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WRA #3-2「興奮した選手へのマネジメント」 J1最終節 G大阪-清水 (家本政明主審)

目次に重要度を星で示しています。お忙しい方は星の多い物のみ読んでみてください。

今回は全6回(15分×6本)の今までのフォーマットで分析します。(次回は投票にあった前後半計2本で行きます!)

この試合はTwitterのアンケートで分析試合を決定しました。ご協力いただいたみなさんありがとうございました!

今回は、家本政明さんが担当するガンバ大阪対清水エスパルスの試合を分析します。家本さんの発信されているNoteに出てくる理論を随時使っていくので、是非そちらをお読みいただいてからご覧ください!

公式記録
明治安田生命J1リーグ 第34節
ガンバ大阪 0-2 清水エスパルス
審判団 主審 家本 政明 副審1 越智 新次 副審2 西村 幹也 第4の審判員 西山 貴生
警告 退場 なし
シュート数    G大阪 12-10 清水   
コーナーキック数 G大阪 11- 4  清水
フリーキック数  G大阪  8 - 7  清水
(J. League Data Siteより作成 https://data.j-league.or.jp/SFMS02/?match_card_id=24193)

★ 15:52 14:28のアドバンテージへのマネジメント

14:28のG大阪19キムヨングォン選手の反則をアドバンテージで流した後に初めてプレーが切れる。#3-1で分析した通り、警告についての「グレ男」(超簡単! 誰でもできる " 3−5−2 " (発展編)参照)では、①~②程度に該当すると考えられるので、少し嫌な感じがする部分はある。

その嫌な部分を感じたことから家本さんが初めてプレーが切れ、清水ボールの深い位置からのスローインになったところで、キムヨングォン選手に注意した。パブリックな注意というよりは、1対1での注意であった。時間がたっていたこともあるし、反則の「グレ男」度からしても1対1の注意が適切だったと感じる。

あまりにも注意の質が試合の雰囲気と乖離しすぎて、「正義マン審判」レフェリングで気をつけることは? (いえぽん、答えまーす編)参照)になると浮いてしまう。適切な熱量のマネジメントをすることが大切だと感じる。猿真似にならないようにするのがカギだといつも感じる。

★★ 20:07 Not オフサイド判定 「タイミングの難しさ」

副審2西村幹也さんのサイド。このシーンでは、清水6竹内涼選手の浮き球のPA内へのパスに対して、清水14後藤優介選手とG大阪4藤春廣輝選手が競り合った。しかし、両者ボールに触れることができずにボールはゴールライン方向にこぼれた。

こぼれたボールを追いかけ、藤春選手がボールをクリアしたところに、オフサイドポジションにいた清水33川本梨誉選手がチャレンジした。チャレンジの結果藤春選手がクリアし、そのボールは清水が拾った。

この際自身が副審をやっていても難しい部分が、「オフサイドの判断をするタイミング」である。この場合、藤春選手と後藤選手は競り合ったがボールに触れなかったため、竹内選手がパスしたタイミングがオフサイドの判断をするタイミングとなる。

実際副審をしてみるとわかるが、藤春選手と後藤選手の競り合い時のボールタッチがあるかは、些細すぎて見極めずらいことがあり、非常に難しいシーンである。

ただ、川本選手のポジションは、竹内選手のパス時点・競り合い時点ともにオフサイドポジションであり、「ボールに向かうことで相手競技者に挑む」ことでオフサイドの判定が妥当だったと考える。

アドバンテージに関しては藤春選手がクリアしたボールの結果から考えられにくい上に、西村さんがフラッグを右手に持ち替える様子もないため、純粋にポジションの認識ミスと推測できるが、実際はわからない。

★★★ 21:43 「興奮している人への対応法」 ノーファウル判定と2人のリアクション 

このシーンは、家本さん式「3-5-2」に当てはめると以下のような判断ができると考える。

(振り返り)家本さん式「3-5-2」の実践には下記のNoteより引用した基準を用いる必要がある。

A まっしろしろすけ (ファウルの可能性 0 〜 10%)
B グレ男1 (ファウルの可能性 10 〜 25%)
C グレ男2 (ファウルの可能性 25 〜 45%)
D グレ男3 (ファウルの可能性 45 〜 55%) 
E グレ男4 (ファウルの可能性 55 〜 75%)
F グレ男5 (ファウルの可能性 75 〜 90%)
G まっくろくろすけ (ファウルの可能性 90 〜 100%)
H ピカチュウ (警告の可能性 90 〜 100%)
I 赤い彗星 (退場の可能性 90 〜 100%)

