見出し画像

運と恩

必要な本にはベストなタイミングで出会うと言いますが、それを実感した書籍をご紹介しようと思います。『運転者 未来を変える過去からの使者』です。

ここ一年くらいで精神世界や脳科学に興味を持つようになったのですが、この本を読んで一気に3段くらい階段を上がったような、視界の靄が晴れるような、そんな感覚がありました。もっと前に出会いたかったという気持ちもちょっとありますが、きっとこの一年で学んだ事があったからこそこの本が響いたのだと思います。

上機嫌でいるということ

まず最初にテーマとして登場するのが、上機嫌でいることの重要性です。上機嫌でいるメリットは はかり知れません。上機嫌の人はそうでない人に比べて、周りがよく見えており、チャンスにも恵まれます。普通に考えたらそうですよね。でも、実は私 一年前までけっこう不機嫌ベースで過ごしてきてしまったので、莫大な損失だったなぁと思うわけです(凹み)。でもこれもきっと必然なのでしょう。今は一昨年以前の自分と比べたら上機嫌で過ごしているので(しかもナチュラルに上機嫌!)、変われて良かったと心底思います。

この本に書かれているのは、今起こっているできごとは変えられないし、これから何が起こるかなんて誰にも分からない。だとしたら終始上機嫌で、目の前の状況を楽しむことが、今の自分にできるベストであるということです。何が起こっても、それを楽しんでみようと腹をくくる。上機嫌でいるというのは、楽しい事やいい事を期待するのではなく、起こることを楽しむと「決める」こと。

この「決める」ってところ、人生のミソですよね。自分で決めて、覚悟もキメめないと(本当の意味では)何も始まらない。逆に決めてしまえば あとは楽しみながら自動運転。真の自由ってこういう事なんじゃないかと思います。

結果(成果)はキーではない

次は、私の心がふわっと暖かくなったポイントの引用です。

「実際、世の中は誰かが頑張る姿からもらったエネルギーの集合体なんですよ。結果からもらったエネルギーの集合体じゃない。みんなそうやって、たとえば娘の頑張る姿を見て『俺も頑張らないと』って思って大変なことも乗り越えるエネルギーをもらってる。そんな大人が集まって仕事をしている、そのエネルギーがあるから、社会を動かしているんです。娘の出した結果を見てエネルギーをもらってるわけじゃないでしょ。」

救いが見いだせないような暗いニュースばかりが流れてくるけど、社会を動かしているエネルギーって本当は暖かいものなんだと思わせてくれる内容だと思いませんか?私はこっちにフォーカスすることを選びたいと思います。

そして物語は 短絡的・近視眼的な現代人には耳の痛い内容へつながっていきます。

「世の中の人はみんな、そうやって誰かの努力する姿にエネルギーをもらって自分を動かしているくせに、こと自分が努力をするということになると、運にしても成果にしても、〈今の自分〉という、ものすごく狭い世界の、短い期間でしか判断しないので、〈運が悪い〉〈努力は報われない〉と簡単に結論づけてしまいます。でも、実際に今の自分がやった努力の成果が自分に対して表れるのは、普通の人が考えているよりもっとずっとあとになってからです。それこそ十年とか、場合によっては百年とか……
しかも、その成果は自分に表れるとは限らない。むしろ、自分の周りの大切な人とか、次の世代とか……そういうところに表れてくることだってある。それなのに努力をしたり頑張ったら、今すぐ自分にいいことが起こらなければ〈運が悪い〉〈努力は報われない〉……って大騒ぎです。〈今すぐ、自分だけ〉って考えすぎなんですよ。自分の人生が延々と続く命の物語のほんの一部であるってことを知らないんです」

ネイティブアメリカンは 7世代先まで考えて物事を決めると聞いたことがありますが、今まで当然のようにすべての前提に置いていた「今生」というスパンを取り払ってしまうと、その瞬間、長年私の中に居座っていた謎の焦りや忙しなさが 少しリリースされる気がしました。

運を「貯める」

さて、ここからが 私が最も心を動かされたポイントです。

「人生トータルで使った運よりも貯める運の方が多い生き方をすれば、立派に今の自分の役割を果たして生きているって言えますし、トータルでプラスになってるじゃないですか。」
「誰よりも運を貯める生き方をする。貯めた運の半分くらい使って生きる。それでも誰より得るものが多い。そんな生き方ですよ、本当のプラス思考って。」
「だから、最初から『むしろよかったんじゃないか』って思うと、結構いろんなことが楽しめるもんですよ」

運が良く見える人は、実はご先祖さまが貯めた運を 今生で使わせてもらっているだけなのかも知れません。運を貯めるような生き方をしているのにもかかわらず運に恵まれない人は、未来の人々(あるいは社会)に運を送って(贈って)いるのかも知れません。この考えは、私的にはけっこう腹落ちしました。そう考えると、今まで体験してきたことや見てきたことに説明がつくような気がします。

「プラス思考」という考え方については 私もずっと違和感を抱えていました。これを読んで、物事をプラスとマイナスに分けている時点で ちょっと無理があるということが良く分かりました。物事にプラスもマイナスもない。起こった事を判断しない。その上で更に これが最良なんだ♪ と思ってしまえば、「基本姿勢=楽しむ」になり、無敵のステージに突入するわけです。

恩を「送る」

ここ最近 学びの連鎖反応がえげつないのですが、これに似た内容を 私の数少ない(笑)推しのおひとり、みえるホンシツチャンネルの高松さんがお話されていました。(あくまで私がシンクロを感じただけで、実際は違う事を言っているのかも知れませんが。)

高松さんはこちらの動画で、親や周りの人々に受けて来た恩は 貯めないで 使った方がいいとお話されています。お金と一緒で、恩は貯め続けていると腐ってしまうそうです。また 使う場合は 逆流させない方がいいので、本人に返すのではなく 他の人(子孫や社会)に「送る」のが良いと。このお話を聞いて、両親や祖父母から受けた圧倒的な恩にまず思い当たりました。もう 本当に圧倒的です。自分が育てたり親切にした人(子供や後輩など)が 社会にその恩を返してくれたら、自分にとってこの上ない喜びであるはずです。想像してみると、自分に返って来る以上に喜びが大きい事が分かると思います。これで 私の中のギアがちょっと上がりました。これからの人生、惜しみなく「恩送り」をしていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?