があったり、

シンプルすぎます

イタコの口寄せがあったりします。

小屋の中にイタコのおばさまが待機

この世の果てと言うべきか
もうすでにあの世と言うべきか
とにかくこんな恐ろしさ満点の雰囲気の中で1人で泊まる。見様によっては天国なんですけど
これはだいぶ一人旅でも上級レベルに位置するのではないでしょうか。

そして、

もうひとつ強者な一人旅を挙げるとすれば
これでしょう

どどんと蟹一杯

一人旅で蟹フルコース。

私が行ったのは兵庫県の日本海側にある香住というところ。兵庫県に住んでいた私は自家用車でひょいっと北上すれば行ける場所でした。

一人旅で旅館に夕食ありで泊まるとすると
部屋食でない場合、大広間に通されます。
家族連れやカップルのグループの中でひとりの食卓に通されるわけです。
これだけでもハードルは高いのにそこで蟹を食べる。蟹なんて食べ始めたら1、2時間は軽くかかっちゃいます。手短に食べて部屋に引き返すとかできないわけです。

ひたすらにほじる

5、6年前でしょうか
よくやったなと我ながら呆れ…、いや、
すごいなと思っているのですがその時はせっかく香住にいくのだから香住蟹を美味しい日本酒、香住鶴でいただきたいとの一心で決行したのです。

1人席も夕焼けが見えるよう配慮されておりました

夕陽よ、きれいね
なんて周りの言葉に蟹をほじる手を止めずに顔を上げると窓の外は夕暮れ時。

きれいだなと思いつつも蟹をほじるのがやめられない。周りを気にすることもなく順調に杯を重ねて蟹の身をほじることに集中する。その時点でふわふわ酔っているし蟹は美味いし他の人たちもひたすらに蟹をほじっているし何も気にすることも気にする暇もありません。

地元のお酒、香住鶴

蟹を食べている時、人は無口になるとよく言ったもので、ある意味、蟹は一人旅向きなのかもしれません。

しかし
こう書き並べてみるとなんかの罰ゲームなのかと思えるような一人旅チャレンジ。

一人旅のすゝめとか掲げておいて人様には積極的に勧めはしませんが、、
中には1人で行く意味がわからない旅行は誰かと行きたいと言う方もおられると思いますし。

選択肢もなく1人で行く場合もありますし、個性溢れる自分だけの旅をカスタマイズできるのは一人旅ならでは。あえて前向きに、孤独に強くなる一人旅を私は愛しているし、良いものですよと言いたいと思います。

なので人様の一人旅レポなど読んでいるとわくわくして人様の気持ちまで勝手に想像して同調してしまったりするのですね。

人様の分まで含め、
私は一人旅が好きなのです。

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