超簡単! 誰でもできる " 3−5−2 " (実践編)より引用

判定ステップ① とりあえず「グレ男」

判定ステップ②  接触は確かにあるが、強度として不用意まで行っているか微妙⇒C グレ男2 (ファウルの可能性 25 〜 45%)

決定 ノーファウル

このシーンでは確かに後方から清水18エウシーニョ選手にチャレンジしたG大阪18パトリック選手の足が接触しているが、「この程度の接触を「ファウル」にすると、試合が " つまらなく " なってしまう」(超簡単! 誰でもできる " 3−5−2 " (基本編)より引用)接触であるといえる。

そのため、家本さんはノーファウルを宣告するが、エウシーニョ選手はこの判定の瞬間不満げなリアクションを示している。

そういう不満げな選手に対してのマネジメント方法については、下記のリンクの回で記されている。

この回を参考にどういう思考プロセスでエウシーニョ選手に家本さんが対応したか見てみる。

家本さんが上記リンクで明かしてくださった手の内を見てみる。

A.相 手 を 知 る
★その人は「だれ」なのかをよく理解する(国籍、パーソナリティ、影響力など)
★その人の興奮は「作られたもの」か本当に湧き出ているものかよく観察する
★その興奮はどれくらいの「レベル」なのかよく観察する(少しは冷静か、会話できそうか、イッてるのかなど)

B.興 奮 の 種 類 を 知 る
★その興奮は「何によって」生み出されたのかを考える
☆ファウル(ダメージ)を受けた「痛み」からくるものなのか
☆ファウルをとってもらえなかった「怒り」からくるものなのか
☆誰かの「代弁」からくるものなのかなど

C.周 り の 状 況 を 知 る
★興奮が生まれた時点での試合の「流れや状況」を理解する
★他にもそういった選手が「いるかどうか」をよく観察する
★相手チームの「反応と状況」をよく観察する
★その人に「影響を与えられるチームメイト」がいるかどうかを考える

D.柔 軟 に 対 応 す る
★すぐ対話した方が良いのか少し時間をおいた方が良いのか考える
★自分が直接応対した方が良いのか他の人に応対してもらう方が良いのか考える
★会話以外の方法(距離、ゼスチャー、身体の向き、態度、通告のみなど)を考える
★無視はせずできるだけ「寄り添う対応」を心がける
★対処法がすぐ見つからなければその人に意識を残しつつ早く試合を再開させる

興奮した選手はどうしてるの?(いえぽん、答えまーす編)より引用

このような観察すべき事項を示しながらも、最も大切なことは『しっかりと「選手を受け止める」「選手とその問題と向き合う」こと』興奮した選手はどうしてるの?(いえぽん、答えまーす編)より引用)であるとしている。

その2点を忘れずに、A~Dの項目を見てみる。

A. 相手を知る
相手:清水18エウシーニョ選手 (ブラジル出身)

興奮:個人的にジェスチャーをする余裕があるので、「作られたもの」だと感じる。心の底から湧き出ているとは感じにくい。

状況:少しは冷静なのではないかと考える。少なくともイッちゃっているわけではない。

B. 興奮の種類を知る

パトリック選手には目をくれず、痛がっている様子もなく、一目散に家本さんにアピールをしている
「エウシーニョ選手⇒家本さん」の方向への「ファウルをとってもらえなかった」ことによる興奮

C. 周りの状況を知る
 
試合状況:試合前半で、ファウルは少ない。エウシーニョ選手は5分以内で反則を受けている。(14:28のアドバンテージのシーン)。また、この5秒前に、全くノーファウルではあるが、G大阪10倉田秋選手の手が軽く触れていることにもストレスを貯めている可能性は低いがある。

