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なぜ訪問美容なの?

第一声はだいたいこの質問を頂きます。あとの方は聞かれなくてもだいたい顔に書いてあります。ですよね。お店出して上手くやっててどうして、と。(実際上手くやっているかどうかは置いといて)

動くきっかけを下さったのはお客様です。

15年以上美容師をやってきてカットするようになってから10年以上、お客様も長いお付き合いができている方が大半です。本当に有難いのです。この場を借りてありがとうございます。

長いお付き合いの中で、一緒に歳をとらせてもらってます。

小学生だった子も社会人になったし、結婚して苗字が変わったり、仕事していた方が退職されてセカンドライフに突入したり。

今後も10年20年お付き合いして頂けそうなお客様もたくさんいて、もちろんずっと髪の毛お任せ頂きたいのですが、美容室って来てもらう場所なんですよね。

今までに来られなくなった方はいますし、これからも来られなくなる方はいると思います…

これまではそんな方々に何も出来なかったし、それは仕方のないことだと思っていました。

でもそれでハイさようならはもうしたくなくなりました。

「あなたのカットは最高。今まで切ってもらった中で1番上手いわ」「私が死ぬまで髪の毛切って下さいね」あるお客様が言って下さいました。

私は「ありがとうございます。もちろんです」と答えていたけど、この時点で明日このお客様が来られなくなっても何も動ける準備はありませんでした。

そのつもりなくですが、嘘ついてたことになります。

でも嘘はいけません。

コロナ禍に入ったことで世の中の色々な価値が変わりました。明日は我が身とも、一寸先は闇とも感じる日々も体験しました。人生は長い様で短く、後悔はしても何の特にもならないことに気がついた。

前々から知っていて「いつかやりたい」と思っていた訪問美容、そのいつかはいつ?と自分の中に答えのない日々に「今からやろう」のきっかけを与えてくれたのは1人のご年配のお客様でした。

その方は90歳になっても杖をついて定期的にいらっしゃって下さるお元気な方でしたが、それから1年するかしないかであっという間に亡くなられてしまいました。ただただ悔しかった。

その方の為には訪問して髪の毛切ってはあげることはできませんでしたが、その方が私の心に残してくれたきっかけを無にしたくはありませんでした。

ここまでが行動を起こさせてもらえたきっかけです。

遡りますが、訪問美容を意識し始めたのは美容学校に通っているとき。岩手に帰省した時、母校に寄った時だったと思いますが高校生の時に体験させてもらった地元の福祉施設の方が感謝していたと教えてもらいました。

ふと、あの時のおじいちゃんおばあちゃんはどうやって髪切ってるんだろう?と。

当然切っているよな。でもどうやって?その時に訪問して切りに来てくれる美容師さんがいる、ということを知りました。

それから美容師になり、お店にいらしていたご年配のお客様と関わり、お年を召されてそのうち来られなくなる方に何も出来ない現実を知り(年賀状はきていたりして)…

いざ自分のお客様も年々お年をとっていった時、何をしてあげられるのだろうかと。

答えは一つでした。

あとは冒頭に戻ります。そして今。

こうして語ると「満を持して感」が満載ですが、至って自然な流れなのです。そういう業界にしていかなければならないし、必要としている方々に伝えて知って頂かなければならない。

今は使命感さえ感じています。

ここからは、しのごの言っても仕方ありません。やるだけです。

こんな熱い想いをお持ちの方でも、ここまでではないけど前向きな考えをお待ちの方でも、居ましたら是非ご連絡下さい。志を共にできる仲間を募集しています。

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