周囲の状況:周囲には同様の不満をためている選手はいない。

相手チームの反応:特に反応がない

D. 柔軟に対応する
対応のタイミング:
ノーファウルとしているため、すぐに「対話」をするのは難しい

会話以外の方法:ジェスチャーをすれば、無視をせずにノーファウルということでプレーを続けるよう集中をうながせる。ただ、エウシーニョ選手の不満を直接解決することにはつながりにくい。

⇒(行動)ジェスチャーをする+エウシーニョ選手に意識を残す

試合中にジェスチャーをするということは私にももちろんあるが、トップレフェリーはここまでしっかり高い分解能をもって対応しているということに感銘を受けた。相手に寄り添うべきことはわかっているが、このように細かに要素分解して判断をしたことはなかった。今後担当する試合で、自身も要素分解して、観察してみたいと感じる。このマネジメントの分析だけでも、本当に勉強になる。ただ、これは手段であり、目的ではないということも肝に銘じたい。

22:09-23:32 飲水タイム

G大阪ボールのスローインになったところで、前半の飲水タイム。少し早いような気もするが、上のシーンで見たような状況のエウシーニョ選手を落ち着かせる意図もあったのかな―と推測。おしえて家本さーん!

★ 24:58 ファウル G大阪10 倉田 秋⇒清水17 河井 陽介

判定ステップ① グレイ
判定ステップ② グレ男④or⑤

決定⇒反則

このシーンでは、ボールを拾ってドリブルしようとする清水17河井陽介選手の右足をG大阪10倉田秋選手が右足で蹴ってしまい、反則。ものすごく危険なプレーではないため、まっくろくろすけではないだろうが、配慮がなくけってしまっているのでグレ男④とし、不用意なキッキングで反則とする。非常に妥当な反則。

★ 28:17 G大阪10 倉田 秋 VS 清水18 エウシーニョ

この試合、この2人がキーマンとなっていくことが予想されるシーン。G大阪10倉田秋選手と清水18エウシーニョ選手がポジションの取り合い中に、最初にエウシーニョ選手が倉田選手の腕をつかむ。倉田選手は、エウシーニョ選手のことを軽く触れると、逆にエウシーニョ選手が押し返している。お互いさまで、ファウルをとるほどではない取るに足りない事象ような気もするが、ボールの展開的に家本さんが見るのが難しい位置で起こっている。

★ 28:28 アドバンテージ 清水33 川本 梨誉⇒G大阪26 奥野 耕平

中盤でボールを受けたG大阪26奥野耕平選手がドリブルを開始し、後方から清水33川本梨誉選手がチャレンジ。以下のような判断があったと考える。

判定ステップ① グレイプレイ
判定ステップ② グレ男④or⑤

決定⇒反則

判定として明らかに危険ではないので、さっさとグレ男君たちに登場してもらう。このシーンでは、川本選手の手が奥野選手の肩口付近にかかり、奥野選手が倒れたため、フリーキック可能なシーンであると考える。

しかし、こぼれたボールがG大阪18パトリック選手にわたり、パトリック選手はスムーズにパスを出したため、アドバンテージ。非常にスムーズな流れで、素晴らしいアドバンテージ。

28:56にG大阪ボールのスローインになったタイミングで、川本選手は奥野選手に謝罪しに行った。そして、少し奥野選手の腕の使い方に不満を持っている様子(マネジメント判断基準B)を見せた家本さんは、近寄って行って軽く声掛け。奥野選手は、あまり興奮しておらず、軽い声掛けをすればプレーに集中してもらえると判断した家本さんの細やかなマネジメント。本当に選手のことをよく観察しているという風に感じるシーンだった。また、川本選手のリスペクトも素晴らしいと感じる。

★★★ 29:45 「伏線回収-自分の拳を下すチャンス-」 清水18 エウシーニョへのマネジメント

タッチライン際での攻防。清水のクリアボールがあれよあれよとタッチライン際に行った際に、G大阪10倉田秋選手がボールを蹴ってボールがアウトした後に背中側を向けていた清水18エウシーニョ選手が軽く腕を振る様な動作を見せる。

このとき、21:43のシーンでおそらくエウシーニョ選手に意識を残していた家本さんは、笛を吹いて、時間的な「間」を取りに行った。前出のNoteより、家本さん流の対応の極意を発動し、エウシーニョ選手を落ち着かせにかかる。まず、家本さんの極意を見てみよう。

★自 分 で し か 自 分 を 変 え ら れ な い
★自 分 が 心 許 し た 人 し か 心 開 か な い
★自 分 が 一 番 正 し い と ど こ か で 思 っ て る

興奮した選手はどうしてるの?(いえぽん、答えまーす編)より引用

という前提のもと、

1.急いで、すぐに、無理に、関わらない
2.いきなり、むやみに、やたらめったに、会話しない
3.へんに、むだに、よかれとおもって、落ち着かせようとしない
4.相手を知る、興奮の種類を知る、周りの状況を知る、柔軟に対応する
5.母のようにあたたかく、父のようにきびしく、愛をもってやさしく包む


興奮した選手はどうしてるの?(いえぽん、答えまーす編)より引用

この5つの極意を発動し、家本さんは後程に記す対応をとる。

また、このシーンでは倉田秋選手の状況観察も必要であるので、先ほど引用した観察の項目を見てみる。

A. 相手を知る
相手:G大阪10倉田秋選手 年長者でもあり、チームでの影響力もあるかと思われる。

興奮:そこまで大きくない

状況:話すことのできる余裕がありそう

B. 興奮の種類を知る

基本的にはエウシーニョ選手の腕を振ったという行動へのリアクションかと思われる。ただ、家本さんに対して「見ておいて」という感じも若干あるが、怒りではない。

C. 周りの状況を知る
 
試合状況:前半も中ごろで、少し試合の流れが見えてくるころ。基本的に両チームの選手はサッカーに集中して、フェアプレーをしている。

周囲の状況:G大阪の選手で数人エウシーニョ選手の行動に対して大きめのリアクションしている選手がいる。

相手チームの反応:清水側の選手で少しリアクションしている選手が数名。

D. 柔軟に対応する

対話のタイミング:プレーも切れており、倉田選手はそこまで興奮していないので、このタイミングでOK

自分or他者:
倉田選手は家本さんに対して怒りを示しているわけではないので、自分で対応してOK

⇒(行動)倉田選手に直接このタイミングで声掛けをまずする

そして、その後エウシーニョ選手に対応するが、その対応は倉田選手と若干違ったものであった。

エウシーニョ選手の現在の状況を再度整理する。

A. 相手を知る
相手:清水18エウシーニョ選手 (ブラジル出身)

興奮:相手選手に手を出しかけるなど興奮度合いは上がっているが、相手をケガさせようとする意図は感じられない。まずまず高めの興奮度

状況:少し興奮度合いが高く、また「言語の壁」も日本人選手との対話よりは存在するため、難しさがある。

B. 興奮の種類を知る

複合的な興奮であると感じる。
①先ほど取ってもらえなかったファウルでの不満(to家本さん)
②繰り返しガツガツチャレンジしてくる倉田選手への不満

C. 周りの状況を知る 
試合状況:前半も中ごろで、少し試合の流れが見えてくるころ。基本的に両チームの選手はサッカーに集中して、フェアプレーをしている。

周囲の状況:清水側の選手で少しリアクションしている選手が数名。

相手チームの反応:G大阪の選手で数人エウシーニョ選手の行動に対して大きめのリアクションしている選手がいる。

D. 柔軟に対応する
対話のタイミング:エウシーニョ選手の興奮度合いだと、今はなしてもあまり聞いてくれなさそう

自分or他者:
エウシーニョ選手は、倉田選手に対してだけではなく、家本さん自身に対しても不満を持っているため、他者の方が落ち着いてもらえそう

⇒(行動)あまり対話しすぎずに、軽く声掛けをする

家本さんは、倉田選手に対する声掛けよりもさらっとエウシーニョ選手に対応したように思える。それは、エウシーニョ選手の現在の状況を冷静に家本さん自身の尺度に合わせて観察した結果、対話しても効果がないと感じたのではないかと考察する。

先ほど紹介した前提の通り、「自分でしか自分を変えられない」ため、エウシーニョ選手が振り上げてしまった拳を振り下ろすためには、もう少し冷静になるために時間をとってあげることが必要である。

そして、人間は「自分が心許した人しか心開かない」動物であるため、判定に不満を持っている部分があるエウシーニョ選手にとって心を開いていない家本さん自身が対応するよりも、他のチームメイトが対応した方がいいと感じられたのだと考える

加えて、「自分が一番正しいとどこかで思ってる」人間の特性があるため、この時点ではエウシーニョ選手は自分が正しいと感じていると思う。ただ、エウシーニョ選手も自分の腕を振る行為が良くないことは理屈ではわかっているだろうし、少し時間がたって、落ち着けば自身の行動が良くなかったとわかるはずである。

そのような状況判断のもと、「自分の振り上げた拳を自分自身で振り下ろす」(=自分自身をコントロールする)ための時間をとるが、あまり会話しないことを選んだと推察する。これが、マネジメントに不可欠な時間的「間」であると感じるし、素晴らしいマネジメントだったと感じる。

実際、エウシーニョ選手は自身の言い分を理解してくれていると感じたのか、家本さんに対してサムアップしている。このように、頭ごなしに叱る「警察官」や「先生」ではなく、理解者たる審判員となることで、エウシーニョ選手がプレーに集中するという意識のベクトルに変える助けをしたのである。本当に素晴らしいマネジメントであったと感じる。

再開まで約20秒のこの間がゲームを良い方向にもっていったのである。審判員は、少しずれた正義感から

1.急 い で
2.す ぐ に
3.無 理 に
4.い き な り
5.む や み に
6.や た ら め っ た ら
7.へ ん に
8.む だ に
9.よ か れ と お も っ て

興奮した選手はどうしてるの?(いえぽん、答えまーす編)より引用

にマネジメントを強引にやってしまうことがある。私も多く経験しているし、他の審判員の方にとっても「あるある」な体験談なのではないだろうか。そうではなく、しっかりと背景を理解して、その背景に適したマネジメントをすることが大切だと思い知らされた。

もちろんこれは、家本さんが30年間で積み重ねてきた経験の賜物で、一朝一夕では習得できないものである。繰り返しになるが、猿真似をしてはいけない。しかし、家本さんが30年間で習得した秘伝の技をなんと無料で公開してくださっているのだから、その体験を疑似体験することで習得を早めることは可能である。試合に臨むときには是非意識したい内容だと感じる。

本当に無料でいいのかと思う内容を公開してくださり、本当にありがとうございます!

家本さんはTwitterで他の方の質問にこう答えられている。

やはり、選手は「自分でメンタルコントロールする」しかなく、審判員は魔法使いではないから、他人のメンタルをコントロールすることはもちろんできない

審判員が選手を収めるのではなく、審判員は選手が集中するきっかけづくりをする「よきお母さん」になってあげないといけないのである。ここをはき違えないことが大切だと本当に勉強になった。

ここまでのまとめ

ここまで、ほとんど反則はなく、両チームの選手はゲームに集中して、フェアにサッカーをしている。これは、#3-1で見た13分から14分にかけての家本さんのこの試合に対して判定基準を示した営み今までの家本さんの経験に対するリスペクトがあると考えている。

一朝一夕ではなしえないレフェリングであるし、選手は本当にタフにプレーを続けようとしている。他の試合だと判定に文句を言ってプレーをやめてしまいそうなシーンもあったが、この試合では少し接触があろうが、少し手がかかろうが、なんとかプレーを継続しようとしている。

本当に観ていて楽しいゲームだし、なんと30分でFKは2個しかない。本当にプレーが途切れないし、あっという間の30分だった。これは家本さんのレフェリングも大きく貢献したスムーズさであり、非常に勉強になることが多かった。

また、今回の分析ではマネジメントに重点を置いて分析したが、映像はないのに、本当に細かく観察されていて、的確な量と質のマネジメントを的確なタイミングでしている。つまり、完璧なマネジメントであるということだ。表面だけを真似すると頓珍漢なことになるので、しっかりどういうプロセスでマネジメントをしたかということに着目して、私たちは試合に生かすことが大切だと思う。

本当に分解能が高く、家本さん自身が意識していることを非常にわかりやすく言語化してくださっていることに感謝です。本当にありがとうございます。これからも勉強になるNoteがどんどんアップされると思うので、オフシーズンのご活躍にも注目が集まる。

ハイライト

DAZN映像 (2021.1.18)

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